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【公的年金財政検証の年】2024年に行われる年金制度改正について

2024年は5年に1度の年金財政検証の年

 2024年のお金の話題で最も注目されているのは新しいNISAが開始されることです。

 新しいNISAは投資可能限度額や制度設計から、それまでに投資に興味が無かった層からも非常に注目を浴びています。

 上手に使うことができれば、将来の金銭的な不安を解消することができる可能性が高いからですね。

 しかし、2024年は5年に1度の公的年金財政検証の年でもあります。

 今、マスメディアなどで年金の改正について報道されることが増えてきていますが、これは、2024年の公的年金財政検証に向けての動きであるということです。

 そして、その改正の方向性としては、加入者にとってよいと言えるものではありません。

 ずばり言ってしまえば、改悪されていくということです。

 ・2024年に行われる年金改正とは

 ・今後の年金制度はどのようになっていくのか

 今回は年金の制度改正について、この2点を中心に触れてみたいと思います。

2024年に行われる年金改正とは

 まず、年金制度の現状としてはこのままの給付水準を続けていては、年金財源が持たないということです。

 その最も大きな理由は少子高齢化ですね。

 ・少子化によって、年金を納付する人口は減少している

 ・高齢化によって、年金受給する人口は増加している

 このトレンドが続く限り、年金制度は厳しい状況から抜け出すことはできないということです。

 しかし、いきなり少子高齢化が解消するわけではありません。そのため、国としては現在の状況で年金制度を維持するために年金制度を改正していかなければならないということです。

 そして、その改正というのは非常にシンプルです。

 ・年金財源を増加させる

 ・年金受給金額を減少させる

 この2つをどうにかしてやっていく必要があるということです。

 そして、2024年に改正が検討されそうなのが以下の2つです。

 ・国民年金保険料の支払い期間延長

 ・国民年金の支払い金額の減額

 この2つによって、年金財源を確保しつつ、制度を維持していくということです。

 順番に触れていきます。

国民年金保険料の支払い期間延長

 2024年に改正が検討されそうなひとつ目が「国民年金保険料の支払い期間延長」です。

 現在、国民年金の加入期間は原則20歳から60歳までの40年間です。

 ・月額 1.65万円

 ・年間 19.8万円

 ・40年間で792万円

 現在の支払い期間ではこれだけの金額を納付することによって、65歳から年間78万円を受け取れるというのが国民年金です。

 しかし、現在検討されているのが加入期間を20歳から65歳までの45年間にするというものです。

 図にするとこのような形になりますね。

 現行のゴールが60歳から65歳に延長されることによって、納付額は100万円増加することになります。

国民年金の支払い金額の減額

 2024年に改正が検討されそうな2つ目が「国民年金の支払い金額の減額」です。

 現在、国民年金は40年間満額納付することによって、年間約78万円を受け取ることができます。

 ・40年間の納付額 792万円

 ・年間受給金額 78万円

 納付額と受給額はこのようになるので、65歳から10年以上受給することができれば納付額以上の年金を受給できることになります。

 昔のままであれば、このような受給状況でもよかったのでしょうが、現在ではこれを維持することは難しいということです。

 その理由は、平均寿命が伸び続けているからですね。

出典 

図表1-2-1 平均寿命の推移|令和2年版厚生労働白書-令和時代の社会保障と働き方を考える-|厚生労働省

 厚生労働省の資料によると、2019年の平均寿命は女性が86歳、男性が81歳となっています。

 そして、平均寿命はさらに延びていくことが予想されており、2040年には女性が89歳、男性が83歳となっています。

 これは、日本の環境や社会保障によるところが非常に大きいですね。

 ・世界屈指の治安の良さ

 ・医療水準の高さ

 ・その充実した医療を誰にでも等しく提供できる

 日本ではこのようなことが整備されているため、平均寿命が延び続けているということです。

 これが年金制度の面から見ればよろしくないということです。

 そのために改正する必要があるのが、年金受給額を減額させるということです。

 それが、2024年の改正で検討されているのが年金受給額を年間60万円にするというものです。

 ・40年間の納付額 792万円

 ・年間の受給金額 60万円

 このようになれば、15年間以上国民年金受給をしなければ、納付額以上の国民年金を受給することができなくなるということです。

加入者には改悪ではあるが的を射た改正をしている。

YOHの考え

 今回は2024年に行われる年金改正について触れてみました。

 ・国民年金保険料の支払い期間延長

 ・国民年金の支払い金額の減額

 年金の制度改正についてこの2つは確実に検討がなされるといってよいですね。

 しかし、この2つが検討されて、いきなり年金の制度設計が大きく変わることは考えにくいですね。

 ・2025年から納付期間を5年延長する

 ・2025年から受給金額を年間60万円にする

 このようなことはなく、徐々に改正されていくということです。

 ・段階的に改正していき、今後10年間で納付期間を5年間延長していく

 ・景気などを見て徐々に受給金額を減少させていく

 このような改正がなされると私は考えています。

 これ以外に改正が検討されているのは、年金納付額の増加などもありますが、年金制度の改正については、方向性は一貫しています。

 ・年金財源を増加させる

 ・年金受給金額を減少させる

 この2つをどうにかして進めていくということです。これに対しては多くの人が不満を持つことは当然と言ってよいですね。

 しかし、裏を返せば、年金制度は必ず維持されるということです。

 ・少子高齢化がどんどん加速していく

 ・平均寿命が延び続けていく

 このようなことがあっても、終身的に受給することができる年金制度は老後生活の金銭的な助けになることは間違いありません。

 今後、制度自体は非常に苦しいものになっていくことを避けることはできないということです。

 しかし、国民年金よりも改悪が進んで行くのは公務員や会社員が加入している厚生年金の方ですね。

 国民年金は日本の社会保障制度の根幹と言ってよい制度なので、平均寿命まで生きて元が取れないような制度になることは考えづらいということです。

 そして、その穴埋めのために厚生年金が使われる可能性は十分にあると私は考えています。

 いずれにせよ、年金制度だけで老後生活が安泰という時代は終わりを迎えています。

 老後に金銭的に困らないようにするためには、現役時から準備をしておく必要があるということです。

 ・貯金をしておく

 ・高齢になっても働ける環境を作っておく

 ・健康を維持する

 このような準備をしておくことが大切であるということです。

 ご覧いただきありがとうございました。

 厚生年金と国民年金の利回り(内部収益率)はこちらで記事にしています。

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 年金制度は改悪されてはいますが、必要以上に悲観的に考える必要はないですね。それは、所得代替率によるところが大きいですね。

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 公的年金の第3号被保険者制度についてはこちらで記事にしています。

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