分散投資について
投資で重要なことは分散投資と言われます。
マクロな視点で見れば、現金、預金、株式、債券、コモディティ、暗号通貨など様々なものに資産を分散した方が効率的だということです。ひとつのものが落ち込んでも別のもので資産が担保される、あるいは落ち込みをカバーするような動きがあるからですね。
そう考えると、多くの方は現金、預金に偏った資産形成をしている方が多いですね。例を挙げると、マイホーム購入されている方の多くは不動産に偏った資産形成をしているということです。
・現金10% 不動産90%
このようなポートフォリオを組んでおられる方が少なくないということです。しかし、資産形成において株式などの長期的に見て価値が上昇する金融資産クラスをポートフォリオに組み込むことは欠かせません。
現金、マイホームに偏ったポートフォリオは分散性という点から見てもリスクが非常に大きいと言えます。資産形成において、リターンが同じであれば、分散できるものは分散した方がよいということです。
そして、分散投資を株式というミクロな視点で見ると、日本株、日本債券、先進国株式、先進国株式など、国際分散をした方がいいということです。
・世界的な人口増加
・世界的な経済格差の縮小
・世界的な貧富の差の解消
数少ない例外を除いて、これらのことは確実に起こっているからです。日本は今後どう経済発展するのかはわからないけど、世界的な経済成長は間違いない。こういった視点を持っていれば、世界的経済の中心である米国をコアとして分散投資をするのは当たり前のように感じます。
・分散投資の優位性について
・資産分散と時間分散
・分散投資が必ずしも最適解ではない
今回は、この3点から分散投資について考えてみたいと思います。
分散投資について
結論から言ってしまえば、株式投資については、資産増加を一番に考えるのであれば、世界的に均等に分散投資させるよりも米国をコアとして、他の部分を分散投資させることが最もよい株式投資手法のひとつとなります。
・世界分散は成長性が控えめ
・時間分散を効かせることができる
・世界分散はキャッシュフローが多くない
これらのことから、資産形成段階で株式投資に向いているのは、ある程度の米国集中投資であると言えます。世界分散の最も代表的なものはVTですが、VTI、VOOと比較すると成長性は控えめです。VTは世界中の株式に幅広く分散しているため、低成長な国やセクターを享受しているからですね。
VTIも低成長(成熟しきった)セクターを享受していますが、米国という限られた国の株式に絞って資金投下しているので、当然VTよりも利回りは高くなります。当然、資金投下先を絞っている分、ボラティリティはVITの方が高くなります。
分散を効かせるのならVTの方が理にかなっているのですが、資産形成段階では事情が異なるのです。
サラリーマン投資家はキャッシュフローは安定していますが、資産増加の爆発力はありません。そして、株式投資は知識よりも資産規模がものを言う世界です。
必死に利回りを0.5%上げるよりも、投下資産を増やす方が効率がいいのですね。そのため、サラリーマン投資家は給料だけでは大きな金額を株式に資産投下することはできないのです。大きくない投下資産を分散させてしまうと、資産を増やすことができなくなってしまうのです。
時間分散の優位性
株式投資における最大のメリットは時間分散と安定したキャッシュフローです。
株式投資の分散には大きく2種類があります。
・資金分散
・時間分散
この2種類の分散を効率よく配分することが分散投資においては重要です。そして、資産形成段階の投資家は時間分散において、非常に優位性があるのです。
・形成した資産を取り崩すのは数十年後
・資産形成段階では損失のリカバリーをするだけの時間がある
これらのことを考えれば、長期間安定的に株式投資を継続することは、資産形成において圧倒的に優位性があるのです。
資産分散と時間分散
資産形成段階の投資家は、時間分散を超長期にわたって効かせることができるので、資産を必要以上に分散させる必要はありません。時間分散によって十分に分散効果を得ることができるからですね。
S&P500のパフォーマンスの推移を見ると、10年に1度は大きな落ち込みはありますが、5~8年ほどで元の水準に戻っています。
2020年3月のコロナショックにいたっては半年で元の水準まで回復しています。(これは、アメリカ政府による営利企業への積極的な介入によるものですね。)
正に、時間が経てば解決してくれるということですね。ただひたすらにホールドしておけば資産が増えて行く。時間分散のなせる技ですね。
YOHの考え
分散投資は上手く行えば、資産を毀損するリスクを軽減することができます。しかし、分散し過ぎると利回りは低下していきます。分散し過ぎることもまた、リスクとなり得るということです。
株式投資において重要なのは時間分散の優位性です。これを最大限使うことによって、米国株への集中投資のリスクを軽減できるのです。
時間分散をしっかりと使えるからこそ、米国株式のような利回りの高い金融商品に集中投資することができるのということです。
・VT
・VTI
・VOO
これらはどれも優れた指数をベンチマークとしているETFでどれもが素晴らしい金融商品であることは間違いありません。しかし、成長性において序列は明らかになっています。
・VOO > VTI > VT
成長性においては、この順番であるということです。
オレンジ色がVOO、赤色がVTI、青色がVTの直近年間のチャートです。全世界株式インデックスファンドのVTは米国株式と比較しても成長性は大きく劣後していることがわかります。
この力関係というのは、過去30年間を振り返っても同様です。分散投資というのは非常に安定性があり、優れていた投資手法なのですが、投資対象を分散させすぎると本来得ることができるリターンを取り逃がしてしまう可能性があるということです。
資産形成段階の投資家の最大の強みは、時間分散を効かして株式投資が行えることにあります。
・時間分散によってリスクを回避できるのであれば、銘柄分散はそれほどしなくてもよい
このように考えることができるということです。分散投資というのは非常に安定性があるのですが、し過ぎることもまた、リスクがあると私は考えています。
私自身は最も優れたポートフォリオは全世界株式インデックスファンドと現金を半分ずつ保有することだと考えています。
しかし、資産形成段階でこのポートフォリオを組んでしまうことは、私の属性から言えば、リスク分散をし過ぎていることになるのですね。
そのため、資産形成段階の現在は米国株式、それもS&P500に偏ったポートフォリオを組んでいるということです。その分、投資期間を長く取ることによって、トータルでのリスク分散をしているということです。
・資産形成段階が終わりに向かいつつある
・属性的にリスクが取れない状況になる
このようなことになれば、全世界株式インデックスファンドと現金の比率を増加させることでトータルリスクの軽減を図る必要があると考えています。
ご覧いただきありがとうございました。
リスク分散という意味では為替ヘッジもリスク分散のひとつですね。私自身は為替ヘッジは不要だと考えています。
名著「敗者のゲーム」では3つのりすくについて触れています。どれも非常に大切ですね。
最も優れた指数のひとつはS&P500ですが、デメリットも少なからずありますね。