住宅購入
多くの人にとって、住宅は一生に1度の人生最大の買い物です。正に人生の方向性を決める買い物だと言ってよいですね。
・価格が非常に高い
・ローンを組んで購入する
・長期間使うことが前提
住宅購入にはこのような特徴があるからです。人生の大きな支出は車や保険もそうですが、住宅に比べると価格は低く、キャッシュアウトする額も少ない傾向にあります。
・新築一戸建で3,000万円~4,000万円
・新築マンションで2500万円~3,500万円
・2馬力なら、4,000万円~5,000万円
私の周囲で言えば、住宅を購入する場合の価格のボリュームゾーンはこの辺りですね。
中には、2馬力で8,000万円以上の住宅ローンを組む世帯も存在します。そして、新築一戸建を選択する方が多い印象です。
・給料が安定している
・給料が右肩上がり
・5年以上働けば、離職率が極めて低い
・転勤や単身赴任がほぼ無い
このような理由から、働いている自治体の周辺に新築一戸建を購入します。もちろん、一括で用立てることができる金額ではないので、住宅ローンを組むことになります。
しかし、多くの方は自分の許容量を超えるような住宅ローンを組んでいるケースが多いと私は感じています。
・住宅ローン
・住宅ローンの適正額
今回は住宅購入と住宅ローンについてこの2点を中心に触れてみたいと思います。
住宅ローン
会社員や公務員が新築一戸建を購入する背景として、住宅営業マンの力が非常に大きいですね。
・公務員は給料が安定している
・返済が滞ることはまずない
・普通の公務員ならこのぐらいの住宅を購入している
・賃貸の家賃を払う金額で住宅が手に入る
私も住宅展示場に足を運んだことがありますが、住宅営業マンの営業トークは非常に洗練されています。このようなことを数字を交えて分かりやすく説明してくれます。
また、住宅ローン控除や住宅の法律、法改正などの知識も豊富で、住宅購入の後押しとして、説得力がありますね。
しかし、金銭的に見れば、一般的な会社員や公務員が3,000万円~4,000万円の新築一戸建を購入することは、金銭的に非常に難しい判断が求められると言わざるを得ません。
・住宅価格 3,500万円
・ローン期間 35年
・金利 固定0.8%
この住宅ローンを組んだ場合、月々の返済額は95,000円、返済総額は約4,000万円になります。(住宅ローン控除は加味していません)
30代前半でこの住宅ローンを組んだ場合、返済金額は手取りの30%ほどです。住宅はここにランニングコストを乗せて考える必要があります。
・保険代
・修繕積立費
・固定資産税
これだけで考えても、月に2万円~3万円は積み立てておく必要がありますね。そう考えると、3,500万円の住宅にかかる費用は月に13万円となります。
・年収 600万円
・手取り 30万円/月
・ボーナス 120万円/年(夏冬合計)
・可処分所得 480万円
ここに月13万円の住宅費がかかると、月に17万円で生活することになります。
・車両維持費 3万円/月
・保険代 2万円/月
・子育て費用 2万円/月
これらのランニングコストを引くと、月に10万円で食費や日用品費、通信費などを賄う必要があります。
これは金銭的に非常に厳しいですね。月々のキャッシュフローは赤字でボーナスで生活費を補填する生活になることが予想されます。
3,500万円で住宅購入する場合、このキャッシュアウトの状況は簡単に計算して確認することができます。普通に考えれば金銭的に難しい決断となるのですが、ボーナスで補填することを当たり前として、住宅購入に踏み切っているということです。
平均的な給与所得者の住宅ローン適正額
このような住宅ローンの特性を考えると、住宅ローンの適正額は「年収の3~4倍」といったあたりですね。
・年収500万円なら1,500万円~2,000万円
・年収600万円なら1,800万円~2,400万円
このあたりであれば、毎月の給料のみで住宅ローンを賄うことができ、貯蓄や資産運用にも目を向けつつ、住宅ローンを払い続けることができるということです。
仮に、年収500万円で3,500万円の住宅ローンを組んだ場合、ボーナスなどで生活費を補填する必要がありますが、それは、健全な家計状況ではないですね。
・怪我や病気による長期療養
・ボーナスの減額
