YOH消防士の資産運用・株式投資

消防士の資産運用、株式投資、仕事について紹介しています。

公務員として求められるものが変化しているということ

国家公務員と地方公務員

 公務員になるには公務員採用試験を受験して合格、という流れを辿るのが一般的です。

 ・国家公務員

 ・地方公務員

 大きく分けて公務員はこの2つに分けられますが、採用手順は同じです。国家公務員と地方公務員の最も大きな違いは仕事内容ですね。

 ・国家公務員・・・立法、司法、行政などの政府の根幹を支える中央省庁に属する

 ・地方公務員・・・地域の行政サービスを行うため、地方自治体などに属する

 このような違いがあります。消防組織で言えば、総務省消防庁に属するのが国家公務員で、消防法や規則などを整備するのが仕事となります。

 ・消防車に乗って火災現場へ行く

 ・救急車に乗って傷病者を病院搬送する

 総務省消防庁に属する国家公務員は、このような災害従事活動をすることはありません。一方で地方自治体の消防組織に属して、このように現場で働いているのが地方公務員です。

 ・消防法改正を施行する

 ・全国の消防組織に注意喚起の通知を出す

 このようなことは地方公務員にはできないということです。

出典 ASK公務員

国家公務員と地方公務員どちらがなりやすいか

 国家公務員と地方公務員どちらがなりやすいかと言えば、これは多くの場合、地方公務員の方がなりやすいですね。

 ・採用人数が多い

 ・採用試験が比較的簡単である

 この2つの理由から地方公務員の方がなりやすいと言えます。最も大きい理由は採用試験が比較的簡単であることです。

 ・特別な知識を必要とする

 ・専門的な学習を長時間する必要がある

 地方公務員の試験においてはこのようなことは少ないからですね。もちろん最低限の学習と試験対策は必要ですが、一定以上の専門的知識が無いと解けないような問題は出題されません。

 消防吏員採用試験を例に挙げれば、働いてから必要になるであろう、消防法や医学解剖生理学などの知識は求められないということです。

 ある程度の知識を広く浅く学習するような学習期間を取れば、多くの人がボーダーラインにひっかかるような位置まで到達することができるということです。

 一方で、国家公務員採用試験は非常に難しいですね。

 ・外務省専門職員採用試験

 ・財務専門官採用試験

 ・法務省専門職員採用試験

 このような国家公務員採用試験は非常に高度な専門的知識が求められます。その試験用の対策を長い時間をかけてしておかないと合格点に達することはまず不可能といってよいですね。

 私の大学の同級生に「航空管制官採用試験」を受験される方がいましたが、参考書を見せてもらうと、私が受ける消防吏員採用試験とは難易度に大きな差があったことを覚えています。

 ・英語

 ・数学

 ・物理

 この辺りの問題は、大学などの高等教育で学習するレベルの知識を有していなければ解くのは非常に難しいと感じました。国家公務員採用試験に合格するというのはそれほど難しいということです。

出典 神田外語グループ

地方公務員が求める人材は変わりつつある

 国家公務員と地方公務員の試験難易度が異なる理由は仕事内容によるところが非常に大きいですね。

 消防という枠組みで考えると、総務省消防庁に属する国家公務員に求められるのは、法整備や指針を決めたりすることです。

 そして、それを実際に実行するのが地方自治体に属する消防職員になります。総務省消防庁は脳、地方公務員は手足と考えるとわかりやすいかもしれません。

 そのため、ひと昔前までは地方自治体の消防職員は現場活動だけしていればよい、という考えを持つ方が少なからずおられたのですね。

 ・パソコンに触ったことがない

 ・火災調査報告書を作ったことがない

 ・災害活動以外の仕事はいっさいしない

 退職までこのようなスタンスを貫いていたという方が少なからずおられたということです。しかし、今は勝手が違ってきています。

 ・パソコンスキルは必須

 ・体力よりも事務処理能力が重宝される

 ・現場活動はイマイチでも事務能力が高ければ十分に職員として優秀

 このような環境に変化してきているということです。

時代の変化に伴って求められる人材が変わってきているということ。

YOHの考え

 私は地方都市の消防職員として働いて15年以上経ちますが、私が新人だった頃とは職場環境や仕事内容は大きく変化しています。

 最も感じるのは、国家公務員の仕事の一部が地方に振り分けられているということです。

 ・消防法、消防組織法の改正

 ・消防活動の指針、救急活動プロトコル

 このような国家公務員が作る事項に対して意見を求められる場面が増えてきているということです。意見を求められると言っても、直接話をしたり、電話やメールで気軽に意見交換するわけではありません。

 ・統計データ

 ・統計データからの分析結果

 このようなことを取りまとめて総務省消防庁に報告書として提出する仕事が格段に増えているということです。そして、報告内容によっては、この報告書を災害活動に従事する職員が作成する必要があります。

 ・救急出動

 ・日々の救急の事務作業

 これらのことをこなしながら、総務省消防庁に報告する書類作成をする必要があるということです。そして、中央省庁などに出す書類というのはある程度の精度を求められます。

 ・公文書として整っている

 ・客観的に見てわかりやすい文書である

 このような文書を作成する必要があるということです。そして、ここに求められるのは、ある程度の事務処理能力だということです。

 ・消防士になったら仕事で身体を鍛えることができる

 ・消防士になって災害現場で人助けだけをしたい

 このようなことだけで仕事をこなして行くのは通用しなくなっているということです。

 ひと昔前まではこのような職員もいましたが、今ではほぼいないと言ってよいですね。災害活動もこなして事務作業もこなす、このような職員が求められているということです。

 ご覧いただきありがとうございました。

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