年収1,000万円
年収1,000万円というのはサラリーマンであれば誰しもが夢見る金額です。
・家賃の高い住宅
・高級車を所有
・こどもを幼稚園から私学に通わせることができる
このようなことが無理なく可能なのが年収1,000万円です。しかし、この年収1,000万円というのは誰にでも到達できる年収ではありません。
令和2年度民間給与実態統計調査を見ると、給与所得者で年収1,000万円以上の方は240.6万人です。給与所得者が5,244万人とされているので、わずか4.6%の方しか到達できないことになります。
そして、年収1,000万円以上に到達するためには、仕事に対する個人の能力や頑張りはそれほど重要ではありません。
・就いている職業
・業界水準
年収に関してはこの2点によるところが非常に大きいからですね。私のような消防職の公務員であれば、どんなに能力が高く仕事に特殊性があっても年収1,000万円に到達することは非常に稀といってよいですね。
・火災調査のエキスパート職員
・年間1,000件以上救急出動している救急救命士
このような消防職員あっても、年収は業界水準によって決まるため、年収1,000万円に届くことはないと言ってよいということです。
年収1,000万円以上世帯の貯蓄状況
年収1,000万円以上というのは非常に限られた労働者でずばり言ってしまえば高属性サラリーマンです。
・高学歴
・有名企業に勤務
・企業内での地位も高い
給与所得者で年収1,000万円のモデルケースとはこのような方ですね。これほどの高属性で年収も高ければ貯蓄などの資産形成も十分にできていそうですが、実際にはそうではありません。
金融庁が公表している「家計の金融行動に関する世論調査(2021年)」によると、年収1,000万円~1,200万円世帯のうち、金融資産無しが4%貯蓄100万円未満が2%となっています。
・金融資産非保有 4%
・100万円未満 2%
・100~200万円未満 5%
・200~500万円未満 9%
・500~1,000万円未満 17%
1,000万円未満を確認するとこのようになっています。年収1,000~1,200万円世帯のうち、37%が金融資産保有額が1,000万円以下となっています。
年収1,000~1,200万円世帯の金融資産平均保有額は2,386万円、中央値は1,500万円と高い水準にあります。
そして、金融資産保有世帯の金融資産保有額の平均は1,721万円、中央値は900万円となっています。金融資産保有世帯とは、年収が平均的な世帯も含んでいます。
給与所得者の平均年収が450~500万円であることを考えると、年収1,000~1,200万円世帯で金融資産が1,000万円以下の世帯が37%というのは資産形成がいかに順調に進んでいないということです。
高所得世帯でも資産形成が進んでいない理由とは
年収1,000万円以上の高所得世帯で資産形成が進んでいない理由の多くは使い過ぎているからですね。
年収1,000万円以上で慎ましく生活しているのであれば、多くの場合、貯蓄だけで順調な資産形成ができるということです。年収1,000万円ならば個人差はありますが、手取りは700万円はあります。
・月々の生活費が40万円(年間480万円)
・年間貯蓄額220万円
月々の生活費が40万円というのは非常に高額で生活必需品や生活に欠かせない支出でお金に困ることはありません。しかし、「世間一般で考えられている普通の生活」をするなら、月40万円では足りなくなるということです。
・4,000万円の住宅ローン(月々12万円)
・車2台所有(月々の維持費8万円)
非常にザックリとしていますが、これだけで月々20万円のランニングコストがかかります。月々40万円で生活するなら、残りの支出を20万円以内にする必要があります。月々20万円の生活費となると、平均的な年収の給与所得者の生活水準と大きく変わることはありません。
多くの世帯の場合、それをよしとしないということです。高年収であるなら、普通の世帯よりもお金をかけた生活を望むのが当たり前と言ってよいからですね。そのため、生活費が20万円でおさまることはありません。
・月々の生活費 55万円(年間660万円)
・年間貯蓄額 40万円
高所得者ほど月々の生活費が上がってしまい、貯蓄が進まないのが資産形成が進まない理由だということです。
YOHの考え
年収1,000万円以上の給与所得者というのは上位数パーセントの高属性労働者であることは間違いありません。
しかし、そのような高属性労働者でもお金に対する意識付けをしなければ資産形成はできないということです。
・年収3,000万円以上
・金融資産保有額10億円以上
日常生活においてお金に対する意識付けをしなくてもよいのはこのような層だと私は考えています。
このような層に属しているのであれば、日常生活で特に意識することなくお金を使っていても収入が支出を下回ることはないということです。(浪費は除きます)
しかし、年収3,000万円の方となると統計を取る必要も無いにほど少数です。(各統計調査でも年収2,000万円以上というくくりで数えられていることが多いです)
給与所得者が資産形成で大切なことは様々ありますが、一言で表すなら「足るを知る者は富む」ということです。
・自分の年収では5,000万円の住宅が購入できない
・自分の年収では500万円の新車が買えない
・自分の年収では隣の家よりもよい生活ができない
資産形成していく上でこのようなことは考えない方がよいということです。
・自分の年収であれば2,000万円の住宅を購入できる
・自分の年収であれば中古の大衆車を購入できる
・自分の年収であれば家族が日常生活を不自由なく送ることができる
このように自分の範囲内で何ができるのかを知って行動することが大切だということです。浪費や日々の生活にお金をかけることにはキリがありません。
・収入が上がった分だけ生活水準を上げる
・年収が上がった分だけ浪費を多くする
単純なことですが、このようなことをしていては資産形成はできないということです。足るを知ることが資産形成では大切だということです。ご覧いただきありがとうございました。
公務員や会社員の資産形成でおすすめの書籍はとなりの億万長者ですね。
給与所得で高所得の方は厚生年金が多く受給できるのは心強いですね。現役時の厚生年金拠出額が多ければ、老後生活の助けが多くなるということです。
年収1,000万円の公務員や会社員の生活シミュレーションはこちらで記事にしています。