YOH消防士の資産運用・株式投資

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生命保険加入で押さえておくべき2つのポイント

生命保険について

 生命保険と聞くと、どのようなイメージを抱くかは人それぞれですが、多くの人にとっては、人生におけるお守りというイメージが強いですね。

 ・何かあった時に金銭的な支えになる

 ・加入しておけば入院や手術をしても安心

 このように考えておられる方が非常に多いということです。そして、このような考え方は間違いではありません。

 しかし、このような人生のお守りを持つということは無料ではありません。お守りの効果を上げれば上げるほどお金がかかるということです。

 ・死亡保障 5,000万円

 ・入院日額 5万円

 ・先進医療特約

 このように手厚くすればするほどお金がかかるということです。

 収入が十分にある方であれば、それでもよいのでしょうが、平均的な年収で保障を手厚くして生命保険に多くのお金をかければ、家計が圧迫されてしまうことになります。

 ・生命保険加入事情

 ・生命保険加入で押さえておくべきポイント

 ・生命保険加入目安の金額

 今回はこの3点について考えてみたいと思います。

生命保険加入事情

 生命保険加入を考えると、独身の方でも生命保険に加入されている方は非常に多いですね。

 加入するケースとしては、様々な考えがあるのでしょうが、私の職場で言えば、民間の生命保険営業マンの影響によるところが非常に大きいですね。

 今はコロナ禍で営業マンが消防署に出入りすることがありませんが、以前は昼休みには多くの保険会社の営業マンが来ていました。営業マンが来署されている理由は、新規加入者を獲得するためです。

 さすがに今はしていないでしょうが、私が消防組織に就職した当時は、新規採用者を集めたオリエンテーションの最中に、保険の営業マンが保険の勧誘をしていました。

 保険の内容を詳しく説明せずに、働けば保険に加入しなければならないと説明し、書類にハンコを押させようとする。

 今では考えられないでしょうが、そのようなことが当たり前に行われていたのですね。

 今でこそ、営業方法にそれほどの強引さはなくなりましたが、保険勧誘は大変熱心です。そして、保険の営業マンは保険を販売するプロなだけあって、営業に関しては非常に優秀です。

 ・消防士は危険な職業

 ・消防士は災害でけがをしたら長期間働けなくなる

 ・なにかあった時のお守りになる

 ・両親を安心させることができる

 このようなことを強調するわけですね。

 消防士は保険の営業マンにとって、非常に勧誘がしやすい属性ということです。私の同僚の中にも、就職してから何十年と同じ保険を更新し続けている方は少なからずおられます。

生命保険加入で押さえておくべきポイント

 働く人に民間保険は必要なのかということは、人それぞれです。自分に合った生命保険というのは、その人の属性によって決まるからですね。

 ・家族構成

 ・年齢

 ・借入金の有無

 このような属性が変化すれば自分に合った生命保険も変わります。その中でも押さえておくべきポイントがあります。

 ・高額医療費制度

 ・生命保険料控除

 生命保険加入この2点を押さえつつ、考える必要があります。

高額医療費制度

 生命保険加入で押さえておきたいポイントのひとつ目は「高額医療費制度」です。

 会社員や公務員は健康保険に加入しています。その保険の中に高額医療費制度があります。高額医療費制度とは、ひと月の医療費が上限を超えた場合、超えた医療費を支給する制度です。

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出典 厚生労働省

 まず、医療費が月に100万円かかった場合、健康保険によって医療費は3割負担になります。そこから負担の上限額の計算式を当てはめて計算した金額を差し引いた金額が差し引かれて支給されるのです。70歳以上は後期高齢者医療保険になりますが、実体は変わりません。

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出典 厚生労働省

 多くの会社員や公務員はウに該当します。そうすると、医療費の上限額はおよそ80,000円です。

 仮に、交通事故で手術に200万円、ICUに半年間入院すれば、保険適応外なら500万円はかかりますが、高額医療費制度があるので、50万円ほどの負担で済むわけですね。

生命保険料控除

 生命保険加入で押さえておきたいポイントの2つ目は「生命保険料控除」です。

 生命保険料控除とは、生命保険料として支払った金額に応じて所得税と住民税が安くなるという制度です。

 生命保険料控除は平成24年1月1日以降に終結した保険と、平成23年12月31日以前に終結した保険によって、扱い方が異なります。

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出典 国税庁 生命保険料控除

 少々複雑なので例を出して考えてみます。

 ・平成22年に加入した生命保険料の年間支払額が10万円(旧生命保険)

 ・平成25年に加入した生命保険料の年間支払額が4万円(新生命保険)

