住宅購入について
住居を選ぶ際に大変人気があるのが新築一戸建マイホームです。公務員などの安定した給料が見込める状況で働いている方には特に人気がありますね。
・転勤がない
・給料が安定している
・退職まで働けば返済することができる
・子育てがしやすい
このような理由から根強い人気があります。私の職場のモデルケースとしては、20代後半で結婚、子どもが出来て30代前半で新築一戸建マイホームを購入するパターンです。
選ぶ新築一戸建マイホームの価格は1馬力なら3,000万円~4,000万円、共働きなら5,000万円~6,000万円がボリュームゾーンです。当然ながら、キャッシュで一括購入は出来ないのでローンを組むことになります。
多くの方が頭金を数百万円、残りを35年住宅ローンという選択をします。ここで考えるのが固定金利か変動金利どちらを選択するかということです。
この選択によって、返済計画は大きく変わる可能性があるからです。そして、返済計画が変わるということは、人生の進路も大きく変わる可能性があるということです。
・固定金利について
・変動金利について
・どちらを選択すればよいか
今回は私の考えを交えながら、この3点について考えてみたいと思います。
固定金利か変動金利か
どちらの金利を選択するかを考えた時、考えるポイントは2つです。
・総額でどちらの方が多くなりそうか
・月々の返済額はどちらが多くなりそうか
この2つを考えて住宅ローンを組む必要があります。総返済額が少なくても、月々の返済計画に無理があれば、総返済額が高くなっても、月々の返済が楽な方を選択する必要がある、ということです。
固定金利と変動金利のどちらがお得かということは分かりません。今後の住宅ローン金利がどうなるかは誰にも分からないからですね。
固定金利
固定金利は貸す側(銀行側)がリスクを負う貸付です。
・返済額が変わらない
・借りる際の変動金利と比較して高め
このような特徴がありますね。返済総額がバチっと計算できるので、返済計画が立てやすく、計画通りに行けば金銭的にも精神的にも楽なのがメリットです。
変動金利
変動金利は借りる側(住宅購入者)がリスクを負う貸付です。
・借りる際の固定金利と比較して安め
・半年ごとの金利見直し(額は5年ごと)
・見直し後の上昇幅は最大125%まで(繰り越されるだけなので、上昇分は払わなけばならない)
変動金利はローン返済のシミュレーションをした場合、総額が低く出る傾向にあります。
今後も金利上昇しない方にベットするのであれば、変動金利の方がお得ですね。
3,500万円を35年ローンで返済する場合
新築一戸建て価格のボリュームゾーンである3,500万円を35年ろーんで組んだ場合のシミュレーションは以下のようになります。
【固定金利1.3%・元利均等返済】
毎月返済額 10.3万円
総返済額 4,359万円
【変動金利35年・平均0.6%・元利均等返済】
毎月返済額 9.3万円
総返済額 3,882万円
【変動金利35年・平均3%・元利均等返済」
毎月返済額 13.5万円
総返済額 5,658万円
固定金利1.3%にした場合、35年での利子支払額は859万円、変動金利で金利が3%まで上昇した場合、利子支払額は2,158万円になります。
住宅ローンを組む場合、この振れ幅のリスクを取れるのかを保守的に考える必要がありますね。
ここ10年間は超低金利で推移していますが、今後どうなるかはわかりません。
・低いままだから上がらない
・低いから上がるしかない
どちらになるかは誰にもわからないですね。
属性を活かすなら固定金利
住宅ローンは公務員や大企業勤務の安定した給料の属性を活かすのであれば、固定金利にしておくのがリスク分散の観点からもメリットが上回っていると私は考えています。
・先のわからないことに対してはリスクを分散しておく
・結果が同じであれば、分散している方を選択する
住宅取得という結果はどちらの金利を選んでも同じであれば、固定金利の方がリスクは軽減されるからですね。
・給料が安定している
・身分保障
・リストラの心配がそれほどない
このような属性から考えても、金利でギャンブルする必要はないということです。同じリスクを取るなら、勝算の高い株式の長期投資で取るべきなのが本質的だということです。
YOHの考え
今回は住宅ローンについて考えてみました。住宅ローンで頭に入れておくことは、金利の性質の違いです。
・固定金利・・・貸す方がリスクを負う
・変動金利・・・借りる方がリスクを負う
この2つの性質の違いを理解しておく必要があるということです。その上で、給料が安定しているのであれば、借りる方が無理にリスクを負う必要が無い、というのが私の考えです。
しかし、私が住宅ローンを組むのであれば、変動金利を選択します。金利上昇したらローンは一括返済すればいいと考えるからですね。
・無理のないローンを組む(借入金は2,000万円前後)
・キャッシュを厚めに持つ
変動金利の金利上昇リスクにはこの2点を満たしていれば、比較的容易に回避できるからですね。
ずばり言ってしまえば、住宅ローンとはこのような自分の世帯で対応できる範囲で組むものだということです。そして、返済計画に無理がなく、お金がある方が有利な選択をできるということです。
・年収の6~8倍
・ボーナス返済
このような住宅ローンの組み方はおすすめできないということですね。
住宅ローンを組む際に重要なのは、固定か変動かと言うことではなく、金利のリスクに対する備えができているかということです。
無理のない金額のローンとキャッシュによって、リスクへの備えが出来ているのであれば、有利な状態で金利選択をすることができるということです。
無理のない借金とキャッシュを厚めに持つことは、多くのリスクを軽減してくれるということです。
住宅購入というのは人生における最大の買い物と言われるだけあって、金額は何千万となります。そのため、排除できるリスクは減らしておく必要があります。
そして、金額の大きい買い物であるからこそ、金利選択によって、返済額に何百万円という差が生まれることも多々あります。
実際に、固定金利と変動金利を選択するのは各世帯によって正解は異なります。そして、どちらが正解だったのか分かるのは長い先のことになります。
大切なのは、どちらを選択したにせよ、何か起こった場合のリスクにしっかりと対応できる状況にあることです。
そのリスクに対応できないような金利選択はするべきではないと私は考えています。
ご覧いただきありがとうございました。
住宅購入とは不動産投資です。マイホームを購入すると、ポートフォリオが不動産に大きく偏ってしまうことになるということです。
公務員は給料が安定しているので、住宅ローンを大きく組んでも問題ない、という時代は終わりを迎えつつありますね。
持ち家であれば住宅手当が出ないケースが一般的ですね。住宅購入はその辺りも含めて考える必要がありますね。