YOH消防士の資産運用・株式投資

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暴落から見るレバレッジ系金融商品への資産投下について

米国株式市場の低迷

 2022年5月時点で米国株式市場は非常に大きな下落局面の中にあります。8週連続のダウ平均株価の最長続落を記録しており、9連続というのは算出がはじまってから1度も経験していません。

 8週連続というのは、1932年の世界恐慌と今回だけだということです。今回の8週間の下落は3,600ドルに達しています。

 もし、6月まで下落が続くのであれば、米国株式市場は歴史上最も長い株安を経験することになります。

 ・利上げ

 ・インフレ

 ・ハイテク株の成長鈍化

 ・老舗企業の決算が芳しくない

 ・景気後退懸念のはじまりを警戒している

 このようなことが下落の原因とされていますが、実際のところ株式市場下落の要因は非常に複雑です。株式市場は様々な要因が絡み合って形成されているため、はっきりとした低迷の理由を探し出すことは誰にも分からないからですね。

出典 毎日新聞

インデックス投資家の心の拠り所は米国株式

 このような状況でインデックス投資家は我慢の展開を迎えているということです。

 ・全世界株式

 ・全米株式

 ・S&P500

 ・Nasdaq

 インデックス投資家にとっての資産形成の拠り所はこのような指数です。インデックス投資の大前提は長期的に右肩上がりの指数に資産投下することで、それに最も適しているのがこの4つの指数だからですね。

 長期的に見て右肩上がりの指数というのは他もにありますが、成長、持続、安定といったことを考えるのであれば、米国株式市場に資産投下するのが最も無難で簡単だというのが多くのインデックス投資家の意見だということです。

選択する金融商品は個人差がある

 インデックス投資家は米国株式をコアとしていますが、資産投下している金融商品は多種多様です。指数に連動する金融商品の数が非常に多いからですね。

 ・eMAXSIS Slim S&P500

 ・VOO

 ・SPXL

 ・1547

 S&P500をベンチマークとしている有名な金融商品を挙げてもこれだけ挙がります。全てを挙げると50本を超えるかもしれないですね。同じ指数に可能性を見出していても選択する金融商品には個人差が色濃く反映されるということです。

 しかし、基本的にはどの金融商品を選んでもパフォーマンスに大きな差が出ることはありません。長期投資の運用成績はアセットアロケーションによるところが非常に大きく、同じ指数に資産投下している以上、運用成績が大きく乖離することはないからです。

 しかし、同じ指数をベンチマークとしている金融商品でも運用成績に大きく差が出るものがあります。それが「レバレッジ系の金融商品」です。

出典 楽天証券

レバレッジ系の金融商品

 レバレッジ系の金融商品とは、ベンチマークとしている指数に対して倍の動きをするものです。

 ・楽天レバレッジNasdaq100

 ・iFreeレバレッジNasdaq100

 投資信託で言えば、このような金融商品が非常に有名ですね。上昇局面に対しては非常によいパフォーマンスを出すことから、一定の人気がありインデックス投資家でも資産投下されている方は少なくありません。

