お金持ち
お金持ちという言葉はあらゆるところでよく使われる言葉ですが、定義としては非常に曖昧ですね。
・20歳で貯金1,000万円
・60歳で退職金をもらって貯金1,000万円
同じ貯金1,000万円ですが、ずいぶん印象が異なります。多くの場合、20歳の方が60歳の方よりもお金持ちと感じるのではないでしょうか。
こう考えると、お金持ちとは、持っている総資産だけでは線引きすることができないということです。
お金持ちの尺度を測るのに有名なのは、野村総研が出しているお金持ちピラミッドですが、これは総資産で一定の区分けをしています。しかし、これも実際のところ、自分は富裕層に該当しているからお金持ち、とはならないということです。
・年収500万円、純金融資産3,000万円のアッパーマス層だが、こどもが4人の6人家族
・年収600万円、純金融資産2,000万円の独身
この場合、金銭的に余裕があるのは独身の方です。そして、多くの方はこの2人を比較した場合、独身の方が生活に余裕があると感じます。
そう考えると、純金融資産保有額だけでもお金持ちを定義づけできないということになります。
私はお金持ちというのは定義づけすることはできないが、お金持ちには2種類に分けることができると考えています。今回はその2種類のお金持ちについて考えてみたいと思います。
2種類のお金持ち
お金持ちは大きく2種類に分けることができます。
・大量生産大量消費型
・少量生産少量消費型
多くのお金持ちはこのどちらかに属しているということです。それぞれについて触れていきます。
大量生産大量消費型のお金持ち
大量生産大量消費型のお金持ちとは世間一般でイメージしやすいお金持ちです。
・高年収
・高級住宅地にプール付きの大きい家
・車は外車
・ペットは大型犬
・こどもは有名私学
・妻は専業主婦で毎日お茶会
このようなキャッシュフローも大きいが、キャッシュアウトも大きいという世帯です。多くの場合、世帯主の常識的ではない高年収に支えられて、生活が成り立っているのですね。
このお金持ちで最もよいところは、世間的にお金持ちと認知され、それだけで特別なステータスを得ることができるということです。
・自分で説明するまでもなく、承認欲求を満たしてくれる
・生活で哀れみを受けたり、蔑まれることがない
・日々の生活でお金について考えなくてよい
これは非常に気持ちのよいものですね。お金持ちになって、高級住宅地に大きな家を持つということは、利便性のほかに、このようなメリットがあるということです。
少量生産少量消費型のお金持ち
少量生産少量消費型のお金持ちとは、世間一般ではイメージしにくいお金持ちですね。例としては、トーマスJスタンリーの著書「となりの億万長者」に出てくるお金持ちです。
・平均から大きく逸脱しない年収
・ベットタウンに量産型の一戸建て
・車は中古車を10年乗る
・こどもは公立
・共働き、又は妻はパートタイムジョブ
・スーパーの半額セールはチェックしている
このようなキャッシュフローは小さいが、キャッシュアウトも小さいという世帯です。このような、少量生産少量消費型のお金持ちは、生活の基盤を収入よりも支出を少なくすることに向けているということです。
・世間的にはお金持ちには見えない
・支出を減らすことを考えて生活している
このタイプのお金持ちはこのような特徴がありますね。
公務員や会社員は少量生産少量消費型のお金持ちを目指す必要がある
公務員や会社員がお金持ちになるには、少量生産少量消費型のお金持ちを目指す必要があります。もっと強い言葉で言ってしまうなら、大量生産大量消費型のお金持ちにはなることはできない、ということです。
・年収3,000万円
・不動産収入で月150万円
・FX取引で年間10億円稼いだ
公務員や会社員でこのようなことは不可能といってよいからですね。インターネット上やSNSでこのような事例は見られますが、これは非常に稀な例だから大きく注目を集めるのですね。天文学的確率をくぐり抜けた方のみが到達できる領域ということです。
しかし、少量生産少量消費型のお金持ちなら公務員や会社員でもなることができるということです。
・平均よりもちょっと高い年収
・平均よりも少ない支出
・共働き
・適切な資産運用
この4つを効率よく使うことができれば、少量生産少量消費型のお金持ちにはなることができるということです。そこに特別なスキルは必要ないのですね。
YOHの考え
資産運用をしている目的は資産を増やしてお金持ちになることです。これは資産運用をしている誰しもの共通認識です。
しかし、目指しているお金持ちは個々によって異なるということです。そこにお金持ち=大量生産大量消費型のお金持ちという認識しかないと、資産運用がうまく行かない場合があるのですね。
公務員や会社員が大量生産大量消費型のお金持ちになるには、資産運用においても大きくリスクを取る必要があるということです。
・レバレッジをかけた株式投資
・レバレッジをかけたFX取引
・融資を引いて不動産投資をする
・暗号通貨取引に多くのお金を投下する
このように元本毀損を前提として資産運用をする必要があるということです。この資産運用は当たれば大きいですが、多くの人は成功することが難しいということです。
そして、公務員や会社員で資産運用をしている方の中に、少量生産少量消費型のお金持ちを目指しているのに、このような資産運用をしている方がいるということがあるのですね。
資産運用で大切なことは、目的と手段が一致していることです。当然ですが、レバレッジを大きくかけた資産運用が悪いわけではありません。しかし、大きく資産を増やす必要がないにも関わらず、そのような資産運用をすることは不正解といってよいですね。
・インフルエンサーがおすすめしている
・SNSで大きく資産を増やした人が多数いる
・流行っている資産運用方法だからする
・やらないと損だからする
資産運用において、このような考え方を持つことは非常に危険だということです。資産運用で大切なことは、自分の軸を持ってすることです。
・リッチな暮らしをしたいからリスクを取った資産運用をする
・元本毀損しないローリスクローリターンの資産運用をする
この2つは、どちらが正しいということは決められません。しかし、目的に合っていない資産運用はするべきではないと私は考えています。ご覧いただきありがとうございました。
公務員や会社員の資産運用についてはこちらで記事にしています。
キャッシュフローと人生設計についてはこちらで記事にしています。
FIREについてはこちらで記事にしています。