ドルコスト平均法と一括投資
長期投資において、投資信託などの積立方法は主に2種類あります。
・ドルコスト平均法
・一括投資
他には時期を見て購入するスポット購入などもありますが、長期投資でされている方は稀といってよいですね。多くの方はこのどちらかで投資信託と付き合っています。
そして、どちらがよいのかというのも意見が分かれるところです。
・ドルコスト平均法は機会損失
・一括投資はリスクが高い
このようなことからどちらにもメリット・デメリットが存在します。これは、属性や投資に対する考え方の違いからくるものです。
しかし、公務員や会社員の資産形成においては、どちらがよいかはある程度の答えが出ています。今回は、公務員や会社員の資産形成でドルコスト平均法と一括投資どちらがよいかについて考えてみたいと思います。
ドルコスト平均法
結論から言ってしまえば、公務員や会社員の資産形成においては、ドルコスト平均法が一括投資よりもよいですね。
・キャッシュフロー
・資産状況
・労働形態
このようなことを勘案した場合、ドルコスト平均法のメリットがデメリットを上回っているからです。ドルコスト平均法について軽く触れておきます。
ドルコスト平均法とは、価格が変動する商品に対して、常に一定額を定期的に購入する方法です。
・価格が低い時は多くの口数を購入できる
・価格が高い時は少ない口数しか購入できない
このような特徴があります。図解にすると下のようになります。
ドルコスト平均法最大のメリットは、指数の上下動を考える必要がないことです。
・決まった額で定期的に買付ができる
・手間がかからない
その他には、このようなメリットがあります。
・資産投下する指数が右肩下がりなら、資産が目減りしていく
・短期的に資産を増やしにくい
・長期的な入金力が必要
・面白味が無い
デメリットとしては、このようなことが挙げられます。しかし、公務員や会社員の長期投資家にとっては、デメリットはそれほど大きなものではないのですね。
・安定したキャッシュフロー
・超長期的に投資期間を取ることができる
・短期的に大きく資産を増やす必要性がない
公務員や会社員投資家にはこのような強みがあるからです。安定したキャッシュフローと超長期的に投資期間を取ることができるということは、それだけでドルコスト平均法を用いた長期投資において、非常に大きなアドバンテージを獲得しているといってよいのです。
一括投資
一方で一括投資は良い投資手法でないかと言えば、そうではありません。資産増加効率はドルコスト平均法よりも優れています。
・購入時から価格が上昇すれば、短期間で大きく資産を増加させることができる
・長期的に右肩上がりの指数であれば、ドルコスト平均法よりも投資効率がよい
一括投資にはこのようなメリットがあります。特に注目したいのは、「長期的に右肩上がりの指数であれば、ドルコスト平均法よりも投資効率がよい」ということです。
これは、VT(バンガードS&P500ETF)の直近5年間の株価推移ですが、一貫しての右肩上がりです。このような長期的に見て右肩上がりの指数に資産投下するならば、できるだけ早く一括投資した方が、長期的に見れば資産増加するということです。
・長期的に見れば、現時点が安値
・上下動するが、時間が経てば現時点の株価を更新する
S&P500のような優れた指数に連動しているETFならば、このようなことはほぼ間違いないと言ってよいからですね。時間をかけて高い時にも資産投下してしまうドルコスト平均法よりもパフォーマンスがよくなることは当然と言ってよいということです。
感情を保てるかということ
ドルコスト平均法と一括投資を比較した場合、数字の上昇だけで考えるなら、一括投資が上回っていることは疑いようがありません。しかし、株式投資において大切なのは、数字と感情です。
・退職金1,500万円でVOOを一括購入
・10年間かけて貯金した1,000万円でVTを一括購入
どれだけ株式投資の知識があっても、このようなことをできる公務員や会社員投資家は少ないというのが私の印象です。
・一括投資後に暴落が来れば・・・
・もし、指数が停滞したら・・・
・よりよい指数が登場したら・・・
このように考えてしまうからですね。そして、実際に暴落が起きて大きく資産が減少した場合、心穏やかではいられません。
・長期的に見れば必ず上がる
・一括投資の方がドルコスト平均法よりも資産増加効率はよい
このようなことを理解をしていても、耐えることができないということです。
YOHの考え
・資産増加効率で言えば一括投資が優れている
・精神的な面から見ればドルコスト平均法が優れている
一括投資とドルコスト平均法を比較した場合、教科書通りで言えばこのようになります。しかし、公務員や会社員投資家にとっては、ドルコスト平均法の方が優れているというのが私の考えです。
・安定したキャッシュフロー
・超長期的に投資期間を取ることができる
・短期的に大きく資産を増やす必要性がない
公務員や会社員投資家が持っている、この3つのメリットとドルコスト平均法は非常に相性がよいからですね。そして、一括投資は公務員や会社員投資家と相性が悪いのですね。
・100万円などの大きな金額を定期的に扱うことがない
・金額=自分の労働の対価
・金銭的な上下動に不慣れ
公務員や会社員投資家にはこのような特徴があるからですね。これは個人差がありますが、年収1,500万円の高属性会社員でも本質的には同じです。自営業者やフリーランスと比較してお金の動きに対する耐性がないということです。
公務員や会社員投資家は投資信託などで、短期間に大きく資産を増やす必要性はほとんどありません。
・先物取引
・FX取引
・暗号通貨
どうしても短期間でお金を増やしたいのであれば、このようなハイリスクハイリターンな方法で増やすことが本質的だというのが私の考えです。
公務員や会社員の資産形成は少しずつ、ゆっくりとが最もよいと私は考えています。ご覧いただきありがとうございました。
私の資産運用の目的は老後資金の捻出です。FIREや不労所得生活が目的ではありません。
FX取引や暗号通貨では資産増加させることは非常に難しいというのが私の印象です。