 ・上昇局面においては短期間で大きく資産増加させることができる

 ・下落局面においては短期間で大きく資産減少してしまう

 レバレッジ系金融商品にはこのような特性があります。そして、レバレッジ系金融商品の最も大きなデメリットは毀損した元本は戻りにくいということです。

レバレッジは日ごと計算

f:id:fire-money:20211022193556p:plain

出典 日本株4.3ブル目論見書

 レバレッジは先物取引をしている性質上、日ごとに指数の倍の動きをするような商品設計です。そのため、指数が上下動をすると、元本毀損が大きくなります。

 ・1日目 100万円の株が10%下落 → 90万円

 ・2日目 90万円の株が10%上昇 → 99万円

 パフォーマンスが10%で同じでも、元本が減っているのが株式投資です。これにレバレッジをかけていると、元本毀損がより大きくなるのですね。

 ・1日目 100万円の株が10%下落(レバレッジ2倍) → 80万円

 ・2日目 80万円の株が20%上昇(レバレッジ2倍) → 96万円

 パフォーマンスだけ見ると、元に戻しているのですが、資産が大きく目減りしているのがレバレッジをかけた投資信託やETFの特徴です。

 指数のパフォーマンスが1年前から比較して40%上昇しているから、2倍のレバレッジをかけていれば、元本が80%増えている、とはならないのですね。

レバレッジは日ごと計算

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出典 日本株4.3ブル目論見書

 レバレッジは先物取引をしている性質上、日ごとに指数の倍の動きをするような商品設計です。そのため、指数が上下動をすると、元本毀損が大きくなります。

 ・1日目 100万円の株が10%下落 → 90万円

 ・2日目 90万円の株が10%上昇 → 99万円

 パフォーマンスが10%で同じでも、元本が減っているのが株式投資です。これにレバレッジをかけていると、元本毀損がより大きくなるのですね。

 ・1日目 100万円の株が10%下落(レバレッジ2倍) → 80万円

 ・2日目 80万円の株が20%上昇(レバレッジ2倍) → 96万円

 パフォーマンスだけ見ると、元に戻しているのですが、資産が大きく目減りしているのがレバレッジをかけた投資信託やETFの特徴です。

 指数のパフォーマンスが1年前から比較して40%上昇しているから、2倍のレバレッジをかけていれば、元本が80%増えている、とはならないのですね。

落ちる滝の流れに逆らうことはできない。ただ身を任せるしかない。

YOHの考え

 現在の米国株式市場の下落によってレバレッジ系金融商品は大暴落の真っただ中にいます。

 ・2021年11月22日 4.3万円(最高高値)

 ・2022年5月20日 2.1万円(現在基準価格)

 iFreeレバレッジNasdaq100の基準価格を確認するとこのようになっています。実に50%以上値を下げていることになります。しかし、基準価格の下落はどの金融商品でも発生していることで、そこに大きな問題はありません。

 レバレッジ系金融商品はハイリスクハイリターンで下落した分、上昇局面になると他の金融商品よりも大きな上昇が期待できるからですね。

 しかし、ベンチマークとしている指数が上昇を続けて元に戻ったからといって、自分の金融資産が元に戻るのではないということです。大幅な下落によって元本が大きく目減りしているからですね。

 ・レバレッジ系金融商品を1,000万円保有

 ・50%の下落によって評価額が500万円になる

 ・50%上昇して基準価格は元に戻るが、評価額は750万円にしか戻らない

 やや乱暴な説明ですが、このようなことになるということです。これはレバレッジ系金融商品に限った話ではありませんが、レバレッジ系金融商品はこの元本毀損の影響を非常に受けやすいということです。

 ※レバレッジ系金融商品でない場合は下落が25%となり、50%の上下動をすると評価額は937万円になります。

 このように考えると、レバレッジ系金融商品は扱いが非常に難しいということです。私自身はレバレッジ系金融商品は非常に魅力的だとは思いますが、資産投下はしていません。元本毀損のリスクが高すぎるからです。

 ・短期的に利益を取りに行く

 ・はっきりとした上昇局面を予想している

 このような場合に資産投下する金融商品だと考えています。私のような保守的で株式投資に時間をかけたくない投資家には向いていないということです。しかし、上手に使えば短期間で大きく資産上昇させる金融商品であることは間違いないということです。

 ご覧いただきありがとうございました。

 日本株へのレバレッジ系金融商品としてSBI日本株4.3倍ブルがあります。

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 私はレバレッジ系金融商品と同様に短期間で大きく資産増やせる方法としてはCFD取引がありますね。

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 指数が20%下落すれば弱気相場となりますが、レバレッジ系金融商品では10%の下落で弱気相場と同様の値動きをすることになります。

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