公務員志願者数の減少
ここ数年で言われているのが、公務員志望者数の減少です。
公務員と言えば、給料が安定している、仕事が楽、といったイメージがあり就職先として一定の人気があるのですが、それを志す方が減少しているということです。
これは、国家公務員一般職(大卒程度)の試験申込者数の推移ですが、ピーク時の7万人から2018年度は半分以下の3.3万人まで減少しています。
・労働者自体の減少
・民間の募集人数増加
減少の理由としては、このような事柄が挙げられますが、現在公務員として働いている立場から考えると、労働環境の変化も減少の大きな要因のひとつだということです。
・公務員の働き方の変化
・公務員の働き方はブラックなのか
今回は、この2点について、公務員の目線から触れてみたいと思います。
公務員の働き方の変化
公務員の働き方として一般的なイメージとして定着しているのが、職場環境が充実しており、仕事が楽だということです。
・残業はほとんど無く、定時上がりがスタンダード
・業務でひっ迫されるようなことは無い
・福利厚生が充実している
・休暇が多い
このようなイメージを持たれている方は少なくないですね。
確かに自治体や部署によってはこのような事例もあるのでしょうが、それは例外と言ってよいですね。
・残業が常態化しており、サービス残業が横行している
・本来の業務以外のことを受け持つことが多く、仕事に追われている
・福利厚生は数こそ多いが、有益なものは少ない
・休暇の種類は多いが使えない、有給休暇はほとんど消化できない
私の職場で言えば、このような環境化で働いている職員が非常に多いですね。しかし、ひと昔前はもっと楽に働いていた印象があります。
・残業するほどの仕事が無い
・仕事の期日が長く取られており、余裕を持って取り組むことができる
私が公務員として働きだした十数年前はこのような印象で仕事をしていました。それが、時間が経つにつれて変化しているということです。
一度決まったことを廃止できない
公務員の働き方が変化している理由のひとつとして、「一度決まったことを廃止できない」ということが挙げられます。
・今まではAという仕事をしている
・Aの仕事だけでは時代の変化に合わないからBの仕事を付け加える
・仕事としてA、B両方の仕事をしていく
例を挙げるとこのようなことですね。一般的な営利企業であれば、Bの仕事を導入したのであれば、Aの仕事は見直して不必要であれば廃止されるのでしょうが、公務員組織ではそれができない、廃止するにしても非常に時間がかかるということです。
・Aの仕事が不必要な理由
・Aの仕事が不必要な客観的数字
・Aの仕事を廃止するための書類作成
・Aの仕事が不必要なことを説明する会議
ザックリと言って、Aの仕事を廃止するにはこのような手順を踏む必要があります。
Aの仕事ひとつだけなら、このような手順を踏んでもよいのですが、廃止すべき仕事は次から次へと出てきます。
その全てにこのような手順で廃止していくことは非常に不毛でキリがありません。
そのため、多くの職員は無駄な仕事と思いつつ、廃止できない無駄な仕事に少なくない時間を割いているということです。
それが積もっていった結果が、職場環境の悪化に繋がっているということです。
YOHの考え
公務員の職場環境は印象とは異なっており、決して楽なものではないというのが私の印象です。
しかし、ブラックかと言えば、そうではないと考えています。
・労働者に対して過酷なノルマや条件を課す
・ハラスメントが横行している
・働きに対して賃金が著しく低い
このような条件を満たす企業がブラック企業と言われますが、公務員の職場はそれが当てはまらないからですね。
・労働者に対して過酷なノルマや条件を課す → たまにそのように感じる
・ハラスメントが横行している → その辺りのコンプライアンスは表面上は徹底している
・働きに対して賃金が著しく低い → そのようなことはない
私の印象になりますが、公務員の職場というのは概ねこのような形だということです。
・職場環境はそれなりによい(もちろん当たりはずれはある)
・仕事に対して見合うだけの給料は支給されている
公務員として働く多くの方はこのように感じているということです。そのことは、離職率の低さからも明らかです。
・パートタイムジョブ 26%
・民間営利企業の離職率 11.4%
・公務員(一般行政職) 0.8%
・消防士 0.6%
このように、公務員の離職率は他の職業と比較して非常に低いことがわかります。
・労働環境に著しく不満がある
・このまま働いていれば身体を壊す
・仕事の割に給料が低すぎる
多くの人がこのように考えているのであれば、離職率は民間営利企業並みの10%以上に近づくからですね。しかし、離職率が一般行政職で0.8%、消防職で0.6%であることを考えると、多くの人が公務員の働き方にはある程度満足しているということです。
しかし、今後はどのように変化していくのかはわかりません。
現在の変化状況を見ていると、よい方向に進んでいるとは言い難い状況です。特に給料面に関しては注意する必要がありますね。
・公務員として定年退職まで働けば老後は安泰
・定年退職まで終身雇用が続く
このようなことはいつ終わってもおかしくない状態になっているということです。
現在のところ、公務員の働き方はブラックではありません。しかし、公務員として働いていれば、生活が保障されるということは終わりを迎えていると、私は考えています。
ご覧いただきありがとうございました。
公務員の給料は叩かれることが多いですね。その理由についてはこちらで記事にしています。
官民問わず仕事が嫌いという方は少なくないですね。その原因は仕事以外にあることが多いのですね。
私も20代の時は仕事第一で過ごしていましたが、今は考え方が変わっています。楽をすることを覚えたということですね。