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厚生年金は払い損なのかを内部収益率から検証

国民年金と厚生年金の労使折半

 公務員・会社員の年金は国民年金と厚生年金の2階建てが基本です。その他に3階部分を現役世代の時に積み立てておくこともできます。iDeCoや企業型DCなどがそうですね。

 国民年金と厚生年金には大きな違いがあります。それは、労使折半の有無です。国民年金は自営業者やフリーランスの方が自分で決まった金額を納める必要があります。収入の大小に関わらず、掛金が一律であることが特徴ですね。

 一方で厚生年金は収入によって、掛金が変わり、半分は会社や共済組合が負担してくれます。個人と雇い主で半分ずつ掛金を負担する、これが労使折半です。

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出典 楽天生命

 国民年金、厚生年金については、様々な意見があります。

 ・払ってももらえないから払い損

 ・年金だけでは生活できないので、払うだけ無駄

 このような否定的な意見が多い印象です。しかし、国民年金については、現段階では元が取れることは数字を見ると明らかです。

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※内部収益率とは、投資の効率性を測る指標で、どれくらいで元が取れるのかということを数値化したものです。(煩雑になるので、割引率と現在価値の説明は省きます)

 ※今回は、数字が高いほど時間効率よくお金が運用できていると解釈してください。

国民年金は優良な保険商品

 国民年金は満額払込をしているなら、75歳時点で元が取れることになります。内部収益率がプラスに転じているからですね。これは、平均寿命を考えると、多くの方が金銭的に元が取れるということです。

 国民年金にはさらに、保険機能があります。

 ・遺族年金

 ・障害年金

 65歳から月々6.5万円のキャッシュフローに加えて、現役世代時に配偶者を無くしたり、障害を負ってしまった場合の保険給付も付帯されていることを考えると、非常にコストパフォーマンスがよい保険商品と考えられますね。

厚生年金は考え方によって意見が分かれる

 一方で考え方によって違いが生じてしまうのが、厚生年金です。厚生年金の加入者は公務員・会社員で、掛金は労使折半されています。半分は共済組合や会社が支払ってくれているわけですね。この労使折半分をどのように考えるかによって、厚生年金の内部収益率は変わってきます。

労使折半ありの場合

 労使折半ありの場合は、給料から天引きされている厚生年金掛金と同じ金額です。多くの方がこの金額を厚生年金掛金と考えています。

f:id:fire-money:20211217201539p:plain 厚生年金は労使折半前の掛金では80歳まで受給しないと、掛金の元が取れません。しかし、平均寿命まで受給すれば、内部収益率はプラスになります。

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労使折半なしの場合

 労使折半されている金額の倍の額が本来の厚生年金の掛金です。この場合で、平均的な公務員が厚生年金で元が取れるのかを内部収益率から考えてみます。

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 労使折半なしの場合は、96歳まで受給してようやく内部収益率がプラスになります。平均寿命まで受給したとしても、内部収益率がプラスにならず、元が取れない元本割れ商品ということになるのですね。

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シートの大きさの都合で70代後半からの数値なっています

 労使折半なしの場合は、掛金が大きくなるので、受給額に対する内部収益率は低くなってしまうのです。100歳まで受給して内部収益率が0.29%、ここまで受給できる方がどれほどいるかを考えると、厚生年金は元が取れないと言う意見も間違いではないのです。

 ※今回の計算は社会保険料控除を加味していません。社会保険料控除を加味すれば、もう少し、内部収益率は上昇します。掛金が多くなればなるほど、社会保険料控除は増加するので、高年収の厚生年金加入者は90歳付近で内部収益率がプラスになると考えられます。

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厚生年金の内部収益率は考え方次第だが、どちらにしても国民年金には劣後する。

労使折半をどのように考えるか

 会社や共済組合の労使折半分をどのように考えるかで厚生年金の内部収益率は変わってきます。

 ・労使折半分は会社が負担してくれているものだから、ありがたい

 ・労使折半分は本来は給料に振り込まれるべき。会社が給料から労使折半という名目で給料を支払っていないだけ

 労使折半にはこのような考え方があります。どちらが正しいのかはわかりません。しかし、これらのことを考えるのは本質的ではありません。会社員・公務員である以上、厚生年金は納めないという選択はできないからですね。

 どちらの考え方にしろ、厚生年金は労使折半分を個人が支払っており、80歳まで受給できれば、元が取れる保険商品ということです。

厚生年金は損なのか

 40年間掛金を納め続けて、80歳で内部収益率がプラスになる保険商品が厚生年金です。これは、掛金の面で見れば損だと考える方は少なくないですね。

 しかし、厚生年金には保険機能が付帯しています。

 ・遺族厚生年金

 ・障害厚生年金

 ・傷病手当金

 ・出産手当金

 これらは、掛金の少ない国民年金には無い充実した保険内容です。掛金と受給額、付帯する保険を加味すると、決して悪くない保険商品だと私は考えています。人生における大きなセーフティーネットの役割を果たしているからですね。

 掛金と受給額だけを内部収益率から見ると、自分で資産運用をした方が資産形成はできそうですが、それだけで考えてはいけないのが厚生年金なのですね。

 しかし、今後は掛金が増加して受給額が下がることは間違いありません。そうなると、内部収益率はさらに下降して、100歳まで受給しても内部収益率がプラスにならないことは十分に考えられます。

 老後生活を厚生年金だけに依存することは、すでに終わりを迎えています。自分自身でしっかりと年金の3階、4階部分を積み上げて行く必要があるということです。

 ご覧いただきありがとうございました。

 年金に関してはこちらで記事にしています。

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 年金に関してはGPIFとマクロ経済スライドがあるので破綻することはないと考えています。それについては、こちらで記事にしています。

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