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【円高で大きく資産減少】長期投資において為替の影響を考慮する必要がない理由

2024年7月のドル円相場

 7月後半に入ってから急速に円高が進行しています。7月10日に1ドル161円を付けていたのが7月24日には1ドル153円と2週間で8円円高が進行していることになります。

出典 Googlefinance(USD/JPY)

 これには様々な理由があるのでしょうが、米国株式を中心に資産形成をしている投資家にとっては、この2週間は大きく資産を減らすことになりました。

 2024年1月からは株式相場が非常に好調でドル円の為替相場も円安に振れていたこともあり、順調過ぎるほど増えていた資産が大きく減少した投資家が大半だということです。

 そのような状況を受けて、やや極端な意見が散見されるようになりました。

 ・長期投資ではあるけれど一旦利益確定させておこう

 ・米国株式ではなく他の金融商品を積み立てた方がよい

 意見の温度差はありますが、概ねこのような米国株式に対する不信感が表れているような意見です。

 自身がコツコツと積み立ててきた資産が大きく減少すれば、このような考えを持つことは自然なことですが、まずは現状をしっかりと認識する必要があると私は考えています。

 ・年初来のS&P500の値動き

 ・長期投資に為替による影響は考慮しなくてもよい理由

 今回はこの2点について触れてみたいと思います。

年初来のS&P500の値動き

 2024年7月後半の急速な円高によって、米国株式に投資をしている投資家は大きく資産を減らしています。

 アセットアロケーションやポートフォリオ、保有している金融商品によって差はあるでしょうが、S&P500をリスク資産の中心に置いているのであれば、概ね5~10%ほど資産額が減っているというのが私の印象です。

 ・リスク資産が500万円なら25~50万円の減少

 ・リスク資産が1億円なら500~1,000万円の減少

 わずか2週間でこれぐらい資産が減少しているということです。

 しかし、これは先述したとおり為替の影響が非常に大きく関係している資産減少です。

 ・1ドル160円の時に米国株式を10万ドル分保有している・・・資産額1,600万円

 ・1ドル140円の時に米国株式を10万ドル分保有している・・・資産額1,400万円

 このような為替の影響によって資産額が目減りしていることが大きな要因です。

 S&P500指数を確認すると、それほど大きな動きはありません。

出典 Googlefinance(S&P500)

 このように、7月に入ってからのS&P500は大きな値動きがほとんどないことがわかります。

 そして、年初来の値動きを確認すると非常に好調であることがわかります。 

出典 Googlefinance(S&P500)

 2024年に入ってからのパフォーマンスはプラス15.1%と非常に好調で、チャートを確認しても順調に右肩上がりで価値を上昇させていることがわかります。

 このような状況で資産が減少するのは為替の影響によるとことが非常に大きく、指数自体に問題がないということです。

どれだけ注視しても為替を読むことは不可能だと考えておこう。

YOHの考え

 今回は2024年7月後半に入って大きく資産が減少したことについて考えてみました。

 2024年からはじまった新NISAの影響もあり、米国株式の積立投資は非常に人気の投資手法となっていますが、注意しておく必要がある点がいくつかあります。

 そのうちのひとつが、「為替と指数の動きという2重のリスクがある」ということです。

 ・為替リスク・・・ドル円の動き

 ・指数リスク・・・米国株式の値動き

 基軸通貨がドルであれば、為替リスクは考慮しなくともよいのでしょうが、我々日本人は投資をするにもはじめは円建てでする必要があります。

 そのため、外国資産に投資をする場合、自国通貨の円の相対的価値によるリスクがあるということです。

 そして、7月後半に大きく資産を減らした要因として非常に大きいのは、為替リスクであるということです。

 ・米国株式指数自体に大きな問題はない

 ・急速な円高によって保有している米国株式の円ベースでの価値が下落した

 このようなことによって、資産が減少したということです。

 そして、このような為替リスクというのは長期投資において避けようがありません。

 為替の動きというのは長期的にも短期的にも先を読むことが不可能といってよいからですね。

 そのため、為替リスクというのはただただ漫然と受け入れるしかないということです。

 漫然と受け入れる、というよりも読むことができない以上、考慮する必要がないということです。

 私自身は米国株式を中心に資産形成をしていますが、為替によって資産を増加させようと思ったことはありません。

 長期的に見て右肩上がりである米国株式指数に長期的に積立投資をすることによってのみ資産を増加させることを望んでいるということです。

出典 Googlefinance(USD/JPY)

 1996年からのドル円のチャートを確認しても大きな上下動はありますが、一貫した右肩上がりではなく、概ね1ドル120円~140円あたりで推移していることがわかります。

 このような長期的に見て価値が上昇していかないものというのは長期投資には非常に不向きです。

 そのため、長期投資において為替リスクというのはただただ漫然と受け入れるしかないということです。

 ・為替によって資産が増加する

 このようなことは長期投資においては期待する必要はありません。

 ・投資している指数自体が長期的に価値を上昇させていく

 長期投資はこれだけを期待して行うことが必要だと私は考えています。

 ご覧いただきありがとうございました。

 投資信託には為替ヘッジがあるものがありますが、私は不要だと考えています。その理由についてはこちらで記事にしています。

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 長期投資が上手くいっている人の考えについてこちらで記事にしています。

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 債券は安全資産、と言われることがありますが外国債券は必ずしもそうではありません。為替リスクがあるからです。

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