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【米国不動産ETF】iシェアーズ米国不動産ETF【IYR】について

不動産投資

 資産形成に取り組んできると興味が出てくるのが不動産投資です。

 ・株式以外の資産クラスを保有したい

 ・まとまった資金があるので、不動産をアセットアロケーションに組み込みたい

 資産規模が膨らんでくると、このようなことを考えるのは自然なことだと言ってよいですね。しかし、実際に現物不動産を所有して、利益を出していくことのハードルは非常に高いですね。

 ・まとまった資金を用意する必要がある

 ・失敗した場合のリカバリーに時間がかかる

 ・よい投資先を見つけることが困難

 不動産投資にはこのような特徴があるからですね。

 特に、何の属性もない会社員や公務員であれば、中々手を出しにくいというのが実情です。

 そのため、選択肢として挙がるもののひとつがREITへの資産投下です。そして、REITへの資産投下先のひとつとしてあるのがiシェアーズ米国不動産ETF(IYR)です。

 ・REITについて

 ・iシェアーズ米国不動産ETF(IYR)とは

 ・IYRは投資対象として適切か

 今回はこの3点について考えてみたいと思います。

REITについて

 不動産投資の選択してREITがあります。不動産投資信託と言われる金融商品で、出資者から集めたお金で不動産の売買を行い、賃料や売買益を資金源として、出資者へ配当金を出す金融商品です。

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出典 三井住友トラスト・アセットマネジメント

 REITは不動産投資と株式投資を掛け合わせたようなものですが、実体は株式投資に近しい性質を持っています。

 ・高い流動性

 ・安定したキャッシュフロー

 ・分散効果

 このように株式投資に近い要素を多分に含んでいます。そして、REITは米国が中心です。REIT全体を見ると、米国60%、次いで日本10%、ヨーロッパやその他新興国が合わせて30%という比率です。

 REITに投資するには、米国を外すことはできないということですね。そして、米国不動産に投資するETFとして人気があるのが、iシェアーズ米国不動産ETF(IYR)です。

iシェアーズ米国不動産ETF

 iシェアーズ米国不動産ETFは米国不動産セクターの株式で構成される指数(Dow Jones U.S. Real Estate Index)と同様の成果を上げることを目標としているETFです。

 簡単に言えば、米国REITをまとめたETFということです。2023年1月14日時点での数字は以下のようになっています。

 ・1口90ドル

 ・純資産総額 44億ドル

 ・経費率0.39%

 ・保有銘柄数86銘柄

 ・分配金年4回(3.6.9.12月)

 ・直近1年の分配利回り 3.49%

 iシェアーズ米国不動産ETF(IYR)はSBI証券、楽天証券などのメジャーなネット証券会社で購入することができます。

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出典 iシェアーズ米国不動産ETF目論見書

 設定日の2000年6月から20年以上、ベンチマークとの大きな乖離が見られず非常に優秀なETFですね。狙い通りのリターンを上げているのがわかります。

 続いて、チャートを確認してみます。

出典 

IYR 銘柄 - iシェアーズ米国不動産ETF 投資信託(ファンド)情報 - Bloomberg Markets

 青色がVOO、オレンジ色がIYRのチャートです。上下動をしていますが、基本的に米国株式と同じ動きをしていることが分かりますね。コロナショックの際には、株式と同様かそれ以上売り込まれているのが分かります。

 しかし、他の局面を見てみると、株式よりも上昇幅は小さいですが底堅いという印象ですね。

 続いて上位の構成銘柄を確認していきます。

出典 

IYR 銘柄 - iシェアーズ米国不動産ETF 投資信託(ファンド)情報 - Bloomberg Markets

 業種別で見てみると、専門不動産投資信託がが約40%、住宅用不動産投資信託が約15%、工業不動産投資信託が約10%、店舗用不動産投資信託が8%と続いています。

 ダウジョーンズ米国不動産指数と同様の構成となっているということですね。

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人間がいる限り、住宅需要がなくなることはない。住宅への投資は安定性があるということ。

YOHの考え

 iシェアーズ米国不動産ETF(IYR)は米国不動産投資を考えるなら、候補に挙がるETFです。購入する場合は、SBI証券か楽天証券がよいですね。

出典 SBI証券

 SBI証券なら、この10銘柄のETFは買付手数料が無料に設定されており、IYRがラインナップされているからです。また、楽天証券なら、iシェアーズETFの売買手数料が無料になります。

 しかし、全ての投資家にIYRがおすすめできるかと言えば、そうではないですね。

 分散投資において重要なのは規模感の把握です。株式投資の規模は全世界で5,000兆円と言われています。一方でREITの規模は150兆円です。そして、その中で割合が高いのは米国です。

 そう考えると、多くの資産をREITに資産投下するのは分散投資として本質的ではありません。

 REITは不動産という専門性が高く、流動性の低いものを取り扱っているので、短期間で大きく規模感が膨らむことは考えにくいということです。

 ・リスク資産の総額が3,000万円以上

 ・どうしても海外不動産をアセットアロケーションに組み入れたい

 ・資産を守る段階に入っている

 このような方でなければ、それほど検討する必要は無いというのが私の印象です。

 そして、資産形成段階であれば、REITに資産投下するのは多くても資産の5%ほどだと考えています。そして、その5%は全てiシェアーズ米国不動産ETF(IYR)に投資して問題ないでしょう。

 IYRの比率を低くする理由としては、REITの安定性や配当よりも株式の成長性による資産の拡大を狙った方が、長期的に見ればよいパフォーマンスが期待できるからですね。

 ・安定性

 ・普遍性

 ・需要

 この点で不動産の値動きは非常に優秀です。基本的に奇を狙う必要はなく、指数に連動するものを購入していればいいということです。

 繰り返しになりますが、基本的に長期投資のリスク資産で最も多く保有する必要があるのは株式です。成長性、リターン共に他の資産クラスよりも優れているからですね。

 しかし、自分の資産の分散性をさらに高めるために不動産をアセットアロケーションに組み入れたいのであれば、IYRは有力な選択肢になる、というのが私の考えです。

 ご覧いただきありがとうございました。

 会社員や公務員で資産形成が順調に進まない大きな原因は、ポートフォリオの不動産比率が高すぎることにあります。

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