グローバルX S&P500配当貴族ETF(2236)
Global X Japan株式会社から新しい東京証券取引所上場のETFとして、「グローバルX S&P500配当貴族ETF(2236)」が1月13日から販売されています。
Global X Japan株式会社は革新的なETFを積極的に販売している、日本唯一のETF専門資産運用会社です。
・グローバルX S&P500・カバード・コールETF(2868)
・グローバルX Nasdaq100・カバード・コールETF(2865)
Global X Japan株式会社で取り扱っている東京証券取引所上場のETFで有名なものの中に、このようなカバードコール戦略を取っているETFがあります。
・成長テーマ型
・インカム型
・コア型
このような様々なETFがGlobal X Japan株式会社から販売されています。
そして、今回販売されることになったのが、「S&P500配当貴族指数」をベンチマークとしたETFである「グローバルX S&P500配当貴族ETF(2236)」です。
・配当貴族指数とは
・グローバルX S&P500配当貴族ETF(2236)について
・グローバルX S&P500配当貴族ETF(2236)は投資対象になり得るか
今回はこの3点について考えてみたいと思います。
配当貴族指数とは
配当貴族というのは、長期に渡って増配している企業のことで、米国ではそのような株式を集めて算出した「配当貴族指数」というものがあります。
その中で非常に有名なのが、S&P500の構成銘柄の中で連続増配25年以上の企業で構成されている指数としている「S&P500配当貴族指数」です。
・S&P500の構成銘柄
・連続増配25年以上
・時価総額が30億ドル以上
・1日の平均売買代金が500万ドル以上であること
S&P500配当貴族指数は、具体的にはこの条件を満たしておく必要があります。
優良な企業の中からさらに厳選した企業を抽出して集めているのがS&P500配当貴族指数であるため、その目的はS&P500よりもよい成績を収めることです。
実際にS&P500とS&P500配当貴族指数のパフォーマンスを確認すると、過去15年間においてS&P500配当貴族指数のパフォーマンスはS&P500をアウトパフォームしていることがわかります。
2009年から見ると、S&P500を50%以上上回っていることから、2010~2020年にかけては非常に好調であったことが伺えます。
そして、S&P500の中から連続増配という点で優れた企業を抽出しているため、上位の構成銘柄はS&P500と大きく異なっています。
構成銘柄についてはこのようになっています。生活必需品、資本財・サービス、素材セクターが大半を占めており、情報技術セクターの比率が大きくないことが特徴して挙げられます。
グローバルX S&P500配当貴族ETF(2236)について
グローバルX S&P500配当貴族ETF(2236)は、S&P500配当貴族指数に連動する成果を出すことを目的としているETFです。
具体的に言えば、信託財産の1口当たりの純資産額の変動率を「S&P 500配当貴族指数」を円換算した値の変動率に一致させることを目的としているということです。
・運用資産額 1.95億円
・基準価格 97,746円(最低買付金額977円)
・運用管理費用 0.3025%
・分配金情報 不明(新規上場のため)
主な情報としてはこのようになっています。東京証券取引所に上場しているため、大手ネット証券会社から売買することが可能です。
YOHの考え
今回は、Global X Japan株式会社から販売されているグローバルX S&P500配当貴族ETF(2236)について触れてみました。
S&P500配当貴族指数自体はS&P500の中から増配という点で優良な企業を抽出している優良な指数と捉えてよいですね。
そのため、グローバルX S&P500配当貴族ETF(2236)も資産投下すれば一定の成果を出すことが期待できるETFと言ってよいですね。
しかし、万人におすすめできるかと考えるとそうとは言い難いというのが私の印象です。
S&P500配当貴族指数の最も大きな欠点して挙げられるのは、配当金を重視している企業を集めている分、成長性を犠牲にしているということです。
アルベマール、アフラック生命、エクソンモービル、シェブロンなどはS&P500配当貴族インデックスの構成銘柄上位の企業で、直近5年間を見てもパフォーマンスは概ね右肩上がりで成長性があります。
・企業自体が成長している
・配当金も25年間連続増配
このように非常に優れた企業であるということです。しかし、超長期的に見ると話は変わってきます。
しかし、上のグラフのように、30年以上の長期的に見た場合、情報技術セクターとして代表的なマイクロソフトと比較すると、その差は明らかだということです。
このような点から見れば、配当金よりも企業成長を重視している企業の方が、長期的に見ると資産増加に適しているということです。
時価総額加重平均で運用しているS&P500連動の投資信託の方が資産増加させやすいと考えておいてよいということですね。
そのため、S&P500配当貴族指数をベンチマークとしているグローバルX S&P500配当貴族ETF(2236)は成長性を犠牲にしているということです。
・成長性よりも安定した配当金が欲しい
・資産を守る段階に入っている
このような投資家にとっては、グローバルX S&P500配当貴族ETF(2236)は投資対象として魅力的ですね。
しかし、私がグローバルX S&P500配当貴族ETF(2236)を購入するかと言えば、資産形成段階である現状ではしないということになります。
その一番の理由は超長期的な成長性において、S&P500をベンチマークとしている投資信託に劣後していると感じるからですね。
増配して株主還元を積極的に行う企業というのは、大きな成長段階を超えているという特徴があります。
生活必需品セクターや資本財・サービスセクターにおいては、それが如実だということです。
そのため、グローバルX S&P500配当貴族ETF(2236)は安定感はありますが、長期的な成長性という面においては、成熟しきっていない情報技術セクターの企業をある程度含める必要があると私は考えています。
配当金というのは安定的なキャッシュフローを生み出すものですが、資産形成段階の投資家にとっては、それほど重視するものではないということです。
それよりも、企業の成長性にかける方が資産増加効率がよいということです。
その点から見れば、グローバルX S&P500配当貴族ETF(2236)に資産投下するのは難しいということです。
仮に、配当金を重視する株式投資をするのであれば、SDY(20年間連続増配)やVIG(10年連続増配)の方が選択肢に挙がるということです。
しかし、グローバルX S&P500配当貴族ETF(2236)を積立投資していくというのは悪くない選択肢でもありますね。
東証上場ETFなので、外国ETFにはないメリットがあるからです。ここをどのように考えるかは投資家によって意見が分かれるところです。
グローバルX S&P500配当貴族ETF(2236)のポイントとしては、どれぐらいの分配金を安定的に出すことができるかということです。
・SDY
・VIG
これらよりも安定的に配当を出せるのであれば、東証上場ETFという点を踏まえるとグローバルX S&P500配当貴族ETF(2236)の方がよりよい選択肢になるということです。
私としては、グローバルX S&P500配当貴族ETF(2236)は万人向きではないが、刺さる投資家には刺さるETFであると考えています。
ご覧いただきありがとうございました。
東証上場ETFとしては、2869なども売り出されています。税金面や為替を考慮すると、東証上場ETFは資産投下対象になり得ます。
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東証上場ETFでスタンダートなものは2558ですね。2558についてはこちらで記事にしています。