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【成長投資枠ではアクティブファンドを】金融機関としては新しいNISAをどのように使って欲しいと考えているか

新しいNISAは金融機関にとっても大きなチャンス

 2024年から開始される新しいNISAは個人の資産形成において大きな影響を及ぼすもののになりますが、サービスを提供する金融機関においてもそれは同じです。

 ・今まで株式投資に興味の無かった

 ・資産形成を考えている

 このような客層を取り込むための大きな材料になるということです。

 新しいNISAを開始するため証券口座やNISA口座を開設してくれるからですね。

 そして、証券口座を保有してくれているということは、様々な商品を購入してもらい、手数料を獲得することに繋がります。

 そのため、2024年からはじまる新しいNISAは金融機関にとっても大きなチャンスであるということです。

 そして、証券会社をはじめとする各金融機関の新しいNISAに対する意図ははっきりとしています。

 利用者に対して、どのように営業をしていくのかというのが決まっているということですね。

 ・金融機関は新しいNISAをどのように使って欲しいのか

 ・金融機関の意図通りに新しいNISAを使うことはよいのか

 今回は新しいNISAについてこの2点を中心に触れてみたいと思います。

金融機関は新しいNISAをどのように使って欲しいのか

 金融機関は新しいNISAをどのように使って欲しいのか、ということについては、以下の2つが挙げられます。

 ・つみたて投資枠は低コストのインデックスファンドで長期積立投資をして欲しい

 ・成長投資枠は高コストのアクティブファンドを購入して欲しい

 金融機関としては新しいNISAをこのように使って欲しいと考えているということです。

 それぞれについて順番に触れていきます。

つみたて投資枠は低コストのインデックスファンドで長期積立投資をして欲しい

 金融機関が新しいNISAについて考えていることは、「つみたて投資枠は低コストのインデックスファンドで長期積立投資をして欲しい」ということです。

 新しいNISAは生涯投資可能枠を2つに分けて、それぞれの枠について差別化を図っています。

出典 新しいNISA : 金融庁

 このように、つみたて投資枠と成長投資枠にはそれぞれに違いがあります。

 そして、金融機関の視点で見ると、つみたて投資枠についてはそれほど旨みがあるものではないということです。

 ・年間投資可能枠が120万円

 ・売り込むことができる商品が非常に限られている

 このような制限があるからですね。実際に、それぞれの枠で購入することができる投資信託について確認すると、成長投資枠は1682本ですが、つみたて投資枠については255本しかありません。

 ・長期投資に適していない

 ・分散性が低い

 ・高コスト

 このような投資信託はつみたて投資枠で購入することができるものから除外されているということです。

 そのため、金融機関としてはつみたて投資枠の方に力を入れて販売しても、それほど旨みがないということです。

 そのように考えると、金融機関としてはつみたて投資枠は投資のきっかけを作るために利用して欲しいということです。

 ・安全性が高いが資産形成の速度は遅い

 ・長期的に利益が出ればよい

 このような使い方を推奨していくということですね。そのために、「つみたて投資枠は低コストのインデックスファンドで長期積立投資をして欲しい」、と考えるということです。

成長投資枠は高コストのアクティブファンドを購入して欲しい

 金融機関としては、つみたて投資枠で長期的に安定した資産形成を進める一方で、成長投資枠については、市場平均を上回るパフォーマンスが期待できるアクティブファンドに使って欲しい、と考えています。

 それは、成長投資枠で選択できる金融商品については縛りが少ないからですね。

 ・整理、管理銘柄

 ・信託期限20年未満

 ・レバレッジ型

 このような著しく長期的な資産形成に向かない金融商品以外は成長投資枠で購入することができます。

 そして、成長投資枠は年間投資可能額が240万円、生涯非課税保有額1,200万円とつみたて投資枠と比較すると枠が大きいことも特徴として挙げられます。

 金融機関としては、この自由で非課税保有限度額が大きい成長投資枠については、市場平均を上回るようなリスクを取った資産形成で使うことを望んでいるということです。

 その理由はアクティブファンドはインデックスファンドと比較するとランニングコストが高い傾向にあるからですね。

 そして、ランニングコストがかかるということは、金融機関の取り分がそれだけ増加するということです。

 ・つみたて投資枠については堅実な資産形成をしましょう

 ・成長投資枠については、リスクを取った資産形成をしましょう

 金融機関としては、新しいNISAをこのように売り込んでいくということです。

セールスに伸るかは自分自身で考える必要がある。

YOHの考え

 今回は金融機関は新しいNISAをどのように使って欲しいと考えているか、について触れてみました。

 ・つみたて投資枠は低コストのインデックスファンドで長期積立投資をして欲しい

 ・成長投資枠は高コストのアクティブファンドを購入して欲しい

 金融機関としては、新しいNISAについてはこのように考えているということです。

 少し穿った言い方をしてしまうと、つみたて投資枠についてはそれほど積極的なセールスはしないということです。

 ・年間投資可能額が少ない

 ・売り込むことができる金融商品が非常に限られている

 つみたて投資枠にはこのような特徴があるからですね。そのため、つみたて投資枠はあくまでも足掛かりということです。

 もちろん、金融機関としてはつみたて投資枠で利用者が利益を出すことを望んでいます。

 つみたて投資枠で積立投資をしてある程度の含み益が出れば、成長投資枠で市場平均を上回るような高いコストの金融商品を勧めやすくなるからです。

 ・つみたて投資枠は600万円積立投資をして堅実に資産形成しましょう

 ・成長投資枠は市場平均を超えるリターンを狙っていきましょう

 このように話を持って行きやすくなるということです。

 実際に、新しいNISAが開始されて数年後には、その期間内だけで見れば、全世界株式インデックスファンドやS&P500をベンチマークとしているインデックスファンドのパフォーマンスを大きく上回るようなアクティブファンドが多数出てくることは間違いないでしょう。

 金融機関としては、そのような金融商品を売り込みたいということです。

 しかし、数十年という長期的な視点で見れば、アクティブファンドがインデックスファンドのパフォーマンスを上回ることが難しいことは歴史が証明しています。

 そのため、「成長投資枠は市場平均を超えるリターンを狙っていく」というのは長期的に資産形成をするのであれば、難しい選択になってしまう可能性が高いということです。

 新しいNISAについては、それぞれの枠をどのように使うかによって将来の資産形成状況に大きな影響を及ぼします。

 ・つみたて投資枠は低コストのインデックスファンドで長期積立投資

 ・成長投資枠は高コストのアクティブファンドで市場平均を超える

 このような金融機関の言う通りの使い方をしては、長期的な資産形成は難しいものになると私は考えています。

 ご覧いただきありがとうございました。

 新しいNISAで選択できる投資信託についてはこちらで記事にしています。

fire-money.hatenablog.com

 全世界株式インデックスファンドの信託報酬引き下げは新しいNISAを意識したものですね。

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 多くの人にとって、新しいNISAは資産形成の大きな分岐点になることは間違いないですね。fire-money.hatenablog.com