1980年代の日本
1980年代は今の労働者世代の親が働いていた年代です。日本は今では考えられないような好景気、いわゆるバブルの湧いた世代ですね。
・給料は右肩上がり
・ボーナスは新卒で200万円
・日経平均株価は最高値
このようなことが起こっており、今では考えられないような経済状態です。
1位 NTT
2位 日本興業銀行(現在のみずほ銀行)
3位 住友銀行
平成元年の世界時価総額ランキングを確認すると、TOP3は全て日本の企業です。
10位以内に目を向けると、日本企業が7社ランクインしています。(11位はトヨタ自動車です)
しかし、現在は43位にトヨタ自動車が入っているのみで、トップ50の多くが米国企業です。
1980年代の資産形成
1980年代の日本は会社員が非常にお金を稼いでいた時代です。
正に、働けば働くだけ給料が増加していき、働くことが生きがいとされていた時代です。
・企業戦士
・月月火水木金金
・24時間戦えますか
このような言葉が生まれたのもこのような時代ですね。そして、資産形成は銀行預金だけで十分でした。
このグラフからわかるとおり、1980年代後半の銀行預金は定期預金なら年利6%、普通預金でも年利2%ほどあったからですね。
これならば、株式などでリスクを取って資産運用する必要性はないですね。定期預金に預けているだけで、12年で資産が倍になる時代であったということです。
親世代の人生の常識
そのようなバブルの時代では、その時代に合わせた常識というものがありました。
・住居は新築住宅
・妻は専業主婦
・車は一家に一台
・どんなに遅くても60歳で定年退職
・定年退職後は年金とマイホームで悠々自適に生活
1980年の労働者世代にとっての人生の常識はこのようなものですね。
しっかり働いてしっかり稼ぐことができればよい生活を送ることができ、定年退職時に資産形成ができていなくとも、退職金と年金で十分暮らしていくことができるのがスタンダートだということです。
年金支給額については、平成14年なら夫婦で月25万円(夫が厚生年金、妻が専業主婦の場合)です。
・住宅ローンを完済している
・豊富な退職金
それに加えて、このような金銭的事情を考えると、年金受給金額が月25万円あれば、十分な老後生活を送ることが可能だったということです。
しかし、現在の環境はこのような時代から大きく変化しています。
親世代の常識は通用しない時代が来ている
1980年から40年以上経過した現代において、日本の経済状態は変わっており、国民の経済状態や労働形態も変化しています。
・税金の増加
・社会保険料の増加
・年金受給金額の低下
・年金受給開始年齢の引き上げ
・終身雇用の崩壊
・年功序列の給与形態の崩壊
40年前と比較すると、ざっと思いつくだけでもかのようなことがあります。
そして、このようなことは今後ますます進んでいくことは避けられないといってよいですね。
そのため、現在の公務員や会社員のような労働者世代は、お金に困らないために、親世代とは全く違った方法で資産形成していく必要があるのということです。
・住宅
・マイカー
・保険
・浪費
ずばり言ってしまえば、このようなことお金を使うのはよく考える必要があるということです。
そして、預貯金だけで資産形成していくことについても疑う必要があるということです。
・ノーリスクである程度のリターン
このような資産形成は難しいものになっているということです。
40年前と状況が変わっているにも関わらず、親世代の常識を当てはめて考えてしまうと、資産形成が非常に難しくなる可能性があるのですね。
YOHの考え
親世代の常識的な生活や資産形成、老後に対する考え方は現代において、通用しないものになりつつあります。
そして、今後は、ますますその傾向が加速していくことは避けることができないと私は考えています。
・親の希望で5000万円の新築一戸建を購入
・親が危ないと言っているから株式投資をしない
それなりに年を重ねた公務員や会社員にも関わらず、このような考えで行動している方が一定数おられます。
当然ですが、高額な住宅購入や株式投資が良いか悪いかは本人が考える問題です。
私は新築マイホームや預貯金だけの資産形成を全否定しているわけではありません。
自分自身でしっかりと知識を習得して、判断しているのであればそのようなことにお金を使うことに問題ありません。
持ち家や預貯金だけの資産形成がよいものになるか悪いものになるかはその人次第です。
そして、そのような判断は自分でする必要があるということです。
・高額な住宅ローンを組んで生活が苦しい
・株式投資している同僚が大きく資産を増やしている
このようなことになった場合、親の意見を鵜呑みにして行動していると、親に責任転嫁してしまうことがあるのですね。
私は今の平均的な年収の公務員や会社員が年金だけで老後を悠々自適に生活することは不可能だと私は考えています。
・70歳までの住宅ローン
・定年退職時に資産が1,000万円以下
・生活水準を収入に比例して上げて行く
このようなお金に対する取り組みをしていれば、人生を金銭的に難しいものにしてしまう可能性が高いということです。
・定年退職後もアルバイトをする
・生活水準を一気に落とす
・お金の不安が常にある
親世代の常識のままでは、このようなことになるかもしれないと、私は考えています。
・家族と楽しい時間を過ごす
・友人と楽しい時間を過ごす
人生の最後までこのようなことを求めるのであれば、金銭的な準備は欠かせません。
年金だけに頼るのではなく、現役世代時に資産形成をしておく必要があります。
そこには親世代の常識ではなく、自分で考えて行動する必要があるということです。
昔のままで思考停止していては、経済的に難しいことになる時代がきていると私は考えています。ご覧いただきありがとうございました。
厚生年金は元を取ることが難しいですね。金融商品として見た場合、投資不適格な金融商品と考えておいてよいですね。
90歳まで働くというのは今後起こりうることかもしれないですね。そのようなことを避けるためには、金銭的な準備をしておく必要があるということです。
年金積立金については、GPIFが管理運営をしています。この1年は運用損を出していますが、全体的な運用は極めて順調ですね。