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【SBI証券人気投資信託】SBI日本株4.3ブルについて

SBI日本株4.3ブル

 SBI証券で販売されている投資信託に「SBI日本株4.3ブル」があります。2017年12月から取扱い開始され、SBI証券の投資信託販売ランキング3位に入っています。

 販売ランキング1位はSBI・V・S&P500インデックスファンド、2位はeMAXIS Slim 米国株式であることから、人気があることがわかります。

 投資信託のコンセプトとしては、日々、日本株式市場全体の値動きの4.3倍の値動きを目指すというものです。

 レバレッジをかけた金融商品は短期間で大きく資産を増やすことが期待できることから、多くの方に人気があります。

 今回は、このSBI日本株4.3ブルについて触れてみたいと思います。

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出典 SBI日本4.3ブル 目論見書

SBI日本株4.3ブルの詳細

 SBI日本株4.3ブルは先物取引を利用して、純資産額に対して4.3倍のレバレッジをかけて運用していく手法をとっています。

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出典 SBI日本株4.3ブル 目論見書

 仕組みとしてはシンプルですね。投資家は投資信託に資産投下、投資信託が先物や公社債などを使って運用するという仕組みです。

 米国株式のレバレッジ商品は担保付円建債券やインデックスを介しているのに対して、100%円建てで運用するため、複雑化する必要がないということです。

 日本市場の上昇局面に対して非常に大きな力を発揮しますが、下落局面に対しては大きく資産を減らす可能性があるということです。

 ・総資産 293億4400万円

 ・基準価格 7,316円

 ・設定来最高値 16,375円

 ・設定来最安値 1,621円

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出典 SBI証券

 総資産額は概ね順調な右肩上がりで推移しています。基準価格については非常に波があることがわかります。最安値の1,621円から1年ほどで最高値の16,375円まで上昇しているということは、1年で10倍になっているということですね。

 ・運用管理費用 0.968%

 ・その他の手数料 非開示

 ・分配金 無し

 ・償還日 2022年12月5日(2023年12月5日まで延長が決定)

 他のデータを確認するとこのようになっています。その他の手数料は不明ですが、アクティブ型が投資信託であることを考えると、総ランニングコストは1.5%ほどと考えておいた方がよいですね。

 運用期間は当初5年間を予定していたようですが、償還日が1年間延長されているということは、お金を集めている投資信託であるということがわかります。

レバレッジの注意点

 SBI日本株4.3ブルの最大の特徴であるレバレッジについて触れておきます。レバレッジをかけた金融商品は上昇局面に非常に強いのですが、ボックス相場や下落局面においては大きく元本毀損する性質があることは頭に入れておく必要があります。

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出典 SBI日本株4.3ブル 目論見書

 日本の株式市場全体が2日間で10%下落と10%上昇が起こった場合、レバレッジをかけていない場合は総資産額はマイナス1%となりますが、SBI日本株4.3ブルの総資産額は81.5%となります。

 これは、株式自体が元本毀損に極めて弱いという性質を持っているからですね。株式が下落した場合、元本復帰するためには下落幅以上の上昇が必要になるということです。

 レバレッジが大きければ大きいほど、下落幅は大きくなり、元本復帰するためには大きな上昇が必要になるということです。

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出典 SBI日本株4.3ブル 目論見書

 そして、ボックス相場のような上昇と下落を繰り返しているような期間が長ければ長いほど、元本は毀損され続けていくということです。下落耐性が著しく低いからですね。

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出典 SBI日本株4.3ブル 目論見書

 しかし、はっきりとした上昇局面においては目標としている4.3倍の動きをアウトパフォームすることになります。元本に対して4.3倍のレバレッジをかけ続けることができるからですね。

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使いどころが非常に限られたロマン砲。それがSBI日本株4.3ブル。

YOHの考え

 SBI日本株4.3ブルは非常にボラティリティの高い投資信託であることから、短期間で大きく資産増加が見込める投資信託といってよいですね。

 そして、ボラティリティの高さから海外投資家にも一定の人気がある日本株式市場の需要とマッチしている投資信託と考えることができます。

 ・日本株式市場の値動き

 ・4.3倍のレバレッジ

 この2つを勘案すると、長期的に保有するような投資信託ではないことがわかります。

 ・超短期的に保有して短期売買を繰り返す

 ・細かな利益確定

 このような使い方をする投資信託ということですね。しかし、投資信託の売買は個別株と比較すると大きなタイムラグが生じることから、使いどころが非常に難しい金融商品であると感じます。

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出典 Googleファイナンス 日経平均株価

 日経平均のチャートを見てわかるとおり、日本株式市場は上下動はあるものの右肩上がりではありません。バブル期の最高値を未だに更新できないという現状を知っておく必要があります。しかし、個別に見ればはっきりとした右肩上がりをしている企業は数多くあります。

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出典 Googleファイナンス シマノ

 日本を代表するものづくりの企業シマノなどは右肩上がりの株価推移をしています。過去のデータを見れば、このような企業は容易に見つけ出すことができますね。

 このことからも、日本株式市場については市場全体に資産投下するのではなく、個別に抽出して資産投下していくことが望ましいのですね。

 ・はっきりとした上昇局面には強いが、はっきりとした上昇局面がわからない

 ・分散投資するのではなく、一括して資産投下する必要がある

 ・元本毀損の可能性が高い

 ・長期投資には向かない

 このようなことを考えると、SBI日本株4.3ブルはコアに据えることはもちろんのこと、サテライト的にも資産投下することは難しいというのが私の考えです。ご覧いただきありがとうございました。

 レバレッジをかけた投資についてはこちらで記事にしています。

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 レバレッジをかけた金融商品として最も人気があるのが楽天レバナスですね。

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 レバレッジをかけた投資として有名なのはFX取引ですね。しかし、通貨自体は価値を上昇させる性質はありません。

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