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【元本割れ無し・最高で3億3,000万円】新しいNISAを年間120万円積立で運用した場合の30年後のリターンについて

新しいNISAを過去のS&P500に当てはめた検証への質問

 新しいNISAをS&P500に資産投下した場合の結果として出たのが、最低でも6,000万円、最高で5億円になるというものです。

fire-money.hatenablog.com

 ・新しいNISAで年間360万円を5年間積立(合計1,800万円)

 ・積立期間を含めて30年間ほったらかし

 ・30年後のリターンを投資開始年ごとに検証

 このようにした結果、投資時期によって、元本1,800万円が6,000万円から5億円の間になる、というものです。

 そして、この記事を出した際に気になったのが「年間120万円ずつ積立投資をした場合どのようになるのか」ということです。

 新しいNISAは2024年に開始されることがほぼ決まっていますが、年間の非課税保有限度額360万円を5年間続けて使うことができるという投資家は一部で、多くの投資家はそこまで資産投下することができないですね。

 ・年間120万円(月10万円)

 株式投資に積極的な投資家であっても、これぐらいがボリュームゾーンだということです。

 そのため、今回は新しいNISAを年間120万円ずつS&P500に積立投資した場合について検証を行いたいと思います。

 ・検証の前提

 ・検証結果

 ・最もパフォーマンスが悪いケース

 。最もパフォーマンスが悪いケース

 この4点を中心に新しいNISAを年間120万円積立投資した場合、どれぐらいの資産額になるのかを確認していきます。

検証の前提

 検証の前提としては、投資期間を含んだ運用期間を30年間とするため、非課税保有限度額1,800万円を15年間(年間120万円)で使い切って、そこから15年間ほったらかすというものにします。

 ・年間120万円の積立を15年間続ける

 ・積立後は追加投資なし

 ・運用期間は投資期間を含めて30年間

 このような形でS&P500に資産投下した場合の投資開始年ごとのリターンを確認していきます。 

 S&P500の年代別データについては、S&P 500 Historical Annual Returns | MacroTrendsのデータを参考に算確認していきます。

 1928年から2022年までの95年間分のデータがありますが、この全てで検証ができるわけではないですね。

 投資期間を含めた運用期間を30年間取ることになるので、1928年から1993年の66個のデータで検証を進めていくことになります。

 例として、1960年に積立投資を開始したケースを考えてみます。

            

 1960年から1974年までの15年間に年間120万円ずつ積立(合計1,800万円)、その後の15年間はほったらかしておいた場合、運用期間終了後の1989年には1億4271万円になっていることがわかります。

 ・投資元本1,800万円

 ・投資期間を含めた運用期間30年

 ・資産額が1億4271万円になっている

 資産推移をグラフにするとこのようになります。

 このような検証を1928年から1993年分をしていくということです。

検証結果

 実際に、1928年から1993年までの66個のデータを検証した結果は以下のようになりました。

 ・最もパフォーマンスが悪いケースは1928年に積立を開始した8,158万円

 ・最もパフォーマンスがよいケースは1970年に積立投資を開始した3億2,928万円

 ・平均期待値は1億4,549万円

 結果としてはこのようになります。最もパフォーマンスが悪くとも、投資元本を下回ることはなく、30年後には資産を大きく増やしているということです。

 そして、最もパフォーマンスがよいケースでは、投資元本が18倍以上になっていることがわかります。

  

 全てのデータを添付すると膨大になるので、各年代ごとに抽出すると上の表のようになります。

 青色のセルが最もパフォーマンスが悪いケース、黄色のセルが最もパフォーマンスが良いケースです。

 それぞれについて資産推移を確認していきます。

最もパフォーマンスが悪いケース

 最もパフォーマンスが悪いのは1928年から積立投資を開始したケースです。

            

 最もパフォーマンスが悪いケースの資産推移を確認するとこのようになっています。 

 15年間の積立投資が終了した1942年には資産額が投資元本を下回っていますが、そこからは順調に資産を増加させていき、最終的には投資元本1,800万円を4.53倍の8,158万円にさせていることがわかります。

最もパフォーマンスがよいケース

 次に、最もパフォーマンスがよい1970年に積立投資を開始したケースの資産推移を確認していきます。

            

 最もパフォーマンスがよいケースの資産推移はこのようになります。

 積立期間が終了する1984年時点で投資元本を上回る資産額になっており、そこからも順調に資産を増加させることができており、運用期間終了時の1999年には資産額が3億2,928万円になっていることがわかります。

 資産推移のグラフを見てもきれいな右肩上がりで、長期投資の理想形といってよい形ですね。

月10万円の積立投資でも十分に成果が出るのが新しいNISA

YOHの考え

 今回は新しいNISAを年間120万円ずつS&P500に積立投資した場合について、30年後にはどれぐらいの資産額になるのかについて検証してみました。

 ・最もパフォーマンスが悪いケースは1928年に積立を開始した8,158万円

 ・最もパフォーマンスがよいケースは1970年に積立投資を開始した3億2,928万円

 ・平均期待値は1億4,549万円

 結果としては、このようになりました。

 感じ方は人によって異なるでしょうが、投資元本1,800万円でこれだけのリターンを得ることできるのであれば、株式投資のパフォーマンスとしては十分と言ってよいですね。

 新しいNISAの非課税保有限度額を5年で使い切ったケースでは平均期待値が2億516万円だったことを考えると、積立期間を長くしてしまえば、リターンは小さくなるのでしょうが、それでも1億4,549万円の平均期待値があるというのは数字として知っておいてよいですね。

 そして、興味深いのは投資期間が長くなれば絶対にリターンが小さくなるかと言えばそうではないということです。

  

 1928年から年間360万円投資したケースと年間120万円を投資したケースでは、30年後の資産額は年間120万円を投資したケースの方が多くなっているのですね。

 投資開始後の10年間は投資金額の多さから年間360万円投資のケースの方がパフォーマンスがよいですが、その後は、投資元本の差がなくなっていくに連れて、年間120万円を投資したケースの方がよい結果を出していることがわかります。

 このように考えると、相場環境によっては、非課税保有限度額1,800万円を最速で使うことが必ずしもよい結果になることではないということです。

 先述していますが、新しいNISAの非課税保有限度額1,800万円を最速の5年間で埋めることができる投資家というのはごく一部です。

 投資に熱心な方であっても年間120万円(月10万円)の積立投資を15年間続けるというのは簡単なことではありません。

 しかし、それを続けることができたのであれば、30年後には1億円を超えるリターンを得ることができる可能性が高いのが新しいNISAのS&P500積立投資であるということです。

 ご覧いただきありがとうございました。

 新しいNISAを最速でS&P500に使った場合のシミュレーションはこちらで記事にしています。

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