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【給与所得者の上位4.5%】年収1,000万円は高所得者なのか

年収1,000万円

 多くの人が羨む年収というのが1,000万円です。

 年収1,000万円以上と言えば、給与所得者であれば高水準で誰しもが到達できる年収ではありません。

 公務員に限って言えば、地方都市では非常に稀です。

 かなり上位の管理職や50代後半で多忙な部署に配属されて、残業をバリバリこなしている方でようやく到達できるかもしれないといった年収です。

出典 

令和3年分「民間給与実態統計調査」結果(国税庁)

 国税庁の令和3年分民間給与実態統計調査によると、年収1,000万円以上の給与所得者は4.5%です。会社員で言えば、間違いなく高属性サラリーマンと言える方ですね。

 しかし、年収1,000万円の世帯が高所得者と言えるかといえば、一概にそうとは言えません。

 ・年収1,000万円世帯の手取り

 ・年収1,000万円でも手取りに違いがある

 ・年収1,000万円よりも年収600万円の方がよいケース

 今回は年収1,000万円ということについて、この3点を中心に触れてみたいと思います。

年収1,000万円世帯の手取り

 まずはじめに、年収1,000万円といっても手取りで1,000万円を手にすることができるわけではありません。

 ・厚生年金

 ・健康保険

 ・所得税

 ・住民税

 このような社会保険料や税を納める必要があるからですね。そのため、手にすることができる金額はこれらを差し引いた金額になります。

 そして、累進課税制度をとっている日本では、一般的に年収が高くなるにつれて、社会保険料負担や税負担が高くなります。

 そのため、年収1,000万円なら、税負担や社会保険料負担は非常に大きいものとなるということです。

 ・社会保険料 150万円

 ・所得税 63万円

 ・住民税 50万円

 ・合計 263万円

 専業主婦世帯でこどもが小さく配偶者控除を受けていないのであれば、ザックリ考えると、税と者負担はこれぐらいの金額になります。

 そうすると、年収1,000万円の場合の手取り年収は737万円ほどになります。

 ザックリとした金額なので世帯の状況によって差はありますが、手取りは概ね700万円~730万円と考えておいてよいですね。

 ボーナスを含めて年間給与が16カ月分(ボーナスは夏冬合計4カ月)とすると、月の支給額は約45万円ですね。

 ・年収1,000万円

 ・手取り730万円

 ・月々の手取り45.75万円

 ・ボーナス183万円/年

 これが給与所得者の年収1,000万円のキャッシュフローです。

年収1,000万円でも手取りに違いがある

 年収1,000万円であれば、手取りは730万円ほどですが、これは会社員や公務員といった給与所得者に限った話です。

 ・自営業者

 ・フリーランス

 このような方であれば、実情は異なってきます。ずばり言ってしまえば年収が同じであっても手取りが多いケースが多々あるということです。

 その最も大きな理由は、給与所得者とフリーランスの方では課税所得に差があるからですね。

 ・給与所得控除

 ・社会保険料控除

 ・基礎控除

 ・扶養控除

 夫が給与所得者で妻が専業主婦世帯のケースであれば、基本的な控除はこれらになります。

 そして、これらの金額については自分自身で調整を行うことができません。

 ・給与所得者控除 195万円

 ・社会保険料控除 120万円

 ・基礎控除 48万円(所得税)

 ・扶養控除 38万円

 ・合計 401万円

 給与所得者の年収1,000万円専業主婦世帯であれば、これだけの控除額になります。しかし、フリーランスであれば、使える控除の幅は個人によって大きく異なります。

 ・青色申告特別控除

 ・経費

 フリーランスであれば、給与所得者控除が無い代わりに、これらを使うことができます。そして、この2つは非常に強力です。

 多くのケースで給与所得者控除を上回ることができるということです。

 ・給与所得者で年収1,000万円 

 ・控除額 400万円

 ・課税所得 600万円

 このケースの場合、所得税率は20%となり、手取りは730万円ほどになります。

 ・フリーランスで年収850万円

 ・経費を含めた控除額 660万円

 ・所得税額 190万円

 このケースであれば、所得税率は5%となり、手取りは730万円を上回る可能性があります。

出典 No.2260 所得税の税率|国税庁

 このようなケースはやや極端ですが、年収が低くとも、仕事の仕方や控除額によって、手取りは年収の低い方が多いというケースがあるということです。

 そのように考えると、年収1,000万円というのが高所得である、とは一概に言い切れないということです。

年収ではなく、使えるお金を増やすことが大切。

YOHの考え

 今回は年収1,000万円は高所得者か、ということについて考えてみました。

 年収1,000万円というのは、給与所得者の中で上位4.5%に属しており、誰にでも到達できる領域ではありません。

 私のような地方都市の公務員であれば、まずたどり着くことができない領域です。

 しかし、年収1,000万円が高所得者であるかといえば、一概にそうとは言い切れないということです。

 それは、年収が同じであっても課税所得が異なれば手取り年収に大きな差が出るからですね。

 ・年収1,000万円で手取り年収は700万円

 ・年収900万円で手取り年収は750万円

 やや極端な例ですがこのようなことは起こりうるということです。そのため、年収が大きい方が高所得者とはならないということです。

 そして、給与所得者で年収1,000万円以上の方というのは、ほとんどが50歳代以降です。

 ・年功序列

 ・勤続年数

 日本の給与収入はこの2つによって決まっていることが大半であることを考えると、30歳代、40歳代で年収1,000万円というのはさらに限られていると考えてよいですね。

 しかし、私は50歳代になって給料が上がってもそれほど意味がないと考えています。

 ・住宅購入

 ・子育て費用

 ・教育費

 50歳代というのは、このような人生における大きな支出にある程度の目途がついているからですね。そして、年を重ねるにつれて生活はミニマムになり、使うお金も少なくなります。

 そのように考えると、定年退職が見え始めた時に年収が1,000万円に到達しても意味がありません。

 それよりも、20歳代~30歳代の時に年収600万円~800万円あれば人生設計が非常に楽になります。

 若い時にこれだけの年収があれば、人生における大きな支出を控えている状況であっても、一定額の貯蓄や資産運用ができる金額を手にすることができるからですね。

 ・高齢になってからの年収1,000万円

 ・若い時の年収600万円

 この2つのケースであれば、「若い時の年収600万円」の方が金銭的な面で優れている高所得者と感じる方は少なくないですね。

 ・手取り年収

 ・年齢

 年収というのは、この2つによって感じる部分が非常に大きなウエイトを占めており、年収が高ければ高いほど高所得でお金に余裕があるとは言い切れないというのが私の考えです。

 とはいえ、年収1,000万円というのは高属性であることに間違いはありません。

 しかし、年収というのはあくまでも金銭的な部分のひとつの数字に過ぎず、高いからと言って高所得であるとは言えないと私は考えています。

 ご覧いただきありがとうございました。

 年収1,000万円、資産1億円というのは誰もが羨む金額です。しかし、どちらか一方は平均的な会社員や公務員であっても到達することは可能です。

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 給与所得者というのは、資産形成上不利な立場にあることを自覚しておかなければなりません。その立場を理解して資産形成をする必要があるということです。

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 年収が低くとも資産1億円というのは不可能ではないですね。

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