- モダンポートフォリオ理論とは
- なぜ、公務員や会社員はモダンポートフォリオ理論を実践することが難しいのか
- 一般的な公務員や会社員のポートフォリオ
- 不動産(マイホーム)の構成比率を少なくする
- YOHの考え
モダンポートフォリオ理論とは
モダンポートフォリオ理論とは、ノーベル経済学賞を受賞したハーリー・マーコウィッツが提唱した理論です。
・リスクが同じ場合はリターンの高い方を選択する
・リターンが同じ場合は分散されているものを選択する。
言いたいことはこの2点に集約されています。
この2つはインデックス投資を軸にしている投資家にとっては、投資の前提事項と言ってよいですね。そして、資産を増やすためには当たり前と言えるようなことですね。
この2つを踏まえると現代ポートフォリオで最適解のひとつとされているのが分散投資です。
・現金
・債券
・株式
・不動産
このように違ったアセットの資産をバランスよく組み合わせることによって、リスクを軽減しつつ、リターンを高めるのが、最も効率的だと言われています。
これは、世間のお金持ちを見ても明らかですね。仕事をして預金を増やして株式投資をする。資産が増えてくれば、債券を買って元本を確保しつつ、レバレッジをかけることのできる不動産投資をしてさらに資産を増やしていく。
言うのは簡単ですが、実践するには非常に難易度が高いですね。大半の人は預金を増やして・・・この段階で躓いてしまいます。不動産投資までたどり着けるのはほんの一握りだということです。
なぜ、公務員や会社員はモダンポートフォリオ理論を実践することが難しいのか
公務員や会社員がモダンポートフォリオ理論を実践できない理由のひとつとして住宅購入があります。モダンポートフォリオ理論では異なったアセットに資産分散する必要があります。
・現金 1,000万円
・債券 1,000万円
・株式 1,000万円
・不動産 1,000万円
やや極端な例ですが、資産が4,000万円あればこのように資産分散することになります。
もちろん、実際にこのとおりに資産構築していくことは現実的ではありません。場面ごとに見ると、現金や株式の比率を意図的に高くする必要があるからですね。
そして、ポートフォリオ構築の難しいところは同属性の人と同じように組んでも、それが自分に合うとは限らないのですね。人によって目標やリスク耐性が異なるからです。
・年齢
・年収
・職業
・家族構成
・総資産
このようなことが似通っていても、ポートフォリオが全く異なっているというのは当たり前といってよいということです。
私の現在のポートフォリオも現金と株式に偏っています。資産を効率よく増やすには、資産規模が小さいうちは集中投資する必要があるからですね。
私の場合は株式に集中投資しつつ、現金を厚めに持つことによってリスクを軽減しています。
しかし、長期的に見て、安定的に資産を増やそうとするなら、異なったアセットに資産分散するように近づけて行く必要があります。
一般的な公務員や会社員のポートフォリオ
公務員や会社員で定年退職時点でもお金に困っておられる方が少なくありません。その原因のひとつは不動産(マイホーム)に著しく偏ったポートフォリオを組んでいるからですね。
・現金 100万円
・株式 0円
・債券 0円
・不動産 3,900万円(35年ローンの金額。実際の住宅の評価額ではない)
公務員や会社員は、30代でこの右のグラフのようなポートフォリオを組む方が非常に多いですね。ポートフォリオの内、90%ほどが不動産という著しく偏った構成です。
そして、多くの方が不動産(マイホーム)購入のために銀行融資で年収の6~8倍のレバレッジを賭けます。
そうすると、ポートフォリオの修正が非常に難しいものになってしまいます。もちろん、マイホームには株式や債券にはない利点があります。
・住むことができる
・所有欲を満たしてくれる
・子育て環境が充実する
お金では得ることができない付加価値を感じることができるのは間違いありません。
不動産(マイホーム)の構成比率を少なくする
公務員や会社員がマイホームを購入するのはいけないわけではありません。むしろ、マイホームを購入した方が仕事がうまく行くという方は数多くおられます。
・責任感
・意欲
・誠実さ
・倹約
マイホームを購入することによって、このような感覚が自然と身に付くからですね。マイホーム購入は人間を成長させてくれるものです。
しかし、マイホーム購入は新築一戸建にこだわるのではなく、中古物件を視野に入れて考える必要があります。
・現金 500万円
・株式 500万円
・債券 500万円
・不動産 2,500万円
マイホーム購入において中古物件を視野に入れると、長期的に見てモダンポートフォリオ理論に近づいたアセットを組むことができるのです。銀行融資でかけるレバレッジも4~5倍に抑えることができます。
YOHの考え
マイホーム購入は不動産のアセットを著しく高めてしまいます。中短期的にポートフォリオに偏りができるのは悪いことではありません。
しかし、モダンポートフォリオ理論から考えると、長期的には資産を分散させていく必要があります。
マイホーム購入で不動産のアセットを高めて、さらに借入金を増やしてしまうと、偏ったポートフォリオのまま定年退職を迎えてしまいます。
効率的なポートフォリオを組むことができなかったことによって、長期間一生懸命働いてもお金が足りないことになってしまうのはそのためです。
繰り返しますが、マイホーム購入は悪いことではありません。しかし、お金の面から見て購入に失敗してしまうと、マイホームに一生を捧げる人生となってしまうのです。
・一生安泰
・給料が安定して右肩上がり
このような過信から多額のローンを組んでしまう。これは人生の選択肢を確実に狭めてしまいます。もちろん、狭めた選択肢の中で上手に生きて幸せに生活している方は数多くおられます。
しかし、自分自身がそうなるとは限りません。多くの選択肢があれば、続ける、逃げる、立ち止まって考えるなど、様々なことを時間をかけて選ぶことができるのです。
選択肢を減らさないように生きることは人生を豊かにする確率を高めてくれると私は考えています。
ご覧いただきありがとうございました。
不動産関係でYOHがブラックリスト入りしかけた話はこちらで記事にしています。
私のおすすめするポートフォリオはこちらで記事にしています。株式と現金というポートフォリオは組みやすく、あらゆる場面にも対応しやすいという特徴があります。
住宅購入の際に考えるのは借入金利です。固定にするか変動にするかは悩ましいですが、私であれば間違いなく変動を選択します。その理由については、こちらで記事にしています。