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SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)は投資対象として適切か

SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)

 新しいNISAが開始されてもうすぐ1ヶ月が経とうとしていますが、多くの人気を集めているのは外国株式を中心とした低コストのインデックスファンドです。

出典 SBI証券 以下の画像も同サイトから引用

 2024年1月前半の新しいNISAの投資信託週間買付ランキングを確認すると、上位10本のうち、9本が外国株式を中心とした投資信託です。

 そのなかに1本だけ構成銘柄が日本株式を中心とした投資信託があります。

 それが、「SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)」です。

 このSBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)は週間買付ランキングでも第5位に入っており、2024年1月20日時点で総資産額が320億円に到達しており、非常に人気のある投資信託であることがわかります。

 ・SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)とは

 ・SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)は投資対象として適切か

 今回は、この2点を中心にSBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)について触れてみたいと思います。

SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)

 SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)は2023年12月14日から運用が開始された新しい投資信託です。

 ファンドとしては名前のとおり、日本の高配当株式へ投資をすることを目的としていいます。

 ベンチマークとしているのは、SBI日本高配当株式マザーファンドです。

 SBI日本高配当株式ファンドの特色として挙げられるのが、配当利回りが市場平均を上回ることを目的としているということです。

 そのため、SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)は高配当株式のアクティブファンドと捉えてよいですが、面白いのは分配金安定供給のみを目的としていることではないことです。

 ・高水準の分配金(インカムゲイン)

 ・中長期的な値上がり益(キャピタルゲイン)

 この2つを提供することによって、トータルリターンの追及を目指すことを目的としている投資信託であるということです。

 構成銘柄は東京証券取引所に上場する約4200銘柄を中心に、時価総額1000億円以上の銘柄の中から、約30銘柄を選定することとなっています。

 運用開始前の2023年12月1日時点での想定構成銘柄は上の表のようになっています。

 ・時価総額が1000億円以上

 ・配当利回りが概ね4%以上

 このような条件を満たした企業で構成されていることがわかります。

 この構成銘柄はアクティブ運用に基づく投資判断によって銘柄の追加や除外を四半期に1回以上の頻度で見直しがされることとなっています。

 このような市場平均を上回るパフォーマンスを目的としていますが、目論見書に記載されている信託報酬は0.1%を下回っています。

 運用管理費用(信託報酬)は0.099%となっており国内株式のアクティブファンドでは低コストに分類されると考えてよい水準です。

 そして、名称のとおり年4回分配が行われることになります。その月は1月、4月、7月、10月です。

 この年4回の分配金は株式の配当金や預貯金の利息とは異なり、投資信託の純資産を取り崩して支払われることになります。

 安定した分配金を供給するという目標を達成するために、その期間に出た利益に応じて分配金が支払われるのではないということです。

 そのため、構成銘柄が思うように利益を出せなかったケースであれば、分配金支払い後は基準価格が大きく下落することになります。

 この図のように、前期決算日から基準価格が上昇しているケースであれば、分配金支払い時でも基準価格が大きく下落することはありませんが、前期よりも基準価格が下落していれば、そこからさらに分配金を出すため、基準価格が大きく下落する可能性があるということです。

新しいNISAで日本株式に投資したいのであれば有力な選択肢となる。

YOHの考え

 今回は2023年12月14日から運用が開始されたSBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)について触れてみました。

 ・運用開始から1ヶ月で純資産320億円に到達

 ・新しいNISAの投資信託買付ランキングで上位

 このようなことを考えると、非常に人気のある投資信託と言ってよいですね。人気の理由としては以下の点が挙げられます。

 ・構成銘柄が日本株式のみで構成されている

 ・分配金が年4回支払われる

 ・アクティブファンドとしてはランニングコストが低水準(年0.099%)

 ・分配金の供給だけではなく、中長期的な成長も目標としている

 このようなことが人気の理由だと私は考えています。私自身、SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)は優良な投資信託と捉えてよいと考えています。

 ・日本の高配当株式に投資をしたい

 ・定期的に分配金を受け取りたい

 このように考えているのであれば、新しいNISAで購入する投資信託として候補に挙がる投資信託であるということです。

 しかし、私自身がSBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)を購入するかと言えば、「現時点では投資対象とならない」ということになります。

 購入しない最も大きな理由は「成長性がそれほど期待することができない」ということです。

 SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)は目標として安定した高水準の分配金の供給と中長期的な成長性を挙げています。

 このうち、高水準の分配金については分配金の支払い方法から考えても容易に達成できるでしょう。

 しかし、もうひとつの中長期的な成長性については懐疑的であるということです。

 構成銘柄を見ても、安定的な成熟企業が大多数を占めていることから、大きな成長性は現時点では感じることが難しいということです。

 ・年4回の高水準な分配金は受け取ることができる

 ・成長性はそれほど期待することができない

 私にとって、SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)はこのような位置づけの投資信託であるということです。

 しかし、SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)が投資対象としてだれにとっても不適切であるかと言えばそうではありません。

 あくまでも、資産形成の初期や中期である、リスクを取って資産を増加させる段階の投資家にとっては不向きになる可能性が高い投資信託であるということです。

 ・資産形成において資産を増加させる段階を過ぎている

 ・安定した分配金を定期的に受け取りたい

 ・日本企業が大きく成長すると予想している

 このような方にとっては有力な選択肢となる投資信託であるということです。

 このSBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)が今後、どれほど人気を集めるかは構成銘柄の選定によるところが非常に大きいと私は考えています。

 ・安定した分配金を出すことができる企業

 ・大きな成長性を感じることができる企業

 この2つの構成比率をファンドマネージャーが投資家のニーズに合わせたものにして、好調なパフォーマンスを維持できれば、日本の高配当株式ファンドとしての地位を築いていけるものになると私は考えています。

 ご覧いただきありがとうございました。

 私の新しいNISAの使い方についてはこちらで記事にしています。

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