コアサテライト戦略
資産運用の方法のひとつにコアサテライト戦略があります。運用資産をコア(中心)とサテライト(衛星)に分けて運用するという方法です。
・コアには守りの資産を置く
・サテライトには攻めの資産を置く
一般的にはこのように言われているのがコアにサテライト戦略です。運用資産をコアに80%、サテライトに20%ほどの割合に配分して運用していくことが基本となります。
このコアサテライト戦略は資産運用の王道と言えるような手法で誰しもが取り入れてよい資産運用方法です。
・資産運用で大切なこと
・コアサテライト戦略における目標設定
今回はこの2点について触れてみたいと思います。
資産運用で大切なこと
コアサテライト戦略に限ったことではないですが、資産運用で大切なことはコアをしっかりと決めることです。これは、運用方針や選択する金融商品など資産運用をする全ての事柄に対して言えることですね。
・短期投資
・長期投資
運用方針で言えば、大きく分ければこの2つのうちどちらかということになります。どちらか一方が優れているということはありません。
ここ数年は相場環境が非常によく、長期投資で資産を増やしている方が多いことから、短期投資に否定的な方もおられますがそうではないということです。
・少ない元手で大きく資産を増やす
・少ない期間で大きく資産を増やす
このようなことをするのは、短期投資の方が優れているということです。そして、選択する金融商品も同様にコアを決める必要があります。
・全世界株式
・全米株式
・S&P500
長期投資で考えれば、このような指数に連動する投資信託やETFを毎月決まった額を長期間購入し続けるということです。長期投資においてはコアの規模が大きくなっていくに従って、ベンチマークと同様の値動きになっていくため短期間では成果を実感しにくいという特徴があります。
目標設定
コアを決めるために大切なことは、自分の目標をしっかりと設定することです。
・何となく資産を増加させたい
・周りが勧めているからする
このようなことでは、資産運用のコアをしっかりと決めることはできません。
・40歳でセミリタイアする
・50歳までに1億円を作る
・年金受給時に配当で年間200万円得るようにする
このような具体的な目標が必要だということです。そして、自身の現在の状況をしっかりと認識することができれば、資産運用のコアを決めることはそれほど難しいことではないということです。
・30歳で総資産0円 → 40歳でセミリタイヤする
このような状況と目標であれば長期投資をコアに据えることは誤りだということです。個別株の短期売買やCFDなどのレバレッジを効かせた取引、暗号資産などで資産増加させる必要があります。
・20歳で貯金が2,000万円 → 50歳までに1億円をつくる
このような場合は、短期投資でリスクを取る必要はそれほどないということです。大切なことは、目標に適した金融商品を投資のコアに据えるということです。
これをチグハグにしてしまっては、資産増加することはあっても、運用パフォーマンスや資産のボラティリティに居心地悪さを感じながら資産形成していくことになるということです。
そのため、目標と合致していれば、投資のコアにリスクの高い金融商品を置くということは間違いではないということです。(当然、リスクの低い金融商品を置くよりも安全性は下がります)
YOHの考え
私は株式投資に関してはコアサテライト戦略を取っていますが、自分自身はそれほどよい運用ができているとは思っていません。
・コア 米国株式の投資信託
・サテライト 日本個別株
このような形でコアサテライト戦略を取っていますが、最初から狙ってこのような運用法に至ったわけではありません。
資産運用をはじめた当初は日本個別株をコアにしていたのですが、時間と手間の割にそれほど成果が出ず、サテライトで購入していた米国株式の投資信託の方が性格に合っていたのですね。
その結果、当初サテライトであった米国株式の投資信託への資産投下金額が増えて、コアとサテライトが入れ替わってできたのが今のポートフォリオです。そのためどこか居心地の悪さを感じる資産配分となっているということです。
私が今から株式投資で資産運用をはじめるのであれば、コアサテライト戦略を取らずにはじめます。
・米国株式の投資信託かETFのみを毎月積み立て
これだけで資産運用をするようにします。安全資産として現金を総資産の30~50%保有しておくようにします。時間と手間がかからず、これが最もよいと感じるからですね。
コアサテライト戦略では運用資産の20%であるサテライトの方に時間と手間がかかりがちになるケースが多いですね。そこに個別株などの値動きの大きい資産を置くからです。
資産規模が小さいうちはそれほどではありませんが、運用資産規模が1,000万円を超えてくるとサテライトの資産規模が200万円になります。これは、誰にとっても大金でしっかりとメンテナンスをする必要があります。
そのため、サテライトで運用しているにも関わらず、時間と手間をかけがちになってしまうことになるケースが多いということです。そして、資産運用は手間と時間をかけたからといって成果が上がるものではないのですね。
コアサテライト戦略で大切なことは、自分の状況と目標をしっかりと認識してそれに合ったコアとサテライトを決めることです。目標とコアが一致していなければ居心地の悪さを感じてしまうのがコアサテライト戦略なのですね。
ご覧いただきありがとうございました。
株式投資のコアには米国株式を置くことをおすすめしています。
サテライトには不動産ETFなども候補に挙がります。
コアサテライト戦略を取らないのであればバランスファンドが投資対象として挙がりますね。しかし、バランスファンドには癖があります。