アセットアロケーション
資産運用で最も大切なもののひとつがアセットアロケーションです。自分の資産をどのようなものにどれだけ配分するか、ということです。
・株式
・債券
・現金
・不動産
・コモディティ
・暗号通貨
パッと思いつくだけでこのようなものがありますが、これらをどのように配分するかによって、大まかな利回りが決まります。一般的には、元本毀損の可能性が高いほど利回りは高くなる傾向にあります。
・株式80% 債券10% 現金10%
・債券50% 現金50%
このようなアセットアロケーションの場合、上の方が利回りは高くなりますが、元本毀損の可能性は高いということです。
アセットアロケーションは一度決めたらずっと維持していくということは稀で、自分の状況が変われば、アセットアロケーションも変化させることが一般的です。
・収入が上がった
・貯蓄が増えてきた
このような場合は、株式などのリスク資産を増やしていく方がよいですね。
投資で元本毀損してもリカバリーすることが可能で、利回りを上げるというリターンがリスクを上回っているからですね。
・結婚
・定年退職
一方でこのような場合は、リスク資産を減らして現金などの安全資産の割合を増やす方がよいですね。
大きく元本毀損した場合、生活に影響を及ぼしてしまう可能性があるからです。
利回りは低くとも、元本を減らさないアセットアロケーションを構築することが必要です。
しかし、投資をはじめてリターンを手にすることができると、株式などのリスク資産の比率を増やしてしまいがちです。
・株式80% 現金20%
具体的にはこのような資産配分をするということです。
このようなアセットアロケーションは短期間に大きく資産を増やしてくれる可能性もありますが、万人が組めるようなアセットアロケーションではありません。
ずばり言ってしまえば、このようなリスク資産の割合が多いアセットアロケーションを適切に組める投資家というのは、限られているということです。
・アセットアロケーション内のリスク資産
・リスク資産の割合を大きくしてもよい人とは
今回は、どのようにリスク資産を持つのがよいか、ということについてこの2点を中心に考えてみたいと思います。
アセットアロケーションのリスク資産
投資家がアセットアロケーションを構築する際に一番最初に決めるのは現金比率の割合、キャッシュポジションです。
キャッシュポジションをはじめに決めて、残りを株式や不動産といったリスク資産に割り振る必要があるのですね。
・収入は安定している
・資産が劇的に増えるわけではない
・財政破綻や倒産によって、収入減のリスクがある
働いている場合、キャッシュフローにはこのような特徴があるからですね。公務員や会社員の一番の収入源は雇用主からもらえる給料です。これがなければ生活することができません。
しかし、これをもらって貯蓄しているだけでは資産増加のスピードは非常に緩やかなものになってしまうのですね。
・銀行預金 0.001%
・国債利回り 0.05%
このような状況では、貯蓄していくだけでは大きく資産を増やすことはできないのです。そのため、効率よく資産を増やしていくためには、株式などのリスク資産を使って利回りを上げる必要があるのです。
・株式80% 現金10% 債券10%
・株式90% 現金10%
投資家の中でこのようなアセットアロケーションを組んでおられる方もおられますが、これは万人が組むことができるアセットアロケーションではないですね。
・属性が資産運用に向いている
・総資産が大きい
このような方にしか組めないアセットアロケーションということです。
リスク資産を大きく持ってよい人
株式80%などのリスク資産が大きいアセットアロケーションを組むには、2つの要素がなくてはなりません。1つは属性が資産運用に向いているということです。
・平均よりも高い給料
・平均よりも低い支出
・独身
・40歳以下
・住宅ローンなどの大きな負債がない
このような場合は、積極的にリスク資産を増やしても問題ないですね。
リスク資産の価値が下がっても十分にリカバリーすることができるからです。また、長期投資ならば十分な時間をかけて待つことができるということです。
そして、総資産が大きい方で一定の条件を満たしていれば、リスク資産の割合を高くしても問題ありません。
・安定したキャッシュフローがある
・キャッシュが2,000万円以上ある
・平均よりも低い支出で生活できる
一定の条件とはこのようなものですね。キャッシュが潤沢にあり、さらに給料などの安定したキャッシュフローがあれば、リスク資産が大きく目減りしても日々の生活に支障をきたすことがないということです。
・属性が資産運用に向いている
・総資産が大きい
このどちらか、あるいは両方であれば、アセットアロケーションにリスク資産を大きく組み込むことができますが、そうではない方はリスク資産を抑えたアセットアロケーションを組む必要があるということです。
YOHの考え
今回は、リスク資産を大きく取ることができる投資家について考えてみました。
・属性が資産運用に向いている
・総資産が大きい
このような条件を満たしている投資家は、株式80%・現金20%のリスク資産を中心としたアセットアロケーションを適切に組むことができると考えてよいですね。。
しかし、このように属性が資産運用に向いており、純資産が多いという方は非常に限られています。
そのため、一般的にアセットアロケーションを組む場合、リスク資産の割合は控えめにする方がよいのですね。
・株式30% 現金70%
・株式40% 現金60%
・株式50% 現金50%
年齢や投資経験、目標などにもよりますが、これあたりがひとつの目安ではないかと、私は考えています。そして、リスク資産を増やし過ぎることと同様に、安全資産を増やし過ぎることも危険ということです。
・現金100%
・現金90% 債券10%
それなりに資産が増えているにも関わらず、このようなアセットアロケーションを組んでいると、資産増加割合が非常に緩やかになってしまうからですね。
ある程度のリスク資産を持った方が効率的に資産を増やせる可能性の方が高いということです。
リスク資産を増やし過ぎるてもいけないが、リスク資産が少なすぎてもいけないということです。
そして、自分にとって最適なアセットアロケーションとは、自分自身で構築するしかないのですね。
・年齢
・属性
・資産額
・投資歴
このようなもので自分に最適なアセットアロケーションは変化するということです。そして、自分に合ったアセットアロケーションはすぐに構築することはできません。時間をかけて合う合わないを判断して考えていくことが必要ということです。
ご覧いただきありがとうございました。
公務員や会社員は不動産に全振りしたアセットアロケーションを組みがちです。このような資産配分をしてしまうと、金銭的に苦しくなる可能性が高くなりますね。
アセットアロケーションは調整が必要です。自分の状況に合わせてカスタマイズしていく必要がありますね。
私は資産1,000万円までは現金のみのアセットアロケーションを構築していました。今考えるとよい資産形成方法とは言い難いですが、これはこれでよかったと感じています。