米国株投資
私は資産運用の中心を米国株投資に置いており、その多くは投資信託とETFで保有しています。割合的には投資信託が多いですね。
・購入を自動ですることができる
・管理の手間がかからない
投資信託が多い主な理由はこの2つですね。しかし、米国株投資をしている方の中には、ETFをドル建てで購入している方も非常に多いですね。ドル建てETFとは、VOO、VT、VTIのような金融商品のことです。
・経費率の安さ
・ドル資産を持つことで分散投資できている
・分配金を定期的に得ることができる
ETFを中心に米国株投資をしている方はこれらのことに魅力を感じているということですね。しかし、ETFをドル建てで保有することはある程度の手間がかかります。
・円をドル転する
・外国税額控除を使った還付申請
我々は日本人である以上、基軸通貨が円のため、自国以外の通貨で資産運用することは、このような手間がかかるということです。
利益を最大化するためには外国税額控除は欠かせません。しかし、現在の投資環境では、円建てで米国株式ETFを購入することができます。
・円建てETFとドル建てETFの違いについて
・円建てETFを保有するメリットについて
今回はこの3点から円建てETFを保有するメリットについて考えてみたいと思います。
東証上場ETF
今は、米国株投資の環境が非常に良くなっており、ドル建てでETFを購入するという選択肢を取ることができます。VOOやIVV、SPYなどのS&P500に連動するETFは円建てで購入できる東証上場投資信託があるからですね。
・2558 MAXIS米国株式ETF
・1655 iシェアーズS&P500米国株式ETF
この2つは共に対象指数をS&P500としており、VOOと大きな違いはありません。日本円で購入して保有することができますが、実際にはドル建てでVOOを購入しているのと違いはないということです。
・ドル転する手間がかからない
・外国税額控除を使う必要が無い
2558や1655がVOOと比較して優れている面はこの2点です。逆に、経費率や純資産額ではVOOの方がパフォーマンスがよいですね。
・2558 経費率0.08% 純資産額 250億円
・VOO 経費率0.03% 純資産額 32.5兆円
この違いと手間をどのように考えるかということですね。
円建てETFを保有するメリット
円建てETFを保有するメリットは主に2つあります。
・為替の影響を考慮しなくともよい
・外国税額控除が必要無い
この2点がドル建てETFと比較した場合のメリットとなります。順番に触れていきます。
為替の影響を考慮しなくてもよい
円建てETFのメリットひとつ目が「為替の影響を考慮しなくてもよい」ということです。ドル建て資産の特徴として挙げられるのが為替の影響を受けるということです。VOOで言えば、対ドル円の影響を受けることになります。
・VOOの基準価格 362ドル(2022年9月15日時点)
・1ドル100円であれば、36,200円で1単位購入
・1ドル144円であれば、52,128円で1単位購入
このように、VOOの基準価格は同じであっても、ドル円の状況によって、購入価格が大きく変わることになります。一方で、2558のような円建てETFはその影響を考慮する必要はありません。
このように、2558は日本円で取引ができるため、為替による購入価格のブレがなくなるということです。
・価格変動リスク
・為替リスク
ドル建てETFはこの2つのリスクに晒されていますが、円建てETFは為替リスクに関しては考えなくともよいということです。
外国税額控除が必要無い
円建てETFのメリット2つ目が「外国税額控除が必要無い」ということです。東証上場ETFのメリットとして非常に大きいのが、外国税額控除の手間がかからないということです。
仕組みは少々ややこしいですが、証券会社が自動で行ってくれると考えておいてよいですね。そのため、確定申告の手間が省けるということです。
一方で、ドル建てで購入する外国株式は利益を最大限にするためには、外国税額控除を申告する必要があります。
・利益確定の税金が20%かかる
・外国税額控除をするので確定申告が必須
そのため、この2点を考える必要があるということです。
※外国税額控除の計算式はこのようになるため、所得がない場合は控除を使うことはできません。
・所得税×外国所得総額/所得総額=所得税の控除限度額
YOHの考え
私は資産運用はシンプルに行う、というのが資産形成におけるスタンスです。そのため、手間がかかることはなるべくしないようにしています。そのため、円建てETFについては非常に魅力的な金融商品だと感じています。
・円をドルに換える
・値動きを見て購入する
このようなことは、よほどのことがない限りしないということですね。それよりも、手間がかからず精神的に負担のかからない手法を取るということです。しかし、円建てETFとドル建てETFを比較した場合、どちらに安心感があるかと言えば、ドル建てETFと考える方が多いことは肌感覚でわかります。
・時価総額
・経費率
・運用実績
このようなことで、VOOは2558や1655に対して大きな優位性があることは明らかです。要するに万人受けするメジャーな金融商品だということです。
そして、円建てETFを購入することは手間がかかりません。手間をかけないということは、利益を最大化できないということです。ETFと投資信託を比較した場合、ドル建てETFの方がランニングコストがかからないことは数字の面から見ても明らかです。
そのため、2558や1655のような東証上場ETFは投資信託とドル建てETFの中間に位置している金融商品という捉え方でよいというのが私の印象です。
・ランニングコストは投資信託よりも安い
・投資信託購入よりも手間がかかる
東証上場ETFはこのような性質をもっているということです。円建てで購入できることが何よりの魅力です。そのため、円建てETFに資産投下するのであれば、ドル建てETFは購入機会が非常に限られてきます。
・米国個別株
・セクター別ETF
このような金融商品に資産投下する場合だけ、ドル建てで購入し保有する必要があるということです。しかし、インデックス投資で考えると、個別株やセクター別ETFに資産投下するのは、趣味の領域になってくるということです。
・王道の投資信託で使い切る
・5万円ほどを投資の軸にしている投資信託やETFを購入
・さらにお金が余っているなら、サテライト的に個別株やセクター別ETFを購入する
セクター別のドル建てETFを購入するのは、このようなサテライト的に持つぐらいでちょうどよいのでは、というのが私の考えです。
2558や1665のような円建てETFは時価総額は大きくありませんが、非常に優れた金融商品である、というのが私の印象です。しかし、誰しもにとって投資対象として適切かと言われればそうではありません。
・利益の最大化を目的としている
・ドル建て資産を保有しておきたい
・時価総額や伝統のある金融商品の方がよい
このような方にとっては向かない金融商品だということです。私自身は円建てETFはドル建てETFよりも投資対象として適切で保有する意味は大きいと考えています。
ご覧いただきありがとうございました。
資産形成で大切なのはアセットアロケーションです。長期投資においては、アセットアロケーションが投資のリターンに大きく影響するからですね。fire-money.hatenablog.com
公務員や会社員の投資は非課税枠を使い切ることが第一です。株式投資は短期投資、長期投資に関わらず、iDeCo、NISA枠を使い切ることからはじめるのがよいですね。
ドル建てETFにはIYRのような不動産ETFがあります。IYRはSBI証券や楽天証券では手数料無料で買い付けることができます。