社会人の出世への考え方
現代では働き方が非常に重要視されるようになってきています。ひと昔前まではそうではありませんでした。とにかくあくせくとすることが良しとされていたということです。
・残業することは頑張っている証
・勤務時間前に働くことは当然
・休みの日でも仕事の電話に対応しなければ悪
もちろん、このようなことは今でも無くなってはいませんが、見直されつつあるいうことです。
・リモートワーク
・フレックスタイム
・各種休暇の取得
このようなことが急速に広がりつつあると感じています。そして、このような働き方が重視される社会となっている中で言われるのが「若者の出世離れ」です。
・出世するよりも自由時間の確保
・出世よりも他の役立つスキルを身に付けたい
このように考える社会人が増加しているということです。そして、そのような考え方は公務員にも広がりつつあります。
・公務員の出世について
・出世を諦めた公務員はどうなるか
今回はこの2点について触れてみたいと思います。
出世欲のない20代は77%!出世したくない理由は「責任のある仕事をしたくない」がトップでワークライフバランスを重視する若者が増加傾向に|東晶貿易株式会社のプレスリリース
公務員の出世
公務員はあまり出世をしたがらない、ということは多くの人が聞いたことがあるのではないでしょうか。そして、実情から言わせてもらえば、それは半分正解で半分間違いです。
・ある職場では昇任試験の倍率が10倍以上
・ある職場では昇任試験の受験者を探さなければならないほど不足している
実情としてはこのような感覚です。そして、消防組織に限って言えば、上昇志向がある方が多いというのが私の印象です。
公務員が出世したがらない原因は待遇と給与面によるところが非常に大きいですね。
・出世して課長になっても管理職手当はごくわずか
・出世した分だけ仕事と責任が増加する
この2つを勘案した場合、割に合わないと考える公務員が非常に多いということです。そして、それは消防組織でも例外ではありません。
・出世して階級を上げても給料に反映されない
・階級が上がった分、上からだけではなく、下からも評価を受ける
このようなことが付きまとうということです。しかし、消防組織では昇任して出世しようと考える方は非常に多いのですね。
その理由はお金では測れないものに価値を見出していることにあります。
出世してお金以外で得ることができるもの
公務員が昇任して出世した場合、お金や労働環境面以外で得ることができるものが少なからずあります。
・自分の意見が通りやすくなる
・下から一目置かれる
・気遣われる立場になる
ざっくりと言ってしまえばこのような事柄です。ここにお金や労働環境以上に価値を見出している方というのは少なからずいます。そして、このような方は出世に対するモチベーションは非常に高いですね。
・昇任試験を何回落ちても受験し続ける
・昇任するために過酷な労働環境でも我慢する
このようなことを受け入れてまで出世に対して貪欲になるということです。
YOHの考え
私は20代後半まではある程度出世欲のある公務員として働いていました。しかし、ある時を境に出世欲がほぼ無くなったと言ってよい状態になりました。
出世欲が無くなった状態で、惰性で受けた昇任試験を運よくパスして救急隊長になりましたが、今考えるとそれほどよい選択であったとは言えないですね。
・人員管理能力
・調整能力
管理職として働くとこのようなことは身に付きますが、救急隊員としてのスキルはそれほど上昇するわけではありません。そして、同然ながら給料や休みが増えるわけでもありません。
私自身は消防職員として給料や職場環境にそれほど不満がないので、給料が今の立場に見合っていないほど低いと思うことはありませんが、これ以上出世しようとは思いません。
・職場内政治
・仕事以外での働きを求められる
今以上の出世を考えるのであれば、このようなことにある程度の時間と手間をかけて、精を出す必要があるからですね。そして、このようなものは誰にとっても無意味で無価値です。
私は出世を諦めた公務員ですが、その状況はそれほど悪いものではありません。もちろん、給料が上がればよいと思いますし、休みがもっと欲しいとも思います。しかし、仕事内容には概ね満足しており、仕事や立場が嫌なわけではないということです。
自分で言うのもなんですが、救急隊長という中間管理職的ポジションが自分には最も適しているということですね。
・並外れて上昇志向が強い
・出世こそ命
このような価値観を否定する気はありませんが、組織というのは上に行くに従ってポジションというのは限られてきます。そのため、人生を出世競争に捧げたからといって、誰しもが報われるわけではありません。いや、むしろ報われない方の方が多いですね。
・家族との時間
・友人との時間
・趣味の時間
このようなものは確実に自分の人生に彩を与えてくれます。かけた時間、かけた手間と比例して人生を豊かなものにしてくれます。出世とこのようなもの、どちらが大切であるかは言うまでもありません。出世を諦めても人生の幸せには全く影響がないのだと、私は考えています。
ご覧いただきありがとうございました。
私が仕事の価値観を変えることになったのは、地方都市への出向です。今思えば、本当に行ってよかったと感じています。
仕事は捧げた分だけ見返りが保証されるわけではありません。付き合い方は人それぞれですね。
仕事でとにかく耐える、というのは通用しなくなっています。時代は確実に変化しているということです。