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カバードコール戦略と高配当株投資はどちらがよいか

カバードコール戦略と高配当株投資

 資産運用していく中で、一定の期間ごとにある程度のインカムを得たい場合に取る投資手法として、カバードコール戦略と高配当株投資があります。

 ・カバードコール戦略・・・QYLD(Nasdaq10)、XYLD(S&P500)などのETF

 ・高配当株投資・・・SPYD、VYM、個別株

 ザックリと分ければ、カバードコール戦略と高配当株投資はこのような金融商品に資産投下する必要があります。

 どちらも一定期間ごとに分配金を出しており、インカムゲインを重視する投資スタイルを取っている投資家にとっては資産投下対象となり得る金融商品です。

 どちらの金融商品が優れているということはなく、どちらも長所と短所があるのですが、長期投資家と相性がよい方はある程度決まっています。

 今回は、この2つの投資手法の特徴を踏まえて、長期投資家にはどちらが向いているかについて考えてみたいと思います。

カバードコール戦略

 カバードコール戦略とは、株式などを保有しつつ、コールオプションを売る戦略です。保有する原資産については、権利行使価格以上の値上がりを放棄する対価としてオプションプレミアムを受け取ることができます。

 通常のETFの場合、企業の配当金からランニングコストが引かれたものが投資者に分配される仕組みです。

 しかし、カバードコール戦略を取っているETFは特定の銘柄を買う権利を売って、利益を上げる仕組みを取っているというこです。利益を先取りしているといのがしっくりくる表現です。

 ・指数が下がった時にも利益を出すことができる

 ・指数が暴騰した時はそれほど利益を上げることができない

 カバードコール戦略で抑えておきたいポイントはこの2点です。一番の特徴は指数が下がった時でも利益を出せるということです。これはコールオプションによって、利益の先取をしているからですね。

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出典 SBI証券

高配当株投資

 高配当株投資は利回りの高い個別銘柄を選んで資産投下していく投資手法です。

 ・高配当株銘柄を見つけ出して資産投下する

 ・購入した高配当銘柄をホールドし続ける

 これが高配当株投資と言えばそうではありません。ここには大きな前提条件が抜けているからですね。

 ・できる限り減配しない企業であること

 ・配当性向に無理がないこと

 ・有利子負債が少ないこと

 高配当株投資で資産投下する企業はこれらの前提条件を満たしておく必要があります。

 ・不景気になっても配当金額が一定

 ・好景気になっても大きな増配はせず、不景気時に備えている

 このような企業に資産投下するのが高配当株投資です。このようなことから考えると、高配当株投資は利回りを先に決めることができる投資手法だということです。

 ・500万円を利回り5%で運用したい

 ・10年間年利4%で運用したい

 このような目標に対して利回りを自分で調整することができるのが高配当株投資だということです。

 ・○○万円を年利5%で運用したら○○万円になった

 このような予測が立てやすく、将来の目標額が決まっている際に力を発揮するのが高配当株投資だということです。

カバードコール戦略と高配当株投資を比較した場合

 カバードコール戦略と高配当株投資を比較した場合、長期投資家と相性がよいのはカバードコール戦略だと私は考えています。

 ・銘柄分散が十分にできている

 ・成長企業に投資して分配金を得ることができる

 この2つが高配当株投資よりも優れているからですね。順番に触れていきます。

銘柄分散

 カバードコール戦略が高配当株投資よりも優れている点のひとつ目として「銘柄分散が十分にできている」ことが挙げられます。

 カバードコール戦略は特定の指数に連動するベンチマークを採用しているので、銘柄分散が非常に効いています。

 ・QYLD(Nasdaq100) 約100銘柄

 ・XYLD(S&P500) 約500銘柄

 ひとつのカバードコール戦略ETFを購入するだけで、これだけの分散効果を得ることができるということです。XYLDなどはS&P500をベンチマークとしているので、約500銘柄と多くの銘柄に分散投資できていることがわかります。

