FIRE
2024年に入って思うことは、ひと昔前ほどFIRE(経済的独立・早期退職)という言葉を耳にする機会が減っているということです。
2019年から2021年は株式の上昇相場の影響によって、大きく資産を増やしたことと、コロナ禍によって働き方が大きく変化したことによって、FIREという言葉がもてはやされていました。
・コロナ禍の終息
・記録的な円安
しかし、2024年に入ってからは、このようなことによってFIREブームが一服しているように感じます。
目指す方の勢いは過去と比較するとそれほどない、というのが私の印象です。
私自身はどちらかと言えば、FIREについては否定的なスタンスです。
働けるのであれば、働いていた方がよいという考えですね。
そこには「働くことは人生を豊かなものにしてくれる」という確信があるからですね。
・働くことは人生を豊かなものにしてくれる
・充実した人生を送るには仕事はかかせない
今回は働くことについて、この2点を中心に触れてみたいと思います。
働くことは人生を豊かなものにしてくれる
私は地方都市の救急隊員として働いていますが、現状にそれほど不満はありません。
・労働環境はホワイトとは言い難い
・休みはそれほど多くない
・有給休暇を全て消化することはできない
・給料は平均から逸脱することはない
このような平凡な環境で働いていますが、FIREを目指そう思わないということです。(実際には金銭的な面からFIREは不可能ですが・・・)
その理由として大きいのは、やはり仕事で得ることのできる充実感というものがあるからですね。
充実感と言ってもそれほど特別なものではありません。どこにでもありふれているような物事です。
・救急搬送した方からお礼の手紙を頂いた
・救急車で通常走行中に親子連れのこどもが手を振ってくれた
具体的にはこのようなことですね。このようなことは、救急隊員として働いていなければ得ることができない充実感をもたらしてくれるということです。
私が救急の仕事で感じることは、見られて覚えられる立場にあるということです。
救急隊員にとって、救急出動というのは日常の仕事で当たり前のことですが、多くの人にとって、119番通報をして救急車を呼ぶことは非日常です。
そのため、救急搬送された方というのは、関わった救急隊員を覚えていることが多々あるのですね。
私が近所のスーパーで買い物をしている時に、「この前救急搬送してくれた救急隊員の方ですか?」と声をかけられたことが何度かあります。
このような時というのは、嬉しくもありつつ、複雑な気持ちになりますね。
・搬送した方が元気になっていることが嬉しい
・印象に残っていることが嬉しい
このような嬉しい気持ちがあるのですが、私自身は救急搬送した方の顔を覚えているということはまずありません。
先にも述べたように、救急隊員にとっては救急搬送は日常業務でそれほど印象的なことではないからですね。
しかし、その日常的な業務でプライベートな時にまで感謝の言葉を頂くことは、仕事をしていなければ味わうことができない自己満足であり、その充実感は確実に人生を豊かなものにしてくれているということです。
YOHの考え
私は働くことは人生を豊かなものにしてくれると確信しています。
そして、それはどのような仕事であっても同じですね。
・サラリーマン
・フリーランス
・公務員
どのような仕事であっても同じだということです。
そして、仕事における充実感を感じる部分は人によって異なります。
・高い給料
・職場内で評価を受ける
・出世する
このようなことで充実感を得ることができる方がいるということです。
むしろ、このような目に見える形の方であったり、他人との対比によって仕事における充実感というのは得やすいのかもしれません。
今の時代に合った働き方というのは、2つのパフォーマンスが重視されています。
・タイムパフォーマンス
・コストパフォーマンス
この2つが非常に働き方に影響しているということですね。
・同じ成果を得るのであれば、時間は短い方がよい
・同じ成果を得るのであれば、労力は少ない方がよい
このような考え方が仕事において主流となりつつあるということです。
私自身もこのようなタイパ、コスパを重視する働き方の否定はしませんが、そこには仕事の充実感を伴う必要があると考えています。
・タイパ、コスパだけを追い求めて仕事の充実感が無い
このような働き方はしてはいけないということです。
仕事以外の時間というのは人生にとって欠かすことができないものですが、その時間が長ければ長いほど良いものかと言えば、そうではないですね。
・こどもとの時間
・家庭の時間
・自分の時間
このような時間は、仕事の合間にある限られた時間であるからこそ、大切に使うようにするということです。
仕事をしていなければ、このような特別な時間が当たり前の時間となり、大切にできなくなるかもしれないということです。
私の好きな作家である山崎豊子さんの小説に出てくる登場人物は、人生の全てを仕事に捧げるような生き方をしています。
・不毛地帯の壹岐正
・沈まぬ太陽の恩地元
・華麗なる一族の万俵鉄平
彼らは、正にFIREとは真逆の人生を歩んでいるということですね。しかし、彼らは物語の中で非常に生き生きと充実した人生を送っています。
・FIREして悠々自適に暮らす
・好きなことだけをして生活する
彼らの生き方を考えると、SNSなどで見かける「若くしてFIREした」というような人生は、薄く価値が伴わないものと感じてしまいます。
私自身は好きなことだけをして人生を送るFIREよりも、日々仕事に対する葛藤と真摯に向き合い、立ち向かっていける人生を送っている彼らの方が何倍も羨ましいということです。
・仕事のことしか考えていない
・息つく暇もない
このような仕事にかける人生もまた素晴らしいことだということです。
私自身は性格的にそこまで仕事にウエイトを置いた人生を歩むことはできないでしょうが、仕事を中心とした充実した人生を送りたいとは強く思います。
そして、そのような人生を送るためには仕事によって、充実感を得ることが大切だと考えています。
ご覧いただきありがとうございました。
私自身は出世によって仕事の充実感を得ることができませんでした。出世を諦めた公務員がどのような形になるのかはこちらで記事にしています。
人生の充実感を得るには、成長を感じることは大切です。私は10年日記をつけて過去の自分を振り返るようにしています。
お金があるから充実した人生を送ることができる、とはならないですね。