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【新NISAの使い方】全世界株式インデックスファンド推しに違和感がある

新NISAの投資対象は全世界株式インデックスファンドが正解なのか

 新NISAで非常によいとされているのが、「全世界株式インデックスファンド」で生涯投資枠を埋めるという使い方です。

 ・全米株式インデックスファンドは長期的にリターンを生み出す可能性が極めて高い

 ・幅広く分散されている

 ・手数料が割安

 このようなことから、多くの投資家に推奨されているというのが私の印象です。

 私自身もこのような意見については、概ね正しいと感じますが、ただただ何も考えずに全世界株式インデックスファンドを妄信することをしてはいけないと考えています。

 その最も大きな理由が「全世界株式インデックスファンドのリターンと資産上昇はイコールではない」ということです。

 ・全世界株式インデックスファンドの優れている点

 ・株式のリターンが資産増加のリターンではない

 今回は、新NISAの使い方として推奨されている全世界株式インデックスファンドについての注意点について考えてみたいと思います。

全世界株式インデックスファンドの優れている点

 全世界株式インデックスファンドの最も優れているところのひとつは、その分散性にあります。

 そして、長期投資の基本は分散投資です。リターンが同じであればより分散された金融商品を選んだ方がよいということです。

 そして、その分散というのは銘柄のみを指しているわけではないですね。

 ・国分散

 ・セクター分散

 このようなあらゆるものを分散させた方がよいということです。そして、全世界株式インデックスファンドを信じる投資家の根底というのは「世界的に見て経済成長は進んでいる」ということです。

 ・世界的に見て貧富の差がなくなってきている

 ・世界的に見て経済的格差は解消されている

 このような経済成長が続くのであれば、全世界株式インデックスファンドは長期的には高確率でリターンを生み出してくれるということです。

出典 

チャート バンガード・トータル・ワールド・ストック ETF[VT/Van VT]日経会社情報DIGITAL - 日本経済新聞

 このように、VTの過去10年のチャートを確認しても、きれいな右肩上がりであることがわかります。

 この成長に乗り続けていれば、資産が増加する可能性が極めて高いということですね。

 そして、新NISAを全世界株式インデックスファンドに使うということは、20年以上の長期投資をすることとイコールであるということです。

 ・価格上昇率(キャピタルリターン)

 ・配当(インカムリターン)

 このようなリターンが長期的に見て3%~4%ほどは狙うことができるので、全世界株式インデックスファンドがよいということです。

 しかし、ここには注意しておく点があります。

 それは、全世界株式インデックスファンドが長期的に3~4%ほどのリターンを生み出すことが、自分の資産を3~4%上昇させていくこととはイコールではないということです。

資産増加はアセットアロケーション次第

 全世界株式インデックスファンドが長期的に3~4%ほどのリターンを生み出せたとしても、自分の資産を3~4%上昇させていくこととはイコールにならない理由は、資産増加はアセットアロケーションに依存するからですね。

 ・資産は株式100%

 ・株式の内訳は全てが全世界株式インデックスファンド

 このようなアセットアロケーション、ポートフォリオであれば全世界株式インデックスファンドのリターンがそのまま自分の資産増加とイコールとなるのでしょうが、このようなことは現実的ではないですね。

 ・資産は株式50%、現金50%

 ・株式の内訳は全てが全世界株式インデックスファンド

 このようなアセットアロケーション、ポートフォリオであれば、全世界株式インデックスファンドが長期的に4%のリターンを生み出したとしても、資産増加のパフォーマンスは半分の2%になります。

 ※複利などを考えない非常に単純な計算です

 そして、ほぼ全ての投資家はアセットアロケーション内に安全資産を配分しています。

 そのため、株式部分のリターンが実際の資産増加よりも少なくなることは当然であるということです。

 ・株式30~70%

 ・現金などの安全資産30~70%

 投資家はこれぐらいの割合で株式と安全資産を配分していることが一般的です。そして、資産形成のリターンというのは、資産全体で考える必要があります。

 ・全世界株式インデックスファンドが長期的に4%のリターンを出した

 ・しかし、資産配分は株式10%、現金90%

 このようなアセットアロケーションを組んでいた場合、資産増加は4%からは程遠く、非常に緩やかになるということです。

どれをどこにどれだけ置くかを考えることが重要。

YOHの考え

 今回は、新NISAの使い方として推奨されている全世界株式インデックスファンドについての注意点について考えてみました。

 ・全世界株式インデックスファンドは長期的に年利4%ほどのリターンを得る可能性が高い

 ・だから、全世界株式インデックスファンドを選んでおけば間違いがない

 このような考え方に関しては、私も概ね同意見ですが、ここには注意するポイントがあります。

 ・全世界株式インデックスファンドが年利4%のリターンを出すことが資産増加とイコールではない

 ・資産形成は自身の資産全体で考える必要がある

 ポイントとしてはこの2つを抑えておく必要があるということです。特に、「資産形成は自分の資産全体で考える必要がある」ということは非常に大切です。

 株式投資をしていると陥りがちになるのが、金融商品のリターンやリスクだけに目線を向けてしまうということです。

 ・Aという株式は年利10%で高リスク

 ・Bという株式は年利5%で低リスク

 このようなリターンとリスクに目線を向けがちになりますが、資産形成で大切なことは全体のバランス感覚です。

 ・国債

 ・現金

 このような安全資産と株式などのリスク資産など、全体を加味してリターンとリスクを考える必要があるということです。

 そのため、状況によっては「全世界株式インデックスファンドを新NISAに使う」というのは資産形成上、自分と合っていないというケースはありふれているということです。

 ・株式50%、現金50%のアセットアロケーションを維持したい

 ・資産を年利4%で増やしていきたい

 この2つを同時に考えるのであれば、全世界株式インデックスファンドはリスク資産として不適切であるケースがあるということです。

 現金などの安全資産を多く保有しつつ、年利4%と高い利回りを求めるのであれば、株式部分ではもっとリスクを取る必要があるということです。

 大切なことは自分自身でしっかりと考えて答えを出すことです。

 ・有名なブロガーが全世界株式インデックスファンドがいいと言っている

 ・全世界株式インデックスファンドは優れているのだから間違いない

 新NISAの使い方、資産形成においてこのような考え方は非常に危険であるということです。

 ・現在のアセットアロケーション

 ・今後構築するアセットアロケーション

 ・ライフプラン

 ・キャッシュフロー

 このようなことが少しでも異なれば、人によって新NISAの使い方は変わってくるのが当たり前です。

 もちろん、他人の意見を聞いて、参考にすることは大切です。

 しかし、最終的には、自分自身で考えて答えを出すことが大切だと私は考えています。

 ご覧いただきありがとうございました。

 新NISAの使い方で金融商品選択は必ずしも重要ではないですね。大切なことは別にあります。

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 新NISAを使えばiDeCoをどのようにすればよいのかについては、こちらで記事にしています。

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 新NISAの積立投資シミュレーションはこちらで記事にしています。

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