 一方で高配当株投資ではそれほどの分散投資をすることはできません。

 ・SPYD 80銘柄

 ・VYM 400銘柄

 ・HDV 70銘柄

 米国株で有名な高配当ETFの銘柄数を確認するとこのようになっています。(VYMは400銘柄と銘柄数自体は多いですが、セクターの偏りが非常に大きいです。)

 そして、自分で日本の高配当銘柄を抽出してポートフォリオを作る場合になると、多くても50銘柄が限界です。それ以上になると、とてもではありませんが管理することができません。

 このような考えると、高配当株投資で銘柄分散することができるのは多くて70~400銘柄ほどになります。これは、SPYD、VYM、HDV全てに資産投下すればもう少し増えるでしょうが、管理の面、分散性から考えても、カバードコール戦略のには及ばないということです。

出典 マネックス証券

成長企業に投資して分配金を得ることができる

 カバードコール戦略が高配当株投資よりも優れている点の2つ目として「成長企業に投資して分配金を得ることができる」ことが挙げられます。

 ・SPYD 

 ・VYM 

 ・HDV 

 このような高配当ETFは銘柄分散も少ないのですが、それ以上にセクター分散が十分ではなく、特に情報技術系のセクターを多く組み入れることができない、というデメリットが存在します。

 ・金融 22.4%

 ・ヘルスケア 13.2%

 ・生活必需品 12.5%

 ・資本財 10%

 ・情報技術 9.2%

 400銘柄に分散投資しているVYMの構成セクターを上から順番に見ていくとこのようになっています。成長性著しい企業を十分に含んでいるとは、言い難いセクター構成になっているということです。

 SPYD、HDVなどはさらに情報技術セクターの構成比率は低く、両方とも6~7%ほどに留まっています。

 一方でQYLD、XYLDといってカバードコール戦略ETFは成長性のあるセクターを十分に含んでいます。

出典 paypayアセットマネジメント株式会社

 左のNasdaq100を確認すると、情報技術セクターが44%、コミュニケーションサービスが29%と成長性の高いセクターを十分に含んでいることがわかります。

 右のS&P500のグラフを見ても、情報技術セクターが26%、コミュニケーションサービスが16%と約40%が成長性の高いセクターを含んでいることがわかります。

 もちろん、成長性の高いセクターを含んでいるから優れているというわけではありませんが、分配金を出しつつ、投資対象自体の価値を高めていくということは、高配当株投資よりも優れている特徴ということです。

大切なのはバランス感覚。人によって相性は異なるので両方を検討する必要がある。

YOHの考え

 カバードコール戦略と高配当株投資を比較した場合、長期投資家と相性がよいのはカバードコール戦略だと私は考えています。

 ・銘柄分散が十分にできている

 ・成長企業に投資して分配金を得ることができる

 この2点でカバードコール戦略が高配当株投資よりも優れていると感じるからですね。しかし、全体的に見てカバードコール戦略が高配当株投資よりも優れているわけではありません。

 ・市場の上昇局面

 ・特定銘柄の成長や増配

 このようなことは高配当株投資の方が優れていることは間違いなからですね。特に、株式市場の上昇局面においては、カバードコール戦略は高配当株投資に大きく劣後することになります。

 ・指数が下がった時にも利益を出すことができる

 ・指数が暴騰した時はそれほど利益を上げることができない

 カバードコール戦略にはこのような特徴があるからです。カバードコール戦略は下落局面でも分配金を出せるようにコールオプションをしているため、上昇局面においてはそれほど成果を出せないディフェンシブな設計をしているということです。

 カバードコール戦略と高配当株投資にはそれぞれに特徴があり、自分自身に合う方を選択するか両方を実践するなど、自分の投資スタイルに合わせてバランスを取る必要があるということです。

 ご覧いただきありがとうございました。

 カバードコール戦略についての詳細はこちらで記事にしています。

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カバードコール戦略とVOOの比較についてはこちらで記事にしています。

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 高配当株投資についてはこちらで記事にしています。私は公務員や会社員と高配当株投資は相性が悪いと考えています。

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