REITについて
不動産投資の選択してREITがあります。不動産投資信託と言われる金融商品で、出資者から集めたお金で不動産の売買を行い、賃料や売買益を資金源として、出資者へ配当金を出す金融商品です。
出典 三井住友トラスト・アセットマネジメント
REITは不動産投資と株式投資を掛け合わせたようなものですが、実体は株式投資に近しい性質を持っています。
・高い流動性
・安定したキャッシュフロー
・分散効果
このように株式投資に近い要素を多分に含んでいます。そして、REITは米国が中心です。REIT全体を見ると、米国60%、次いで日本10%、ヨーロッパやその他新興国が合わせて30%という比率です。
REITに投資するには、米国を外すことはできないということですね。そして、米国不動産に投資するETFとして人気があるのが、iシェアーズ米国不動産ETF(ティッカーIYR)です。
iシェアーズ米国不動産ETF
iシェアーズ米国不動産ETFは米国不動産セクターの株式で構成される指数(Dow Jones U.S. Real Estate Index)と同様の成果を上げることを目標としているETFです。
簡単に言えば、米国REITをまとめたETFということです。
・1口110ドル(2021年11月現在)
・経費率0.41%
・保有銘柄数86銘柄
・分配金年4回(3.6.9.12月)
・直近1年の分配利回り1.86%
iシェアーズ米国不動産ETF(IYR)はSBI証券、楽天証券などのメジャーなネット証券会社で購入することができます。
出典 iシェアーズ米国不動産ETF目論見書
設定日の2000年6月から20年以上、ベンチマークとの大きな乖離が見られず非常に優秀なETFですね。狙い通りのリターンを上げているのがわかります。
続いて、チャートを確認してみます。
出典 ブルームバーグ
青色がVOO、オレンジ色がIYRのチャートです。上下動をしていますが、基本的に米国株式と同じ動きをしていることが分かりますね。コロナショックの際には、株式と同様かそれ以上売り込まれているのが分かります。
しかし、他の局面を見てみると、株式よりも上昇幅は小さいですが、底堅いという印象ですね。
構成銘柄
出典 BLACKRock iシェアーズ米国不動産ETF
業種別で見てみると、専門不動産投資信託がが約40%、住宅用不動産投資信託が約15%、工業不動産投資信託が約10%、店舗用不動産投資信託が8%と続いています。
ダウジョーンズ米国不動産指数と同様の構成となっているということですね。
人間がいる限り、住宅需要がなくなることはない。住宅への投資は安定性があるということ。
YOHの考え
iシェアーズ米国不動産ETF(IYR)は米国不動産投資を考えるなら、候補に挙がるETFです。REITには、セクターごとに特化したものもありますが、一般的な投資家にとって、そこまで踏み込んだ不動産投資をする必要はないでしょう。
分散投資において重要なのは規模感の把握です。株式投資の規模は全世界で5,000兆円と言われています。一方でREITの規模は150兆円です。
そう考えると、多くの資産をREITに資産投下するのは分散投資として本質的ではありません。REITは不動産という専門性が高く、流動性の低いものを取り扱っているので、短期間で大きく規模感が膨らむことは考えにくいですね。
そういったことから、REITに資産投下するのは多くても資産の5%ほどだと考えています。そして、その5%は全てiシェアーズ米国不動産ETF(IYR)に投資して問題ないでしょう。
・安定性
・普遍性
・需要
この点で不動産の値動きは非常に優秀です。基本的に奇を狙う必要はなく、指数に連動するものを購入していればいいということです。