YOH消防士の資産運用・株式投資

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レバレッジ系投資信託・ETFとその付き合い方について

レバレッジ系投資信託やETF

 最近の株式投資で一定の人気があるのが、レバレッジを効かせた投資信託やETFです。

 ・iFreeレバレッジNASDAQ100

 ・日本株4.3ブル

 ・DIREXION DAILY S&P500 BULL 3X SHARES (SPXL)

 具体的に言えばこのような株式投資の金融商品です。人気の理由はボラティリティの高さが挙げられますが、それだけではありません。

 ・手軽にレバレッジをかけた株式投資ができる

 ・ベンチマークとしているのは優良な指数である

 この2つがレバレッジ系ETFや投資信託が人気のある理由だと私は考えています。

 ・長期的に右肩上がりの指数であるならば、レバレッジをかけた方が資産増加する

 レバレッジ系ETFや投資信託に資産投下する方は少なからずこのように考えているということです。しかし、これには多分に誤解が含まれているということです。

 ・株式投資におけるレバレッジについて

 ・レバレッジETFで資産形成することについて

 今回はこの2点を中心にレバレッジ系ETFについて考えてみたいと思います。

株式投資におけるレバレッジについて

 投資信託やETFは基本的に目標やベンチマークがあります。

 ・日経平均

 ・TOPIX

 ・S&P500

 ・Nasdaq総合指数

 ・Nasdaq100

 このような一定の指数と同じ動きの投資成果を期待しているのが、インデックスファンドです。

 そこに、先物取引でレバレッジをかけて、指数の倍の動きを目標としているのがレバレッジをかけた投資信託やETFです。

レバレッジの注意点

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出典 日本株4.3ブル目論見書

 レバレッジは先物取引をしている性質上、日ごとに指数の倍の動きをするような商品設計です。そのため、指数が上下動をすると、元本毀損が大きくなります。

 ・1日目 100万円の株が10%下落 → 90万円

 ・2日目 90万円の株が10%上昇 → 99万円

 パフォーマンスが10%で同じでも、元本が減っているのが株式投資です。これにレバレッジをかけていると、元本毀損がより大きくなるのですね。

 ・1日目 100万円の株が10%下落(レバレッジ2倍) → 80万円

 ・2日目 80万円の株が20%上昇(レバレッジ2倍) → 96万円

 パフォーマンスだけ見ると、元に戻しているのですが、資産が大きく目減りしているのがレバレッジをかけた投資信託やETFの特徴です。

 指数のパフォーマンスが1年前から比較して40%上昇しているから、2倍のレバレッジをかけていれば、元本が80%増えている、とはならないのですね。

出典 Googlefinance

 これはSPXLの直近5年間のチャートですが、チャートを見ると2022年までは右肩上がりで大きく資産を増やしているような印象を受けますが、実際には自分が保有しているSPXLの含み益はこれとは一致しないということです。

 ・下落局面ではとんでもなく値下がりしている

 ・その後の上昇局面では値下がりした価格を元に値動きをしていく

 このようなことを考えると、ちょっとした値下がり局面でも大きく価値を減らしてしまうデメリットがあまりに大きいということです。

MTBのハンドルが広いのは梃子の原理を利用しないと荒れた道を走れないから。その扱いは非常に難しい。

YOHの考え

 私はレバレッジ系ETFや投資信託を購入はしていませんが、レバレッジをかけた株式投資自体は行ってもよいと考えています。

 ・S&P500に連動するETFや投資信託だけ購入していればよい

 ・全世界株式インデックスファンドだけ購入して長期積立していればよい

 インデックス投資家の中にはこのような方もおられますが、ここまで偏った考えは持っていないということです。

 しかし、レバレッジをかける株式投資をするならレバレッジ系ETFや投資信託ではなく、CFD取引をするべきだと考えています。

 ・手軽に積立投資でレバレッジをかけた株式投資ができる

 ・ベンチマークとしているのは優良な指数である

 このような旨みだけを得ようとするような株式投資は本質的ではないということです。そして、株式投資をにおいてローリスクハイリターンというのはあり得ないということです。

 しかし、レバレッジ系ETFや投資信託を長期保有して利益を出すということは、心のどこかでこのような考えがあるのではと感じてしまいます。

 ・ロスカットの恐怖

 ・追証の恐怖

 ・30倍以上のレバレッジ系

 CFD取引であればこのような大きなリスクが伴います。

 そして、手間も時間もレバレッジ系ETFや投資信託に資産投下するよりも遥かにかかります。

 その手間と時間、大きなリスクを取った先で大きなリターンを得る可能性があるということです。正にハイリスクハイリターンな取引で、リスクとリターンが合っているということです。

 株式投資で最もやってはいけないことのひとつは「大きなリスクを取らずに大きなリターンを得ようとすること」です。

 甘い考えでレバレッジ系ETFや投資信託に積立をしている方の中にはそのように考えている方が一定数おられるということです。

 ・ちょっとしたお小遣い稼ぎでレバレッジ系ETFや投資信託に資産投下しよう

 ・みんなが進めている人気商品だから資産投下してみよう

 このような考えを否定はしませんが、株式投資においてこのような考えは本質的ではないということです。

 ・お小遣い稼ぎのつもりが短期間で大きく資産が増えた

 ・インデックス投資よりも効率がよい

 投資タイミングに恵まれてレバレッジ系株式投資でこのように資産を増やせば、レバレッジ系株式投資への投下資産が多くなるのは当然と言ってよいですね。

 人の価値観というのはお金の前では簡単に揺らいでしまうものだということです。そして、そこから先はどのようになるかは誰にもわかりません。

 レバレッジをかけた株式投資をするならば、全資産を失ってもよい、これぐらいの感覚で資産投下する必要があると私は考えています。ご覧いただきありがとうございました。

 CFD取引についてはこちらで記事にしています。

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