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【新NISAの使い方】金融商品や銘柄選定よりも大切な判断基準とは

新NISAの運用方法

 2024年からはじまる新しいNISAの運用方法というのは資産形成をしている世帯にとって非常に重要です。

 ・年間投資上限額 360万円

 ・生涯投資可能枠 1,800万円

 この金額は一般的な投資家にとっては非常に高額で運用方法によって運用益に大きな差が出るからですね。

 私自身、新NISAの運用方法についてはブログやYouTubeを中心に情報収集していますが、その中で目に付くのが、投資信託のみで生涯投資枠を埋めるのが最も効率的でよいいう情報です。

 ・生涯投資枠に上限がある

 ・配当金再投資

 この2つの点から考えた場合、優良な指数をベンチマークとしており、手数料の割安な投資信託を新NISA購入に充てることは理にかなっているのですが、必ずしも投資信託のみで新NISAの生涯投資枠を埋めることが正しい選択ではない、というのが私の考えです。

 新NISAについては、どのような金融商品を購入すればよいかということに目を向けがちですが、それよりも大切な判断基準があるというのが私の考えです。

 ずばり言ってしまえば、大切な判断基準とは「時間」です。

 ・新NISAについて

 ・新NISAを運用するための最も大切な判断基準とは

 今回は新NISAの運用方法についてこの2点を中心に触れてみたいと思います。

新NISAについて

 まずは、新NISAについて軽く触れておきます。

 新NISAで最低限抑えておきたいポイントは以下の2点です。

 ・年間投資上限は360万円(成長投資枠240万円、つみたて枠120万円)

 ・生涯投資枠は1,800万円、売却益、配当金は無期限で非課税

 それぞれについて紹介していきます。

年間投資上限は360万円(成長投資枠240万円、つみたて枠120万円)

 新しいNISA制度で抑えておきたいポイントの1つ目としては、「年間投資上限は360万円」ということです。

 ・一般NISA枠 240万円(生涯1,200万円)

 ・つみたてNISA枠 120万円

 それぞれの年間投資上限額はこのようになっています。合計すると年間360万円までNISA制度を使って株式投資をすることができるということです。

 先ほど現行のNISA制度ではできないと触れた、個別株式を購入しつつ、投資信託を購入する、というような使い方ができるということです。

 注意点としては、一般NISA枠は生涯投資枠が1,200万円に設定されているということです。

生涯投資枠は1,800万円、売却益、配当金は無期限で非課税

 新しいNISA制度で抑えておきたいポイントの2つ目は「生涯投資枠は1,800万円、売却益、配当金は無期限で非課税」ということです。

 新しいNISA制度は年360万円まで使うことが可能ですが、生涯で使うことができる金額に上限を設けています。

 それが、一般NISA枠とつみたてNISA枠合わせて1,800万円です。そのため、年間投資上限額を使い続けると、5年で生涯投資枠を使い切ることになります。

   

 ・一般NISA枠 240万円(1,200万円)

 ・つみたてNISA枠 120万円(600万円)

 このような形になりますね。しかし、つみたてNISA枠だけを使うのであれば、つみたてNISA枠の年間上限額120万円を15年間使い続けることができます。

 ・一般NISA枠を使いつつ、つみたてNISA枠を満額使い切る

 このような投資手法を個人によって使い分けることができるということです。

 そして、売却益、配当金にかかる税金が無期限で非課税になるということです。

 ・ロールオーバー

 ・投資期間と運用期間

 このようなことを気にする必要が無くなるということですね。

新NISAを運用するための最も大切な判断基準とは

 新NISAについて、この2つのポイントを考えた場合、投資信託を積み立てるのが最もよい運用方法のひとつだということは明らかです。

 ・投資信託自体の価値が上昇していく

 ・配当金を受け取ることなく再投資をして非課税枠を増やすことができる

 投資信託積立投資にはこのようなメリットがあるからですね。個別株やETFなどの配当金をその都度受け取る金融商品を選択した場合、非課税枠を増やすことができるというメリットを使うことができないということです。