このようなことは、誰にでも発生するリスクです。リスクに対しては、大きなマージンを取って備える必要がありますが、大きな金額の住宅ローンを組んだ場合、適切なマージンは取れなくなってしまいます。
このようなマージンを考えると、平均的な給与所得者の住宅ローンの適正金額は1500万円~1,800万円、最大でも2,000万円と私は考えています。
・住宅価格 2,000万円
・返済期間 35年
・金利 固定0.8%
この条件で住宅ローンを組んだ場合、支払い総額は約2,300万円、月々のローン返済額は5.5万円となります。(住宅ローン控除は加味していません)ここに住宅のランニングコスト3万円を足しても、住宅関連費用は月々8.5万円。
月々のキャッシュフローが30万円とすると、21.5万円を生活費として使うことができますね。これならば、家計に余裕があるとは言い難いですが、無理なく生活をすることは十分に可能です。
YOHの考え
今回は住宅購入と住宅ローンについて考えてみました。
・年収の3~4倍
私はこのあたりが住宅ローンの適正金額と考えています。
平均的な年収の世帯では2,000万円ほどがボリュームゾーン、最大でも2,400万円ほどだということです。
私は地方都市に住んでおり、その地域の新築一戸建の価格は2,500万円~3,500万円がボリュームゾーンです。
こどもがいることを考えた場合、2,500万円の住宅では手狭であることが多いため、3,000万円以上がスタートラインとなります。
市街地から外れて郊外や他市に行くと、価格帯は安くなり、2,000万円~2,500万円で4人世帯なら十分に住む住宅を建てることができ、3,500万円出せば、十分過ぎる広さの家を建てることができます。
・通勤時間が長くなる(車で1時間)
・買い物が不便
・住宅価値の下落が市街地と比較して大きい
市街地から離れると、このようなデメリットがあります。
このようなことを金銭的に勘案すると、新築一戸建は購入しない、という選択が現時点では最もよい、と考えになってしまうのですね。(妻も働いていますが、住宅購入は否定的です)
住宅の価値観は人それぞれですが、私の世帯では、住宅購入よりも資産運用で資産を増加させることに価値を見出しています。
・老後の不安が解消される
・セーフティーネットになる
・財産となり得る
これは、株式などのリスク資産と住宅どちらにも言えることです。そして、どちらに資産投下した方が金銭的に正しかったのかは、30年以上先にならないとわかりません。
・株式が大暴落して著しく元本毀損して元値に戻らない
・都市開発によって、住宅の値が上がった
このようなことは予測することができません。しかし、今の生活を考えた場合、3,000万円以上の住宅ローンを組むことは平均的な年収で生活している世帯にとって、デメリットが大きいのです。
※このデメリットというのは、あくまでも金銭的な事柄のみを指しています。気持ちの部分は別に世帯によって異なるので、正解は出すことができません。
日々、お金の心配をせずに暮らしていくことは、豪華できれいな住宅に住むよりも価値のあることだと私は考えています。しかし、一方では一戸建住宅はマンションなどの賃貸物件よりも優れているところは多々あります。
その中でも大きいのは子育て環境が充実することですね。私の世帯は現在、3LDKに5人で住んでいますが、手狭になっていると感じます。こどもが大きくなればさらに手狭に感じることになることは確実です。
・4LDK以上の広い賃貸物件に引っ越しする
・住宅購入を考える
このような選択をする必要があるということです。しかし、感情だけで住宅購入をすることは避ける必要があるとも考えています。その目安が2,000万円という住宅ローン金額です。
平均的な年収の給与所得者の住宅ローンは最大でも2,000万円。これが、目安になる金額で適正な金額であると私は考えています。
ご覧いただきありがとうございました。
住宅金利に対する考え方はこちらで記事にしています。私であれば変動金利を迷わず選択します。
マイホーム購入についてはこちらで記事にしています。マイホーム購入は不動産投資と考えておいた方がよいですね。
住宅購入に否定的な理由としては、現在の給与水準が保障されていないことも挙げられますね。公務員の給料が安泰というのは終わりを迎えています。