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【積立平均額は月1.8万円】新NISAで月3万円のつみたて投資ができている投資家が非常に優秀な理由

新NISAでの積立投資

 新NISAの積立投資金額でひとつの目標になるのが月10万円です。

 ・つみたて投資枠の投資可能上限額が120万円

 ・15年間で非課税保有限度額1,800万円に到達する

 月10万円の積立投資を継続することができればこのようなことになるからですね。

 実際のところ、新NISAは制度設計上、月10万円のベースに作られていると私は考えています。

 金融庁は新NISAの運用については、長期・分散・積立をメインにして欲しいと広報をしています。

 ・月10万円の積立投資でつみたて投資枠を埋めることを優先して欲しい

 ・余剰資金があれば成長投資枠で使うようにして欲しい

 このような使い方をモデルケースのひとつだと、金融庁は考えているということです。

 しかし、月に10万円の積立投資を長期間継続することは非常に難しく、実際の投資家による月々の積立額はもっと少額です。

 ・現在の新NISAの使用状況

 ・新NISAで月3万円のつみたて投資ができている投資家が非常に優秀な理由

 今回は新NISAの積立投資についてこの2点を中心に触れてみたいと思います。

現在の新NISAの使用状況

 日本証券業協会が2024年4月に公表している「NISA口座の開設・利用状況(証券会社10社・2024年3月末時点)によると、NISA口座の口座開設数と買付状況は以下のようになっています。

出典 

日本証券業協会 NISA口座の開設・利用状況(証券会社10社・2024年3月末時点)

 2024年3月末時点でNISA口座開設数が1456万口座、成長投資枠とつみたて投資枠の合計買付金額は4兆6,822億円となっています。

 このことから考えると、2024年1月から3月末までの3ヶ月で平均するとひとつの口座あたり、32万円の買付がされていることになります。

 しかし、これはNISA口座が平均して月10万円ずつ使われているわけではないですね。

 新NISAが開始された2024年1月の買付額が1兆9,499億円ですが、2月、3月と買付額大きく減少していることがわかります。

 さらに、買付額が1兆9,499億円あった2024年1月は成長投資枠の買付が非常に大きいことがわかります。

 ・成長投資枠の買付 1兆6,765億円

 ・つみたて投資枠の買付 2,733億円

 このように、買付額のうち85%が成長投資枠であることがわかります。これは、新NISA開始直後の投資家による動きによるものですね。

 ・年間投資額の360万円を一括して使い切る

 ・新NISAがはじまったのでとりあえず株式を購入してみる

 このような動きによって単月の買付額が大きくなったものだということです。

つみたて投資枠は大きな変化がない

 成長投資枠は買付額が月が経つごとに減少していますが、つみたて投資枠の買付金額はそうではありません。

 ・2024年1月 2,733億円

 ・2024年2月 2,618億円

 ・2024年3月 2,729億円

 このように、つみたて投資枠の月の買付金額はほぼ横ばいです。

 そして、NISA口座開設数の1456万口座に対して、つみたて投資枠の2024年1月から3月の合計買付金額8,080億円であることを考えると、つみたて投資に月々使われている金額の平均は以下のようになります。

 ・8,080億円 ÷ 1456万口座 = 5.5万円

 ・5.5万円 ÷ 3ヶ月 = 1.83万円

 これが、つみたて投資枠で月々使われている金額の平均金額であるということです。

 このことから考えると、新NISAのつみたて投資で月10万円をしている投資家というのは非常に少ないですね。

 月3万円もしているのであれば、平均を大きく上回った積立投資ができていると考えておいてよいということです。

長い道のりは少しずつ進んでいけばよい。

YOHの考え

 今回は新NISAの積立投資について考えてみました。

 新NISAで言われていることは「できる限り早く1,800万円の枠を埋めなさい」ということです。

 1,800万円の非課税保有限度額を早く埋めることができれば、それだけ長く非課税の運用期間を取ることができるからですね。

 そして、最速で1,800万円を埋めるのであれば5年(4年と1ヶ月)で達成することが可能です。

 しかし、このようなことができる投資家というのは非常に稀であるということです。

 ・月に30万円の入金を5年間続けることができる

 ・投資に使うことができる現金が1,800万円ある

 ・投資信託などをすでに1,800万円分保有している

 このような投資家でなければ最速で非課税保有限度額を埋めることができないということです。

 つみたて投資枠をメインに使っていくインデックス投資家は焦る必要はありません。

 つみたて投資枠で買付されている金額の月平均は1.8万円であるからです。

 もちろん、月平均を割り出す全口座数にはつみたて投資をしていない口座も多分に含まれています。

 ・休眠口座

 ・つみたて投資をしない

 NISA口座の中には、このような口座も多数あるということです。しかし、つみたて投資をメインとしている口座が月10万円を超える積立投資をしているとは考えにくいですね。

 ・月3~5万円

 現時点ではこのあたりが月々の積立金額の平均だと私は考えています。

 そして、この月3~5万円の積立投資を長期的に継続できる投資家というのは少数です。

 暴落や弱気相場などで積立投資自体を辞めてしまう投資家がいるということです。

 このように考えると、月3万円の積立投資を長期に渡って継続することができる投資家というのは、非常に優秀なインデックス投資家であるということです。

 新NISAについては、最初の勢いや他人の考えにに惑わさせることなく、淡々とつみたて投資枠を使うことを優先していくことがよいと私は考えています。

 ご覧いただきありがとうございました。

 新NISAの国内株式、投資信託の買付割合についてはこちらで記事にしています。

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 新NISAで年間120万円投資したシミュレーションはこちらで記事にしています。

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 新NISAでS&P500に投資したシミュレーションはこちらで記事にしています。

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