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【金融商品選択は重要ではない】新NISAで全世界・全米論争に欠けている思考とは

新NISAの資産投下先

 あと4カ月で2024年になり、新NISA制度の運用がはじまります。

 新NISA制度は多くの投資家にとって株式投資の重要な部分を担うことになりますね。

 ・生涯投資枠 1,800万円

 ・投資枠が全額、生涯非課税

 このような制度設計を考えると、新NISA制度だけで1億円を作ることも不可能ではないと私は考えています。

 そして、新NISAの運用方法については、様々な媒体から情報を得ることができますが、万人におすすめできる方法というのは投資信託による運用ですね。

 ・優良な指数をベンチマークとしている

 ・ランニングコストが割安

 このような投資信託で生涯投資枠1,800万円を使い切ってしまうという運用方法です。

 この運用方法自体は非常に合理的で、長期投資前提であれば、資産を増やすことができる可能性が極めて高いということです。

 そして、この運用方法で意見がわかれるのが、「全世界株式インデックスファンドか全米株式インデックスファンドにするか」という論争です。

 ・これからは中国やインドの時代だから全世界がよい

 ・全世界はリターンが低いから全米がよい

 論争の焦点を非常にザックリとまとめるとこのような形ですね。

 この考え方自体は間違っていないのでしょうが、私自身はこの全世界、全米どちらを選択するかについては、資産形成において重要度は極めて低いと考えています。

 ・全世界、全米どちらを選択するかよりも大切なこと

 ・資産形成においては何が最も大切か

 今回は新NISAの使い方で起こる全世界、全米論争についてこの2点を中心に考えてみたいと思います。

全世界、全米どちらを選択するかよりも大切なこと

 私は新NISAの使い方で全世界、全米どちらを選択するかは資産形成において、それほど重要ではないと考えています。

 その最も大きな理由のひとつが投資のリターンに大きな影響を与えるのはアセットアロケーションであるからですね。

 アセットアロケーションとは、どの資産クラスにどの程度の比率で資産を配分するか、ということです。

 ポートフォリオと混同されがちですが、内容は違っています。ポートフォリオはアセットアロケーションの過程に基づいて作成される結果です。

 ・株式 50%

 ・現金 50%

 このように自分の資産をどの資産クラスに振り分けるか、というのがアセットアロケーションの作成です。このアセットアロケーション作成の過程に基づいてポートフォリオを作成することになります。

 ・株式50%(全米株式50%、全世界株式50%)

 ・現金50%(普通預金50%、定期預金50%)

 このカッコ内がアセットアロケーションに基づいたポートフォリオになるということです。

 そして、長期投資においての運用パフォーマンスはどの金融商品に資産投下しているかに影響を受けるのではなく、どの資産クラスに資産投下しているかによって大きく影響を受けるということです。

 逆に短期投資においてはどの金融商品に資産投下しているかが運用パフォーマンスに大きな影響を与えることになります。

 そして、新NISAは長期投資と相性がよい制度設計であることを考えると、金融商品の選択ではなく、アセットアロケーションをどのようにするかが重要であるということです。

 ・A・・・株式20%、現金80%のアセットアロケーションで株式部分は利回りの高い全米株式

 ・B・・・株式50%、現金50%のアセットアロケーションで株式部分は利回りの低い全世界株式

 この2つのケースで比較すると、利回りの低い全世界株式株式投資を選択しているにも関わらず、投資リターンはBの方が多くなるということです。

 株式部分の割合を大きく取るといったリスクを取っているからですね。

 このようなことから考えても、株式投資におけるリターンで重要なのはアセットアロケーションをどのように構築するか、ということです。

積み上げ方によって考え方は異なる。

YOHの考え

 今回は新NISAの使い方で起こっている全世界、全米どちらにする論争について考えてみました。

 私としては、全世界、全米どちらを選択するかについては、資産形成においてそれほど重要ではないと考えています。

 ・全米の方がリターンが高い

 ・全世界の方が安定性に優れている

 このようなことが言われますが、これはあくまでも過去の推移からの話であって、今後どのようになるのかはわかりません。

 株式のリターンというのは、短期で読むことはできませんが、長期であっても同様です。

 ・必ず年利4%以上のリターンを出してくれる

 ・銀行預金や日本国債よりも利回りに優れている

 このようなことはそれほど考えない方がよいということですね。

 ・20年以上の長期投資をすればプラスのパフォーマンスを出す可能性が高い

 全世界、全米株式においては、これぐらいの温度感で構えておいた方がよいということです。

 長期投資において最も大切なことは、自分の資産をどの資産クラスにどの程度配分するかを決めるアセットアロケーションの構築です。

 ・新NISAは全世界、全米どちらにしよう

 このようなことはそれほど大切ではないということです。

 それよりも資産クラスの配分をきちっと決めることが運用パフォーマンスは上がるということです。これは考えてみれば当たり前と言ってよいですね。

 株式を例に考えてみれば、ポートフォリオで資産クラスの一部である株式を細かに調整するよりも、アセットアロケーションを調整して株式全体の割合を調整した方が運用パフォーマンスに与える影響が大きいということです。

 資産形成は株式などのリスク資産だけで考えるのではなく、現金などの安全資産を含めた全体で考える必要があるということです。

 そのため、アセットアロケーションで株式の割合を決めてしまえば、金融商品の選択で悩む必要はそれほど無いということです。

 それよりも、アセットアロケーションの株式割合を維持することの方が運用パフォーマンスに与える影響は大きくなるということです。

 全世界株式や全米株式は長期的に資産投下していれば資産増加させてくれることはほぼ間違いないと言ってよい金融商品です。

 そして、どちらにも一長一短があり未来のパフォーマンスは分かりません。現時点でどちらを選べばよいかは誰にもわからないということです。

 資産運用で大切なことは自分でコントロールできる部分をしっかりとコントロールすることです。株式のパフォーマンスはコントロールできませんが自分で構築するアセットアロケーションはコントロールしやすいのですね。

 それならば、長期投資においては金融商品の選択よりもアセットアロケーションのコントロールが大切だと私は考えています。ご覧いただきありがとうございました。

 ポートフォリオ内の現金比率の決め方についてはこちらで記事にしています。

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