株式相場の下落
現在、米国を中心として株式相場の下落が続いています。
・終わりの見えない新型コロナウイルス
・原油高(日本国内は政府介入済)
・金利上昇
・インフレ(日本は賃金が上がらず物価上昇のスタグフレーション懸念)
このようなことが主な理由とされています。
・Nasdaq総合指数 マイナス12%
・S&P500 マイナス7.3%
・日経平均 マイナス10%
2022年の年はじめからみると、各指数はこれだけの下落をしています。今の状況では、資産を増やしている投資家は非常に稀で、多くの投資家は資産を減らしています。メジャーな指数への資産投下を資産形成のコアにしている投資家にとっては、我慢する状況になっているということです。
しかし、長期投資家にとって指数の評価額がマイナス10%というのは、それほど大きなことではありません。
・どれだけ優良な指数でも上下動しながら上昇を続けて行く
・マイナス10%では、資産割合から考えても、それほど大きな額ではない
このようなことから、マイナス10%ほどでは、気にならないというのが長期投資家の考えです。しかし、これがマイナス20%となると話は変わってくることがあります。
・このまま下がり続けたらどうしよう
・いつまで続くのだろう
資産の減少額が大きくなり、このようなことを考えるようになるからですね。これは、誰しもが当てはまることです。一般的にマイナス幅が20%を超えると弱気相場になるのはこのためですね。
しかし、弱気相場とはそれほど頻繁に起きるものではありません。
1980年から2018年までで8回起きてることから、弱気相場は5年に1回訪れるというのが感覚的なものということです。
しかし、レバレッジをかけた株式投資をしている場合は話が異なってきます。今回は、レバレッジをかける株式投資について、考えてみたいと思います。
レバレッジについて
レバレッジの基本的な知識として抑えておきたいのは、レバレッジをかけていると、きっちりと指数の2倍の動きをするわけではないということです。レバレッジは先物取引によってかけているので、値動きは1日ごとになります。
株式投資では元本が10%下落して、次の日に10%上昇しても、元本毀損されてしまう特性があります。レバレッジをかけていると、その元本毀損が大きくなるのですね。
そのため、上下動をするようなボックス相場ではレバレッジをかけていると、投資成果が上がらないことが多々あります。
また、上下動を繰り返して徐々に上昇していくような相場でも、思ったほど投資成果が上がらないこともあるのです。
レバレッジをかけて大きな投資成果を上げることができるのは、はっきりとした指数上昇局面です。
このような場合は、大きな投資成果を上げることができますね。レバレッジをかけていないファンドと比較して、2倍以上の投資成果を上げることができています。レバレッジをかけた株式投資にはこのような特性があるのですね。
レバレッジをかけた状態の10%の下落は弱気相場
株式投資で2倍のレバレッジ商品を投資の軸にしていた場合、指数の下落が10%起こると、評価額は20%下がることになります。言い換えれば、2倍のレバレッジをかけていると、指数の10%の下落は、自分の資産ベースで考えると、弱気相場に突入したことになるということです。
・不安からの狼狽売り
・資金が足りなくなり、株式市場から退場する
自分の中で弱気相場が続けばこのようなことが起こり得るということです。
もし、ITバブルのような下落が起これば、レバレッジ2倍のNasdaq100連動投資信託の評価額は4,000万円から92万円になる可能性があるということです。(元本が1,000万円から4,000万円になっている場合)
レバレッジ無しであれば、元本1,000万円、増加分1,000万円の2,000万円が462万円になるようです。
レバレッジ2倍の場合で見てみると、投資元本が1,000万円なので、投資元本の10分の1になるということですね。公務員や会社員の投資家がこれをリカバリーするのは非常に難しいですね。
YOHの考え
私はレバレッジを用いた株式投資は行っていません。
・元本毀損の可能性が高い
・即効性よりも安全性重視
・資産運用の目的は老後資金の捻出
・FIREに興味がない
行っていない理由は、このようなことからですね。私は、株式投資をすること自体がそれなりのリスクを取っていることだと考えているので、そこからさらにリスクを高めることは、自分のリスクマネジメントの範囲を超えているのですね。
そして、どの株式投資家とも同じですが、弱気相場は歓迎されることではありません。しかし、レバレッジをかけていると、マイナス10%が弱気相場と同様ということです。株式指数がマイナス10%というのは、ありふれたことで、過去に数えきれないほど起こっているということです。
そこに不快感を感じなければならないのが、レバレッジを用いた株式投資ということです。もちろん、上昇局面であれば、レバレッジかけていない投資家よりも大きなリターンを得ることができることも考えておく必要があります。
そう考えると、レバレッジをかけた株式投資=インデックス投資として適切ではないとはならないのです。
要はバランスということですね。レバレッジを用いた株式投資は、自分のリスクコントロールできる範囲で使うのがよいということです。
・株式投資割合の5%
・多くても10%
・短期投資を割り切る
・投資のコアにはレバレッジをかけていないものを置く
このような使い方であれば、検討の余地はあると考えています。
・株式投資の80%がレバレッジ商品
・3倍以上のレバレッジ商品を購入する
・レバレッジ商品を長期投資目的で保有する
このようなレバレッジ商品の使い方は、長期で資産形成していくのには向かないということですね。このような投資は指数が上昇することに賭けるギャンブルになってしまうということです。
・レバレッジ商品で短期間で大きく資産を増やした投資家がSNSでいる
・レバレッジ商品が流行っている
このような考えでレバレッジ商品に資産投下することは本質的ではないということです。特性を理解して自分の目標に必要であれば使う、自分の目標に必要でなければ使わないというスタンスでいることが大切だと私は考えています。
ご覧いただきありがとうございました。
レバレッジを用いた株式投資についてはこちらで記事にしています。
暴落局面では大切なことがいくつかあります。