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【登場人物全員がヤバい】山口県阿武町4630万円入金ミス事件について

4630万円入金ミス事件

 今世間でも最もニュースになっているのが山口県阿武町で起きている4,630万円を誤って振り込んだ問題です。

 山口県阿武町で、新型コロナウイルス対策の臨時給付金を住民税非課税世帯463世帯に各10万円ずつ振込むところを、町職員が誤って1世帯に4,630万円振り込んでしまったことが事件のはじまりとなりました。

 その後、町職員は誤って振り込んだ世帯に臨時給付金の返還を求めます。最初は返還の意思を示していた振り込まれた方は、時間が経つにつれて町の要求に応じなくなり、連絡が付かなくなります。

 そして、連絡がついた時には4,630万円は全てオンラインカジノで使い切ってしまっており、電子計算機使用詐欺容疑で逮捕されることとなりました。

 この事件について、主に出てくる登場人物は3人です。

 ・誤った振り込みをした職員(上司を含む)

 ・記者会見に対応していた町長

 ・誤った振り込みを受けた町民

 誤った振り込みを受けた町民は警察機関に逮捕されているので、一般的に見ても倫理観が欠如していることがうかがえますが、他の2人については公務員の立場から見ると問題意識が欠如しているというのが私の印象です。

出典 産経新聞 4630万円「返還拒否」は罪に問えない?後味悪い給付金誤入金

誤った振り込みをした職員(上司を含む)

 公務員の仕事というのは大きく2つに分かれます。

 ・組織内で完結する仕事

 ・市民や外部機関が関わる必要がある仕事

 非常にザックリとしていますが、この2つの仕事で公務員の仕事は成り立っているということです。

 ・訓練

 ・報告書作成

 ・組織内での予算執行

 消防組織で言えばこのような事柄が組織内で完結する仕事に当たります。これらのことに関しては、それほどシビアに構える必要はありません。不備があっても組織の中で訂正して仕事を完結させることができるからですね。

 ・自分の所属で年間予算をオーバーしてしまった

 このようなことがあっても、他の所属から予算を流用させることによって、組織として予算内に収めて帳尻を合わせればよいということです。そして、同じ組織に属しているので話がしやすいのですね。

 しかし、「市民や外部期間が関わる必要がある仕事」には非常に気を使う必要があります。

 ・災害対応

 ・業者からの物品購入

 ・高額な資器材購入の入札

 このような仕事は非常にシビアに行う必要があります。誤りがあった場合、訂正するのに非常に時間と手間がかかるからですね。そして、ここにお金が絡んでくるとさらに複雑化していくからです。そのため、外部機関が関わってお金が絡むような仕事は、時間をかけて丁寧に行い、完成後のチェックに関しても時間と人数をこれでもかと言うほどかけて行います。

 外部機関とお金が絡む仕事は、そうして可能な限りミスを無くす必要があるということです。それでもミスは起こりますが、今回のような世帯に10万円振り込むというような仕事は絶対にミスをしてはいけない仕事だということです。

 そして、振込誤りが発覚した後の対応も非常にずさんというのが私の印象です。

何日も放置している

 振込誤りに気付いた後、職員は当事者に連絡をして自宅を訪問して状況を説明しています。

 ・銀行に行くのは1時間待って欲しい(風呂入るため)

 ・銀行に行った後、今日は返還作業をしない

 このようなことを言われて、入金ミスをした職員は引き下がってしまします。そして、口約束で返金に応じると言われていることから、返還を強く求めることはしなくなります(何度か家に訪問しているようですが、留守のため出会うことなく帰っています)

 これは、公務員の立場としてだけではなく、一般的に見ても適切に職務をこなしているとは言い難いですね。入金ミスが発覚したのであれば、一刻も早く当事者から返還手続きに応じてもらう必要があります。

 ・1時間待って欲しい

 ・今日は返金作業をしない

 このようなことを言われて簡単に引き下がるようなことは絶対にしてはいけないということです。今回のケースでは簡単に引き下がってしまったのかはわかりませんが、要求に応じること自体に問題があるということです。

 そして、口約束で返金に応じると言われていることから、自宅を訪問して留守だったから会うことなく引き上げる、といったことを繰り返すといったこともしてはいけないことですね。

 ・とにかく早く返還に応じてもらう

 ・当事者に強い言葉を使って、迷惑をかけてでも何とか返還に応じてもらう

 このぐらいのスタンスで当事者と接する必要があるということです。私が入金ミスをした職員であったなら、最初に自宅に行った際に相手の要求に応じることなく、強い言葉で返還を求めます。そして、返還に応じないのであれば、応じるまで自宅の前に居座ります。それでも返還に応じないのであれば、組織の力を最大限動員して返還するまで手を緩めることはしません。

 それが公務員として当たり前の仕事だということです。入金ミスをしたことの謝罪は丁寧に行いますが、返還手続きで強引とも言える方法を取るのは別問題だということです。

阿武町町長の発言

 事件発覚後から、男性は振り込まれた4,630万円を全額ネットカジノに使ってしまいますが、返還の意思を示しています。

 それに対して阿武町町長は「その言葉については素直に喜びたいと思う。」と発言しています。これがどこまでの意図を含んでいるのかはわかりませんが、やや楽観的に感じるというのが私の印象です。

 ・無職であること

 ・ネットカジノで散財するほどの金銭感覚

 ・入金ミスと知りながらそのお金を使いこんでしまう

 ・警察に逮捕されている

 このような属性の方が4,630万円を返還できるのかと考えると、できないと考えるのが自然と言ってよいからですね。4,630万円というのは間違いなく大金で、多くの方の住宅ローン以上の金額です。

 公務員や会社員が30年以上かけて返していく金額を、この方が返金できるのかと考えると、非常に難しいと考えるのが妥当です。仮に返還されるとしても、非常に長い時間がかかります。

 入金ミスをしてそのお金を使いこまれた組織が安心するのは、使いこまれたお金が全額返還されてからはじめてできるものだということです。返還に応じているだけで安心してはいけないのですね。 

実際に全額が返金されることは不可能に近い

YOHの考え

 この山口県阿武町の4,630万円振込ミスの事件の情報はマスメディアを通じての断片的な情報しか得ることができません。そのため、実際に入金ミスをした職員や組織の最高責任者である町長が実際にどのような動きをしていたかはわかりません。

 しかし、マスメディアの情報を見る限りでは、非常にずさんで危機意識に欠けるような対応をしていたのではないか、というのが私の印象です。

 入金ミスはしてはいけないことですが、ミスは誰しもがしてしまうものです。大切なのはその後の対応です。

 ・返還されるまで強い態度で返還を求める

 ・使ったお金は何としても回収する

 このようなことが公務員として当たり前の仕事であり、対応すべき方法だということです。仮に、入金ミスをした職員や町長が自分のお金をこのように扱われたら、絶対に早く取り返そうと考えるでしょう。

 ・返還すると言っているので安心する

 ・一段落ついた

 自分のお金であればこのように考えることはないですね。手元に4,630万円が戻ってくるまでは安心できるはずがないからです。

 公務員は公金を使う時は自分のお金だと思って使う必要があるということです。その意識が今回の登場人物には欠けているように感じる、というのが公務員としての私の印象です。

 ご覧いただきありがとうございました。

 消防組織の仕事についてはこちらで記事にしています。

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