YOH消防士の資産運用・株式投資

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XYLDとVOOの比較から考えるカバードコール戦略

カバードコール

 株式投資の手法のひとつとして、カバードコールがあります。原資本を保有しながらその原資本のコールオプションによって、売りから入る投資手法です。言葉にするとややこしく感じますが、仕組みは非常に単純です。

 ・指数が下がった時にも利益を出すことができる

 ・指数が暴騰した時はそれほど利益を上げることができない

 カバードコール戦略で抑えておきたいポイントはこの2点です。一番の特徴は指数が下がった時でも利益を出せるということです。これはコールオプションによって、利益の先取をしているからですね。

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出典 SBI証券

カバードコールETFのXYLD

 カバードコール戦略を取っているETFでメジャーなものは、大和証券グループと大和アセットマネジメントの合弁会社のGlobaLX社が販売をしています。GlobaLX社は日本で唯一のETF専門資産運用会社としてアピールしています。

 ・QYLD(Nasdaq10)

 ・XYLD(S&P500)

 この2つがGlobaLX社の主力商品です。QYLDはNasdaq100、XYLDはS&P500をベンチマークとしているカバードコール戦略を取っているETFです。

 ・ベンチマーク S&P500

 ・純資産総額 100憶ドル

 ・基準価格 48.64ドル

 ・経費率 0.6%

 ・分配利回り 12.89%

 ・分配頻度 月ごと

 XYLDのデータを見るとこのようになっています。

 ・ベンチマークがS&P500

 ・超高配当

 ・カバードコール戦略を取っているので、下落局面に強い

 このような特徴から非常に多くのお金を集めていることがわかります。特に人気のある理由として挙げられるのは、その分配金利回りの高さです。同じS&P500をベンチマークとしているVOOは1.8%ほどであるのに対して、XYLDは13%ほどの分配金利回りがあるのは非常に大きいですね。

出典 Googlefinance

 XYLDの株価の動きはこのようになっています。チャートだけを見ると値動きが大きいように感じますが、概ね40ドル~50ドルで推移しており、それほどボラティリティが大きいわけではありません。そして、同じような価格帯で推移しているということは、株価の値上がりによるリターンは期待できないことがわかります。

VOOとXYLD

 VOOとXYLDはS&P500をベンチマークとしています。組み入れ銘柄が同じということですね。違いとしては、XYLDがカバードコール戦略を取っていることですね。

 VOOに関しては、ここで説明する必要がないほど有名なETFですね。この2つの株価の動きを確認してみます。

出典 Googlefinance

 青色がXYLD、黄色がVOOの直近5年間のチャートです。VOOはプラス45.28%のパフォーマンスを出しているのに対して、XYLDはマイナス20.91%のパフォーマンスを出していることがわかります。これは、XYLDが10%を超えるような利回りを維持するために、成長性を犠牲にしているということです。

 しかし、分配金で考えると、VOOは年間1.6%ほどですが、XYLDは11.8%の分配金を出しています。このことから、XYLDは成長性を捨てて分配金を出すことを目的として作られたETFということです。

どちらが多くの利益を出すことができるか

 VOOとXYLDに年間100万円ずつ資産投下した場合を考えてみます。

 ・VOOの評価額 1,000万円

 ・分配金 24万円(毎年1.6万円ずつ増加)

 ・合計 1024万円

 

 ・XYLDの評価額 535万円

 ・分配金 177万円(毎年11.8万円ずつ増加)

 ・合計 712万円

 経費率や分配金再投資を考慮しないザックリ計算ですが、5年後の総額はVOOが上回っていることが分かります。しかし、VOOの評価額は利益確定していないことに対して、XYLDは分配金として177万円を得ることができているということです。

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カバードコール戦略を取っているETFは使い方次第では、有力な投資先となるが・・・

YOHの考え

 XYLDのようなカバードコール戦略を取っているETFは超高配当であることが特徴です。そして、カバードコール戦略自体はよくできた仕組みで、指数の下落局面でもある程度の分配金が出ることは間違いないと言ってようですね。

 しかし、長期投資には向かないETFだということです。同様の指数をベンチマークとしているVOOに株価の成長性で大きく劣後しているからですね。しかし、成長性よりも分配金が欲しいという投資家は購入を検討する余地は十分にあります。

 ・定年退職して株式の成長性よりも月々の分配金が欲しい

 ・月々のキャッシュフローが重要

 このような投資家にとっては、投資対象になり得るということです。しかし、現役世代の公務員や会社員投資家が資産投下するETFかと言えば、疑問が残るというのが私の印象です。

 ・長期的に見れば株価の値上がりの方がリターンは大きくなる

 ・分配金のつど税金がかかり、税制面で不利

 このようなデメリットがあるからですね。そのため、私自身はサテライト的に購入する必要性もあまり感じません。

 ・新興国株式

 ・暗号通貨

 ・Nasdaq100

 ・日本個別株

 サテライト的に購入するのは、このような値動きの激しい金融商品の方がよいと考えているからですね。これらの金融商品というのは、まさかの超暴騰が期待できるからです。XYLDなどのカバードコールETFはディフェンシブなETFのため、超暴騰は期待できないということです。

 VOOとXYLDを比較した場合、分配金が欲しいのであればXYLDは有力なETFですが、長期投資家にとって、分配金は良いばかりではありません。投資パフォーマンスを低下させる要因になり得るということです。長期投資家であれば、VOOに優位性があるというのが私の考えです。

 ご覧いただきありがとうございました。

 カバードコール戦略については、こちらで詳しく解説しています。

fire-money.hatenablog.com

 日本の高配当ETFについては、こちらで記事にしています。

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 レバレッジをかけた株式投資は長期投資には不向きという記事です。

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