ライフワークバランスの調査
ライフワークバランスなどに関するランスタッド社の調査によると、日本人の仕事満足度は世界最低となっています。
・インド 89%
・アメリカ 78%
・中国 74%
・イギリス 74%
・日本41% ← 世界最低
各国の仕事満足度はこのようになっています。そして、不満足と回答している割合は21%とこれは、調査各国と比較して突出して高い割合となっています。
Googleで「仕事」と打ち込むと、予測変換で「行きたくない・辞めたい」などの文字が優先表示されることからも、仕事に対してネガティブな印象を持っている方が非常に多いということですね。
仕事自体は嫌いではない人は多い
日本人の仕事満足度が低いのは、仕事内容が世界各国と比較して仕事内容が異質というわけではありません。
・火事で火を消す
・救急車で傷病者を病院搬送する
消防の仕事を例に挙げれば、このような仕事内容は世界共通です。
やり方の違いはあれど、根本的な内容は同じといってよいですね。そして、仕事内容が著しく異なっているわけではないのであれば、原因は別にあるということです。
ここまで日本人が仕事に対して苦痛を感じている理由は、ずばり言ってしまえば、日本特有の仕事環境や仕事の仕方によるところが非常に大きいということです。
・調整事項
・根回し
・人間関係
本来の仕事自体は嫌いではないが、このような、本来の業務ではないことに対して苦痛を感じている方が多いのだと私は考えています。
・調整事項に時間を取られて本来の業務をする時間が削られる
・かどが立たないように仕事をするためには、多くの人に根回しをする必要がある
例を挙げるとこのようなことですね。そして、私もそのような本来の業務ではないことに時間を取られることに苦痛を感じる人間だということです。
YOHの職場を例に挙げると
私の職場では、本来の業務ではない調整事項がとにかく多い傾向にあります。例えば、私は事務作業
効率を上げるために、パソコンにソフトをインストールしようとしたことがありました。
・何故そのソフトが必要なのか会議で説明をする必要がある
・説明するための資料を作る必要がある
・消防予算でソフトを購入するので、見積書が必要
・業者に見積もり依頼をかける
・予算執行するために上司に相談、総務課に連絡する必要がある
・見積書を精査して決裁という名のスタンプラリーをする必要がある
・パソコンに外部ソフトをインストールするには、情報課への書類提出が必要
・情報課へ提出する書類のスタンプラリー
細かく挙げればまだまだありますが、パソコンにソフトひとつをインストールするだけでこれだけの手間がかかるのですね。そして、ここに人間関係や好き嫌いが絡んでくると、事態はさらにややこしくなります。
・今まで手作業でやっていたのだから、そのままでよいだろう
・新しいソフトの使い方を覚えることがめんどうだ
・YOHのやつ、めんどくさいこと言い出しやがって・・・
・予算執行は総務課と救急課どちらがするのか
このような本来の仕事と全く関係のない感情や利害関係が絡んでくると、本来の仕事にかける時間がどんどん削られていくのですね。
その結果、肉体と精神的に疲労が溜まり、本来発揮できるパフォーマンスを発揮できないことになるということです。
YOHの考え
私の職場にも猛烈に仕事が嫌いという方は少なからずおられます。しかし、その多くの方は消防本来の仕事自体が嫌いなわけではないのですね。そして、離職する方も同様です。
・消防本来の仕事は好き
・周辺に付随する調整事項や根回しが嫌い
仕事が嫌いという方は、このケースが非常に多いというのが私の印象です。そして、私自身もこのケースに当てはまるということです。
・関係ない事柄でも自分に伺いを立てないことが気に入らない
・内部で完結する資料であるにも関わらず、細部にまでクオリティを求める
どのような会社や組織でもこのようなことはあるかと思いますが、消防組織に関して言えば、このような事柄には異常なこだわりを発揮する方の割合が多いのですね。
そのため、本来するべき仕事ができずに時間だけが過ぎて行くことになり、仕事に対してよいイメージを持つことができなくなるのです。
私自身は仕事がそこまで仕事が嫌いというわけではありませんが、辟易とすることがある、というのが表現として適切かもしれません。
無駄とわかって行う仕事と次々に生み出される仕事というのは、終着点や落としどころがなく、時間だけがかかります。
そこに価値観や達成感を見出すことができるのであればよいのですが、多くの人にはそれができません。かと言って仕事を辞める必要はありません。
私にとって、今しかできない仕事というのは、消防組織の仕事の中に確実に存在するからですね。
・誰しもに等しく救急医療を提供する
・傷病者に直接お金のかからない医療を提供する
このようなことは、消防組織でしかできないことです。そして、どのような仕事においても、その仕事でしか提供できないものやサービスは確実に存在します。余計なことに気を取られることなく、本質的に仕事を行うことができれば、日本人の仕事満足度は41%にはならないと私は考えています。
ご覧いただきありがとうございました。
人生には起伏がありますが、退職後の平坦路は無くなってきています。
仕事にミスはつきものです。要は考え方ですね。
時代の流れによって、消防の仕事環境も変わっています。概ねよい方向へと行っています。