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【苦節5年】2018年から塩漬けにしたビックカメラを売った話

株の塩漬け

 株式投資の世界における塩漬けとは、保有している株式の価格が買値よりも下がっていて売ると損がでる状態であるため、しょうがなく長期保有していることです。

 実際の漬物などで長く塩漬けすることは、発酵が進むことによって旨みが増す効果があるのでしょうが、株式の塩漬けというのは基本的によいことは何ひとつありません。

 ある程度の損が出ても売ってしまって、次の投資先にその資金を投入して値上がりを期待するなり、配当金を得るなりした方がよいからですね。

 株式投資では「見切り千両、損切万両」と言われているぐらい、損失が拡大しないうちに見切りをつけることは価値があるということです。

 しかし、これらのことは頭では理解していてもなかなかできることではありません。

 私自身、過去に値上がり益を期待して購入した個別株を5年以上塩漬けにして、つい最近になりようやく売却することができました。

 ・塩漬けにした銘柄を購入、売却した状況

 ・塩漬けしなかったことによって得ることができたリターンとは

 今回は株式の塩漬けについて、この2点を中心に触れてみたいと思います。

塩漬けにした銘柄を購入、売却した状況

 私が5年以上塩漬けにした銘柄は「ビックカメラ(3048)」です。

 ビックカメラは家電量販大手で、ターミナル駅周辺で大型店舗を展開していることが特徴として挙げられます。

 私がこのビックカメラの株式を購入したのは2018年、2回に分けて計300株を取得平均価格1,463円(43.89万円)で購入しました。

 購入した経緯としては、年2回の株主優待券と値上がり益を期待したものでした。

 2018年のビックカメラは業績が好調で、4月には1株1,900円を超える値を付けており、2年後には東京オリンピックを控えているなど、家電需要が伸びる好材料が揃っていると判断していたということです。

 そして、株主優待として年2回、保有株式数と保有年数に応じた商品券が数千円もらえるということが当時の私としては非常に魅力的に感じたことを覚えています。

 しかし、私が株式を購入してから、ビックカメラの価格は下降の一途を辿ることになります。

出典 Googlefinance(ビックカメラ株価)

 私がビックカメラの株式を300株保有したのが2018年12月、ここからビックカメラの株価はこの価格を上回る場面は5年以上訪れません。

 ・1,000円から1,200円付近から上がらない

 ・2019年のコロナショックでは800円まで低下

 このような値動きを5年以上続けることになります。

 そして、私が取得した1463円を上回ることができたのが2024年4月15日です。

 業績見込みが好調なことを受けて、株価は連日上昇していき、2024年4月15日には終値1644円を付けることになりました。

 私はこの4月15日にビックカメラの株価が急上昇していることを知り、100株を残して、1,596円で200株売却し、1株133円(200株で2.66万円、税引き後約2万円)の含み益を得ることができました。

 約30万円を5年間塩漬けにして、2万円の売却益を得ることができたということです。

塩漬けしなかったことによって得ることができたリターンとは

 私自身、ビックカメラの株式を300株購入した時は、100株は株主優待目的で永続的に保有するとして、残りの200株はある程度の含み益が出れば売却しようと考えていました。

 しかし、取得後に株価は上がらず、200株を取得することに使った約30万円は約5年間有効に活用できていなかったということです。

 もし、この30万円をS&P500に投資していた場合、もっと資産を増加させることができていたことになります。

出典 投資信託 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)/マネックス証券

 eMAXISSlim米国株式(S&P500)の直近5年間のトータルリターンは+22.19%であることを考えると、ビックカメラの株式を購入した後に、損切をしてeMAXISSlim米国株式(S&P500)を選択していれば、6万円以上の含み益を出せていたことになります。

 これは、5年間の間に受け取ったビックカメラからの配当金、塩漬けにして得た2万円の含み益よりも遥かに大きい金額になっていたということです。

塩漬けは食べ物だけにしておいた方がよい。

YOHの考え

 今回は、私が個別株を5年以上塩漬けにしたことについて触れてみました。

 ビックカメラの株式を5年以上塩漬けにして、ようやく含み益を出せて手放すことができましたが、これはお金を増やす効率を考えた場合、よいことではないですね。

 その最も大きな理由は「塩漬けにしているお金を有効に使うことができない」ということです。

 資産形成段階における個別株投資で最も大切なことは「価値の上昇する銘柄に投資をする」ということです。

 ・配当金

 ・株主優待

 このような事柄を重視するのは資産形成がある程度進んだ投資家であって、資産形成段階の投資というのは何よりも値上がりを意識して個別株を選定する必要があると私は考えています。

 その点から言っても、個別株の塩漬けというのはよいことではないですね。

 もちろん、個別株を分析して値上がりを期待して購入することは悪いことではありません。そして、その結果として思ったように値上がりしなくてもよいということです。

 失敗から学習することは多々あるからですね。

 しかし、時期を逸してまで頑なに損切をしないことはよいことではないということです。

 見切り千両、損切万両と言われているように、投資した結果が思うようにいかなければ、さっと損切をして次の投資先に資産を投下した方がよいということです。

 しかし、個別株を塩漬けにした結果含み益を出せたことは金銭的価値以上に満足度が高かったと私は感じています。

 ・とりあえず数万円の利益を出すことができた

 ・金銭的に損はしていない

 このような満足度がそれなりに大きかったということです。

 現在の私は長期のインデックス投資しかしていないため、個別株の購入はここ数年していません。

 しかし、個別銘柄を5年以上塩漬けにできたことに対して達成感のようなものはあります。

 ・塩漬けにしていても問題ないほど資産形成が順調に進んでいる

 ・塩漬けにしても株式投資の資金の影響がない

 このようなスタンスで株式投資に取り組めていたことが自信になったということです。

 株式投資において塩漬けというのはしない方がよいことは間違いありません。

 しかし、塩漬けにしておいてもよいほど資産形成を順調に進めていくことも大切だと私は考えています。

 ご覧いただきありがとうございました。

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