 しかし、新NISAを投資信託積立で運用するためには、前提条件として長期投資であることが欠かせません。

 ・投資期間を最低20年間取ることができない

 ・長期的に資産増加させるよりも年金の足しになるようなキャッシュフローが欲しい

 このようなケースであれば、新NISAで投資信託積立を選択することは不正解になり得る可能性が高いことになります。

 このように考えると、新NISAを運用するに当たって最も大切な判断基準とは、「自分がどれぐらいの運用期間を取ることができるのか」ということです。 

 ・新NISAで超長期投資をすれば含み益が出る可能性が極めて高い

 ・超長期の積立投資は入金力があれば誰にでも取り組むことができる

 このように言われており、これは確かなことですが、超長期投資で含み益が出るという結果がわかるのは、投資運用期間完了した30年後になります。

 ・積立期間中に暴落が起こって含み損を抱える期間が長く続く

 ・積立期間完了後も含み損を抱えたままの期間が長く続く

 このようなことは往々にして起こります。そして、このような含み損を抱える時間が長い場合、年を重ねていることは不利に働くということです。

 実際に、1928年から1939年までのS&P500のパフォーマンスはこのようになっています。

 この期間に積立投資をしていた場合、含み損を抱える期間は非常に長いものになってしまいます。

 投資運用期間が終了した時には含み益が出ていますが、それには含み損が継続する長い期間を耐える必要があります。

 ・30年後の投資運用期間終了時点で含み益が出る

 仮に、50歳で新しいNISAの積立投資をはじめた場合、投資運用期間終了時点で80歳に達しています。

 積立投資をする場合、そこまでの年齢になるまで待つ必要があることを覚悟しなければならないということです。

 日本人の平均寿命が男性81歳、女性86歳であることを勘案すると、誰にとっても新NISAで投資信託積立の長期投資が最適解とはならないということです。

 ・日本株で高配当株ポートフォリオを組む

 ・米国高配当ETFで成長投資枠1,200万円分を使う

 運用期間によっては、このような使い方が最適解になり得ることは十分にあり得るということです。

運用益を最大化することだけが最適解ではない。

YOHの考え

 今回は新NISAについて、金融商品選定以上に大切な判断基準について考えてみました。

 ・個別株、ETF、投資信託どれにしよう

 ・投資信託であれば全世界、全米どちらにしよう

 新NISAの運用方法については、このようなことに目を向けてしまいがちですが、それよりも大切なことは「自分がどれぐらいの運用期間を取ることができるのか」をしっかりと考えることです。

 それによって、新NISAの運用方法の最適解というのは異なってくるからですね。

 実際のところ、「自分がどれぐらいの運用期間を取ることができるのか」ということをある程度決めることができれば、選択する金融商品や銘柄というのは決まってきます。

 ・全米株式インデックスファンドで30年間運用しよう

 これは新NISAの金融商品、銘柄選定としては順番が正しくないということです。

 ・運用期間が30年間取ることができるので、全米株式インデックスファンドを積立投資しよう

 こちらの方が決める順番としては正しいというのが私の印象です。

 ・現在60歳で老後生活の足しに新NISAを使いたい

 仮に、私自身がこのようなケースであれば、成長投資枠の1,200万円は日本の高配当株ポートフォリオを組むことを考えます。

 ・1,200万円で年利4%ほどのセクター分散された日本の高配当株ポートフォリオ組む

 ・年間48万円の安定した配当金を得て、年金の足しにする

 このような運用方法を考えるということです。20年後の80歳時点で新NISAの含み益が大きくなっているよりも、毎年コツコツと課税されない配当金をもらうことの方がメリットが大きいと感じるからです。

 新NISAの運用で抑えておきたいのは以下の2点です。

 ・運用益が非課税

 ・損益通算できない

 この2つのポイントを踏まえると、NISA制度を使うのであれば、必ず含み益を出す必要があるということです。

 現在30歳で30年間の長期運用完了時に60歳というようなケースであれば、長期運用をすればよいのでしょうが、現在50歳であれば長期運用はしないという選択肢を取ることは間違いではないですね。

 新しいNISAで大切なことは、個人の置かれている状況によって使い方の正解は大きく異なるということです。

 ・長期投資

 ・積立投資

 ・S&P500に資産投下

 このような使い方は一例でしかないということです。

 若くて入金力が継続するのであればこのような使い方がよいのでしょうが、誰にとっても正解かと言えば、そうではないということです。

 新しいNISAについては、制度開始まであと5カ月あります。その中で、自分にとって最適な使い方を考える必要があるということです。

 ご覧いただきありがとうございました。

 新NISAをS&P500で運用した場合のシミュレーションはこちらで記事にしています。

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 積立投資のケースはこちらで記事にしています。

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 年間投資額によるパフォーマンスの差についてはこちらで記事にしています。

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