YOH消防士の資産運用・株式投資

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【50歳以降】運用期間が長く取れない場合の新しいNISAの使い方

新しいNISA

 2024年から新しいNISAが開始され、10カ月が経過しました。

 その使い方というのは、人それぞれで定まっているのでしょうが、制度設計を考えると、金融庁からはこのように使って欲しいという意図が感じられます。

 ・入金力のある投資家であれば15年間で年間120万円積立をして欲しい

 制度設計からは、このような意図が見受けられるということです。

 新しいNISAでは年間投資上限額を積立投資枠120万円と成長投資枠240万円としていますが、成長投資枠というのはあくまでもキャッチアップ枠という位置づけが強いですね。

 私のような年によって収入が大きく変わることがない仕事をしていればピンときませんが、収入が年によってバラつきがあるというのは珍しいことではありません。

 ・去年は手取り年収が400万円

 ・今年は手取り年収が800万円

 やや極端な例ですが、このようなことは自営業者だけではなく、給与査定の基準が成果によるウエイトが大きい職種では十分にあり得ます。

 そして、このような年によって収入にバラつきがある場合、投資金額も年によってバラつきが出るのは当然と言ってよいですね。

 そして、新しいNISAの成長投資枠は、その年によるバラつきを埋め合わせるためのキャッチアップ枠として用意されているということです。

 ・基本的には積立投資枠から埋めるようにして欲しい

 ・手取りが多かった年で成長投資枠120万を使っても投資余力があるなら成長投資枠を使って欲しい

 このように、成長投資枠は積立投資枠の余剰分の受け皿(キャッチアップ)として用意されているということです。

 そのように考えると、新しいNISAの基本的な使い方というのは、長期の積立投資ということになります。

 それも、投資可能上限額が1,800万円であることを考えると、投資期間15年間、そこからさらに運用期間を取ることを前提に作られていると考えてよいですね。

 ・投資期間 15年間

 ・運用期間 15年間

 ・計 30年間

 新しいNISAはこれぐらいの超長期投資として捉えておく方がよいということです。

 そして、このような超長期投資というのは誰にでも取ることができる選択ではないですね。

 ・2024年時点で50歳以上

 このような年齢であれば、投資期間15年間、運用期間15年間の計30年間の投資を終える時には80歳以上になっています。

 このようなケースであれば、新しいNISAで超長期投資を行うかどうかはよく考える必要があるということです。

 ・新しいNISAで積立の長期投資が最適解ではない

 ・50歳以降で新しいNISAを使う際の選択肢

 今回は新しいNISAで抑えておくべきポイントについて、この2点を中心に考えてみたいと思います。

新しいNISAで積立の長期投資が最適解ではない

 新しいNISAは超長期の積立投資で使うことが推奨されていますが、これは誰にとっても最適解であるかと言えば、そうではないということです。

 ずばり言ってしまえば40歳代後半以降の年齢の場合、新しいNISAでを超長期運用することは最適解ではないと私は考えています。

 ・新しいNISAで超長期投資をすれば含み益が出る可能性が極めて高い

 ・超長期の積立投資は入金力があれば誰にでも取り組むことができる

 このように言われており、これは確かなことですが、超長期投資で含み益が出るという結果がわかるのは、投資運用期間完了した30年後になります。

 ・積立期間中に暴落が起こって含み損を抱える期間が長く続く

 ・積立期間完了後も含み損を抱えたままの期間が長く続く

 このようなことは往々にして起こります。そして、このような含み損を抱える時間が長い場合、年を重ねていることは不利に働くということです。

 実際に、1928年から1939年までのS&P500のパフォーマンスはこのようになっています。

 この期間に積立投資をしていた場合、含み損を抱える期間は非常に長いものになってしまいます。

 投資運用期間が終了した時には含み益が出ていますが、それには含み損が継続する長い期間を耐える必要があります。

 ・30年後の投資運用期間終了時点で含み益が出る

 仮に、50歳で新しいNISAの積立投資をはじめた場合、投資運用期間終了時点で80歳に達しています。

 積立投資をする場合、そこまでの年齢になるまで待つ必要があることを覚悟しなければならないということです。

 日本人の平均寿命が男性81歳、女性86歳であることを勘案すると、誰にとっても新しいNISAで積立の長期投資が最適解とはならないということです。

使い方は自分で考える必要がある。

YOHの考え

 今回は運用期間が長く取れない場合の新しいNISAの使い方について考えてみました

 新しいNISAは積立投資による長期運用を推奨するような制度設計がなされていますが、誰もが長期の積立投資に取り組めばよいかと言えばそうではないというのが私の考えです。

 投資運用期間完了後の年齢を考慮した場合、長期の積立投資は不正解となり得るケースは往々にしてあるということです。

 NISA制度で抑えておきたいポイントは以下の2つです。

 ・運用益が非課税

 ・損益通算できない

 この2つのポイントを踏まえると、NISA制度を使うのであれば、必ず含み益を出す使い方をする必要があるということです。

 現在30歳で30年間の長期運用完了時に60歳というようなケースであれば、長期運用をすればよいのでしょうが、現在50歳であれば長期運用はしないという選択肢を取ることは間違いではないですね。

 ・底堅い個別銘柄をスポット購入して配当金を得る

 ・分散性の高いETFなどを購入して分配金を得る

 私が現在50歳であるなら、新しいNISAについてはこのような使い方を第一に考えます。

 80歳時点で資産を最大限に拡大させることに意味が無いと感じるからですね。それよりも、運用期間中に確実に非課税のメリットを活かすことを考えるということです。

 積立投資枠の120万円を先に埋めるのではなく、成長投資枠240万円を積極的に使っていくということです。

 新しいNISAで大切なことは、個人の置かれている状況によって使い方の正解は大きく異なるということです。

 ・長期投資

 ・積立投資

 ・S&P500に資産投下

 このような使い方は一例でしかないということです。

 若くて入金力が継続するのであればこのような使い方がよいのでしょうが、誰にとっても正解かと言えば、そうではないということです。

 新しいNISAは非課税保有限度額が1,800万円あり、その枠を埋めるのに最短でも5年かかります。それを踏まえて、自分にとって最適な使い方を考える必要があると私は考えています。

 ご覧いただきありがとうございました。

 新しいNISAの年間120万円のシミュレーションについてはこちらで記事にしています。

fire-money.hatenablog.com

 360万円積立についてはこちらで記事にしています。

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 120万円積立と360万円積立の比較はこちらで記事にしています。

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