iFreeレバレッジNasdaq100(2869)について
2022年11月16日に大和アセットメント株式会社が取り扱ってるETFの「iFreeレバレッジNasdaq100(2869)」が東京証券取引所で取り扱われることになります。
Nasdaq100をベンチマークとしている東証上場のETFには2840(為替ヘッジ無し)や2841(為替ヘッジ有り)、2842(ダブルインバース)などのETFはありますが、レバレッジをかけたETFは初登場となります。
Nasdaq100自体は米国のハイテク株を中心に構成されており、非常に人気のある指数で、それらをベンチマークとしている金融商品も人気のあるものが多いですね。
そして、そのNasdaq100にレバレッジをかけた金融商品というのも、その値動きの大きさから多くの投資家から資金を集めています。Nasdaq100にレバレッジをかけた投資信託やETFはレバナスと言われています。
そのレバナスが東京証券取引所に上場するということは、日本時間にリアルタイムに円建てで取引をすることができるようになるということです。
・iFreeレバレッジNasdaq100(2869)について
・iFreeレバレッジNasdaq100の注意点について
・iFreeレバレッジNasdaq100は資産投下に値するか
今回はこの3点について考えてみたいと思います。
iFreeレバレッジNasdaq100(2869)について
iFreeレバレッジNasdaq100(2869)についての基本情報を確認していきます。
・対象指数 Nasdaq100レバレッジ指数
・分配金 年2回(3月、9月)
・信託報酬 0.825%以内
・為替ヘッジ有り
基本情報はこのようになっています。最も大きな点は、レバナスを円建てでリアルタイムで取引することができるという点です。
・QLD(SBI・楽天・マネックス証券で取扱い無し
・TQQQ(SBI・楽天・マネックス証券で取扱い無し)
・iFreeNasdaq100レバレッジ(投資信託)リアルタイムで取引できない
レバナスの金融商品はこのようなものがありますが、いずれも使い勝手が悪いことがネックでしたが、iFreeレバレッジNasdaq100(2869)は東京証券取引所で売買が可能なので、容易に取引することができるのが一番大きなポイントと言ってよいですね。
分配金は年2回あるようですが、Nasdaq100自体が成長性を重視しているハイテク企業が中心のため、それほど期待はできません。
そして、信託報酬については、0.825%とETFとしては高めに設定されていることは頭に入れておく必要がありますね。
iFreeレバレッジNasdaq100(2869)の注意点について
これまで投資環境が整っていなかったレバナスへ容易に資産投下することができるiFreeレバレッジNasdaq100(2869)ですが注意点を頭に入れておく必要があります。
そのため、既存の金融商品として取り扱いされているiFreeレバレッジNasdaq100(投資環信託)の状況を基に確認していきます。
iFreeレバレッジNasdaq100(投資信託)は比較的新しい金融商品で設定開始日は2018年10月18日となっています。そこから2022年4月までのパフォーマンスを確認すると以下のようになっています。
注目すべきは2019年~2021年の運用パフォーマンスですね。年間収益率が最も高い2020年は91.4%という驚異的なパフォーマンスを出しています。単純に見れば、資産が倍近くになっているということです。
そして、パフォーマンスが最も低調な2022年を見ても、年間収益率はマイナス39.9%であることを考えると、上昇している年の方が大きく資産を増やしていることから、トータルでは大きく含み益を出しているように感じます。
こちらはNasdaq100にレバレッジをかけていない「 iFreeNEXT NASDAQ100インデックス」の運用パフォーマンスですが、その差は一目瞭然ですね。レバレッジをかけていた方が年間収益得率の動きの幅が大きくなっているということです。
そして、その動きの幅は2倍以上になっていることがわかります。これはレバレッジをかけた金融商品の宿命と言えるものですね。
レバレッジ系の金融商品の指数が一方的に上昇した場合、上の図のように上昇幅以上のパフォーマンスを出すことになります。これは、日ごとに基準価格が更新されていくため、上昇局面においては日ごとに元本が大きくなるからです。
そのため、指数が一方的に上昇すればとんでもない運用パフォーマンスを出すということです。しかし、下落局面においては注意が必要です。
このように一方的に下落していく場合は、指数の下落率以上に価値が落ちていくということです。そして、いったん下落してしまうと、元の基準価格に戻すには下落率以上の上昇率を出す必要があるということです。
そのため、一旦大きく下落してしまうと、その後によいパフォーマンスを出していても元本復帰することが難しいという特徴があるということです。
YOHの考え
2022年11月16日に東京証券取引所に新規上場するiFreeレバレッジNasdaq100(2869)について触れてみました。
この金融商品は、レバナスへの投資環境を非常に容易にしてくれる使い勝手のよいETFであると私は感じています。
・QLD(SBI・楽天・マネックス証券で取扱い無し)
・TQQQ(SBI・楽天・マネックス証券で取扱い無し)
・iFreeレバレッジNasdaq100(投資信託)
このような金融商品はレバナスに資産投下することを考えると使い勝手が非常に悪いからですね。
レバナスに限った話ではないですが、レバレッジ系金融商品というのは、長期投資や積立投資には不向きな金融商品です。一度元本毀損してしまえば原点回帰するのに下落幅以上の上昇を必要とするからです。
このグラフではレバレッジをかけた方が運用パフォーマンスはよいように感じますが、実際にレバナスに資産投下したお金はこのような動きにはならなず、長期投資には不向きだということです。
レバナスで資産形成をしようと考えるのであれば、はっきりとした上昇局面の時のみに資産投下して、下落局面になれば利益確定をすることが基本となります。
そのため、リアルタイムの値動きに対して資産投下することができないiFreeレバレッジNasdaq100(投資信託)はレバナスに資産投下するにはミスマッチな金融商品だということです。
そのような欠点を補ってくれるのがiFreeレバレッジNasdaq100(2869)だということです。
私がレバナスに資産投下するのであれば、iFreeレバレッジNasdaq100(投資信託)ではなく、iFreeレバレッジNasdaq100(2869)を選ぶことは間違いないと言ってよいですね。
レバナスの特性と円建て、日本時間にリアルタイムで取引できるという特性は極めて相性がよいからです。そのため、レバナスに資産投下したいのであれば、選択肢の一番に挙げてよい金融商品だということです。
しかし、誰しもにおすすめできるETFであるかと言えばそうではないですね。その理由は値動きに応じて取引をする必要があるからです。ずばり言ってしまえば、保有し続けているだけで資産増加させてくれるETFとは言い難いということです。
iFreeレバレッジNasdaq100(2869)については、資産投下には値するETFではあるが、万人におすすめできるETFではないというのが私の印象です。ご覧いただきありがとうございました。
万人におすすめできる東京証券取引所に上場するETFとしては2558や1665が挙げられます。こちらはレバレッジをかけていないETFですね。
今回出てきている iFreeレバレッジNasdaq100(投資信託)と同系統の金融商品として楽天レバレッジNasdaq100がありますね。それについてはこちらで記事にしています。
レバレッジをかけた金融商品に資産投下する際はその特性をよく理解しておく必要があります。指数が2倍になっても資産が2倍になるわけではないのがレバレッジをかけた金融商品の特徴です。