YOH消防士の資産運用・株式投資

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【普通にしていれば難しい】新しいNISAを積立投資に使うことは、万人が取れる選択ではない

新しいNISAの使い方

 新しいNISAの使い方については様々なことが言われており、これまで堅実に資産形成をしてきた層に人気があるのが、「投資信託を積み立てる」という使い方ですね。

 つみたて投資枠、成長投資枠で個別に金融商品を買う、というのではなく、生涯非課税保有額の1,800万円を全て投資信託で使い切ってしまうという使い方です。

 新しいNISAの制度設計や分配金再投資型の投資信託の特性を考えると、これが最も効率のよい使い方のひとつであるということです。

 しかし、このような使い方を全ての人が実践することができるのかと考えると、そうではないというのが、私の印象です。

 現時点でこのような使い方に至っている方というのは、これまでにインデックス投資を中心に資産形成をしてこられて、一定の成果を挙げている方が大半であるということです。

 ・何年も毎月決まった金額を積立投資している

 ・下げ相場になっても積立投資を継続することができた

 ・現時点で期待の範囲内で含み益が出ている

 このような方であれば、新しいNISAについても、これまでのスタンスを継続していくだけ、と考えるのでしょうが、万人がそうではないということです。

新しいNISAで適切な投資信託積立を継続する難易度

 私は新しいNISAで適切な投資信託積立を継続する難易度は非常に高いと考えています。

 ・優良な投資信託を選定する

 ・月々決まった金額を用立てる

 ・長期的に積立を継続する

 新しいNISAで適切な投資信託積立を行うには、この3つの手順を踏むだけですが、これは簡単ではありません。

 多くの方にとって、ひとつ目の「優良な投資信託を選定する」というところが既に難易度が高いのですね。

優良な投資信託を選定する

 ・長期的に右肩上がりの指数をベンチマークとしている

 ・手数料が安い

 ・純資産額が大きい(償還リスクが低い)

 人によって様々な意見があるでしょうが、私はこの3つを満たしている投資信託であれば、優良な投資信託と言ってよいと考えています。

 しかし、この3つの要件を満たしている投資信託というのは、数えるほどしかないということです。

 これにたどり着くということが、そもそもの難易度が高いということです。

月々決まった金額を用立てる・長期的に積立投資を継続する

 そして、月々決まった金額を用立てる・長期的に積立投資を継続する、というのも非常に難易度が高いですね。

 まず、新しいNISAで積立投資をしようと考えた場合、「月々○万円を積立投資しよう」と決めることになりますが、この金額というのは、多く設定しがちになります。

 ・年間投資可能額 360万円

 ・生涯非課税保有限度額 1,800万円

 この金額を早く埋めることが運用期間を長く取ることができるからですね。

 そして、SNSなどを見ていると、月10万円、月30万円といった数字を目にすることなります。

 そうすると、どうしても投資に対して前のめりになってしまうということです。

 ・月1万円では効果がないのではないか

 ・生活費を切り詰めれば月5万円の積立投資ができる

 このように考えてしまいがちになるということです。

 しかし、このような無理をした積立投資というのは、長く続くものではありません。

 ・急な出費

 ・生活の変化

 このようなことがあれば、決まった金額を用立てて積立投資をすることができなくなるということです。

 そして、これは長期的に積立投資を継続する、ということにも多分に当てはまることになります。

その難易度は非常に高い。

YOHの考え

 今回は新しいNISAで積立投資をすることについて考えてみました。

 ・優良な投資信託を選定する

 ・月々決まった金額を用立てる

 ・長期的に積立を継続する

 新しいNISAに限ったことではないですが、積立投資というのは、この3つの事項を満たして行うだけでよいのですね。

 しかし、この3つを非課税保有限度額の1,800万円まで実践することができる方がどれだけいるのかと考えると、非常に難易度が高いというのが私の印象です。

 新しいNISAで非課税保有限度額1,800万円を積立投資ができるというのは、1,800万円を貯金できる方ということになります。

 それが難しいというのは、統計調査からも明らかです。

金融広報中央委員会の資料によると、世帯主年齢別の分けた各世帯の金融資産保有額の中央値は以下のようになっています。

出典 

暮らしに役立つ身近なお金の知恵・知識情報サイト ─ 知るぽると:金融広報中央委員会

 ・20歳代 20万円

 ・30歳代 150万円

 ・40歳代 200万円

 20歳代~40歳代の金融資産保有額の中央値はこのようになっており、働いて収入を十数年得ているような30歳代~40歳代の世代であっても、150万円~200万円が金融資産を保有状況のスタンダードであるということです。

 仮に、大卒(22歳)で就職して、月1万円(年間12万円)を貯金し続けていれば、42歳の時点で20年240万円の資産を形成できることになりますが、これすら難しいのが、スタンダードな世帯であるということです。

 このようなことを考えると、月に数万円の積立投資というのは、簡単なことではないということです。

 今の日本というのは、お金を貯める行為自体が難しいものになっています。

 賃金が上がらないことも理由のひとつですが、普通の生活に求められる水準というのが上がっているのですね。

 ・家

 ・車

 ・保険

 ・贅沢

 このようなものを他人と比較してしまうと、青天井に普通の水準が上がってしまうということです。

 もちろん、収入に見合った贅沢や本当に必要なものにお金をかけることは必要ですが、普通の生活にお金をかけすぎてしまうと、資産形成というのは縁遠いものになってしまうということです。

 新しいNISAはこれから資産形成していくうえで大きなターニングポイントとなるような制度です。

 そして、その使い方に複雑な手順を踏む必要はありません。ずばり言ってしまえば、誰にでも簡単に取り組むことができる方法だということです。

 しかし、誰にでも簡単に取り組むことができることと、誰もが資産形成をすることができることは異なるということです。

 それを活かすためには、大きな金額のお金を必要とするからですね。

 そして、大きなお金を用立てるということは、非常に難易度が高いものであり、新しいNISAを使うには、それが求められるのだと私は考えています。

 ご覧いただきありがとうございました。

 YOHの新しいNISAの積立方法についてはこちらで記事にしています。概ね7~8年で1,800万円を使い切ることを目標としています。

fire-money.hatenablog.com

 新しいNISA枠を埋めるために特定口座の投信を売却した方がよいかについてはこちらで記事にしています。fire-money.hatenablog.com

 金融機関が新しいNISAをどのように使って欲しいと考えているかはこちらで記事にしています。

fire-money.hatenablog.com