 ・計14万円

 この場合の保険料控除額はいくらになるか考えてみます。

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出典 国税庁 生命保険料控除

 旧生命保険は10万円なので、計算式は「支払保険料等×1/4+25,000円」となります。

 ・10万円×1/4+2.5万円=5万円

 新生命保険料は4万円なので、計算式は「支払い保険料等×1/2+10,000円」となります。

 ・4万円×1/2+1万円=3万円

 両方を合わせると8万円となりますが、8万円分控除を受けるわけではありません。控除額の限度額は4万円なので、4万円までしか控除を受けることができないのですね。

 そのため、このケースの場合、控除額は4万円となります。

 節税を意識した生命保険加入を考える場合、年間支払金額は新生命保険料の8万円がボーダーラインと考えておく必要があるということです。

生命保険料控除(住民税)

 次に、住民税で確認していきます。住民税の生命保険料も平成24年1月1日以降に終結した保険と、平成23年12月31日以前に終結した保険によって、扱い方が異なります。

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出典 ALL ABOUT

 住民税も所得税と同様に、限度額は新契約の上限で考えてよいですね。そのため、年間の掛金は5.6万円、控除額が2.8万円というのがボーダーラインということになります。

所得税と住民税を合わせて考えると年間5.6万円が最適

 所得税、住民税の控除を考えると、所得税の上限控除額4万円を受けるには、年間8万円を支払う必要がありますが、住民税で考えると、年間8万円は払い過ぎとなります。

 そのため、住民税の最高控除額の5.6円が生命保険の年間保険料の目安となります。(年間保険料が5.6万円の場合、所得税の控除額は3.4万円)

 控除を最大限生かすためには、生命保険の合計が月にして4666円、これが節税を意識した生命保険料の掛金となるということです。

 この場合の節税額を年収のボリュームゾーンである所得税20%、住民税10%で考えると

 ・34,000×20%=6,800円(所得税控除)

 ・28,000×10%=2,800円(住民税控除)

 ・年間控除金額9,600円

 保険料支払い金額年間5.6万円に対して9,600円が還付される。このようなイメージです。

生命保険は知識を積み上げないと適切に加入することは難しい。

YOHの考え

 今回は生命保険加入で押さえておくべきポイントについて考えてみました。

 ・高額医療費制度

 ・生命保険料控除

 生命保険加入はこの2つと保障内容を考えつつ、自分自身に合ったものを選ぶ必要があるということです。

 多くの方は保障内容だけに目線の高さを合わせがちですが、それだけでは不十分な場合が多いと私は考えています。

 生命保険というのは人生のお守りになり得ることは確かですが、それと同時に人生を不幸にしてしまう側面も持ち合わせているということです。

 ・月々の手取り 20万円

 ・月々の生命保険料 2万円

 私の職場でもこのような生命保険加入をされている方は少なくありません。

 年間24万円の保険料を40年間払い続けるのであれば、保険料だけで960万円になります。 

 生命保険を損得で考えるのは本質的ではありませんが、この掛金を受給できる方はどれだけいるかということです。民間の生命保険料は様々なものが添加されています。

 ・営業マンの給料

 ・生命保険会社の建物賃料

 ・加入者へのプレゼント代

 これらは無料ではありません。全てが保険料に添加されているのです。

 そして、この月々2万円の生命保険料を資産運用に充てた場合、大きなリターンを生むことができます。

出典 楽天証券

 40年間、年利4%で運用できた場合であれば、約2,360万円になるということです。月々2万円の生命保険料を支払って安心を購入しているということは、40年後の2,360万円を捨てているかもしれないということを頭にいれておく必要があるということです。

 私は、生命保険加入に関しては月に4000円~5000円というのがひとつの目安だと考えています。

 ・掛け捨てで十分過ぎる保障内容の保険に加入できる

 ・生命保険料控除の範囲内に収まる

 ・家計の負担が少ない

 この3つを満たすことができるからですね。そして、実際には、4000円~5000円では保障が十分過ぎるケースが多いですね。

 高額医療費制度を加味すれば、月々2000円ほどの掛け捨て生命保険に加入するだけで十分なセーフティーネットになることがほとんどだということです。

 生命保険というのは悪いものではありませんが、知らず知らずのうちに人生を金銭的に難しいものにしてしまう可能性があることも事実です。

 ・死亡保障は3000万円より5000万円の方がよい

 ・先進医療はつけておいた方がよい

 誰しもがこのように考えますが、このように保障を手厚くする分だけお金がかかるのが生命保険です。そのため、自分自身でどこかで線引きをする必要があります。

 自分自身に必要な保障内容と掛金を把握するためには、高額医療費制度と生命保険料控除を押さえておく必要があると私は考えています。

 ご覧いただきありがとうございました。

 生命保険は基本的に自分ではなく、妻に多くかけておいた方がよいですね。妻に先立たれた場合、遺族年金の受給額に差が出るからですね。

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 生命保険料控除目的だけの保険として有名なのが明治安田生命の自分の積立です。私自身は選択肢のひとつになると考えています。

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 障害年金の制度変更についてはこちらで記事にしています。生命保険加入は障害年金や遺族年金も合わせて考える必要がありますね。

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