S&P500が弱気相場入り
6月13日の米国株式市場でS&P500が3.9%安となり、今年の1月3日につけた過去最高値から21.8%下落することとなりました。
直近高値から20%以上の値を下げることを弱気相場と言い、今回のS&P500の下落は弱気相場入りしたことを示しています。
・物価高
・利上げ
・原油高
・景気先行きの懸念
・ウクライナ情勢
様々な要因が重なり合って弱気相場となりましたが、その中でも顕著なのがNasdaqをはじめとするハイテク株の落ち込みが大きな要因であることは間違いないと言ってよいですね。
ここ10年間の米国株式の成長を支えてきたハイテク株の成長に陰りが見えるということです。
時価総額の大きい株式のウェートが大きいS&P500やNasdaq100などはその影響をもろに受けているため、ハイテク株が大きく下落を続ければ、他の業種の業績がよくてもかカバーしきれないということです。
S&P500の過去30年間の暴落
S&P500は過去30年間で3度の大暴落を経験しています。
・2000年12月 ITバブル崩壊
・2008年9月 リーマンショック
・2020年3月 コロナショック
過去30年間で見ると、この3つの大暴落をS&P500は経験しています。最も下落率の大きいのは2008年のリーマンショックでこの時は下落が止まるまで16カ月かかり、数値的には56.2%の下落、元値に戻すまでに65カ月を要しています。
この時に米国株式を中心に株式投資をしていた投資家は16カ月かけて資産が半分になり、それが65カ月続くことに耐える必要があったということです。
そして、2000年12月のITバブル崩壊は下落率が46.2%、元値に戻すまでに81カ月を擁しています。暴落率はリーマンショックには及びませんが、元値に戻すまでには最も時間がかかっています。
・ITバブル崩壊の下落率が56.2%
・リーマンショックから元値に戻すのにかかったのが81カ月
この2つの数字がS&P500をはじめとする米国株式がどこまで下がるのかを考える上でひとつの目安になるということです。
弱気相場でインデックス投資家がするべきこと
米国株式市場は第2次世界大戦以降で13回の弱気相場を経験しています。しかし、米国株式市場は年を重ねるごとの成長を続けています。それはS&P500のチャートを見ても明らかです。
しかし、これからも上昇していくのかはわかりません。そんな時は誰しもが弱気になります。
・このまま株価が上がらなかったらどうしよう
・株価が上がらないまま円高になればさらに評価額が減る
・過去にない大暴落の真っただ中にいるのではないか
このようなことを考えてしまうということです。そんな時にインデックス投資家がするべきことはひとつだけです。
・積立額を変えずにただただ淡々と積立投資をしていく
これしかすることが無いということです。ずばり言ってしまえば、大きな行動を起こす必要は無いということですね。
・市場が落ち着くまで買い控える
・ナンピンする
・他の投資信託やETFに乗り換える
・投資対象を変更する
このようなことをする必要は無いということです。
YOHの考え
投資の格言に「休むも相場」という言葉があります。相場の先行きがわからない時や明らかに形成が不利な時は動かないということです。
投資は「売る」、「買う」だけではなく「休む」ことも必要だということです。しかし、長期のインデックス投資においては「休む」必要はないということです。捉え方によっては、常に休んで投資をしているということです。
・右肩上がりの指数をベンチマークとしている金融商品
・手数料が安い
このような投資対象に超長期的に淡々と資産投下を続けるのがインデックス投資の本質です。そのため、相場がどのようになろうと投資手法を変える必要が無いということです。
確かに、今回のようにS&P500が弱気相場入りしたことは経済ニュースなどでも取り上げられるため、気にしないわけにはいきません。そして、自身の資産額が目減りしていることも気持ちのよいものではありません。
しかし、インデックス投資とはそういうものだと割り切ることが大切だということです。インデックス投資ははじめるのは簡単ですが、それを継続することは誰にでもできることではありません。それは、お金持ちが少ないことを見ても明らかです。
インデックス投資で最も大切なのは自分自身を信じることです。それは投資に限ったことではありません。
・仕事を続けて長期的に安定したキャッシュフローを得ることができる
・収入を下回る支出の生活を長期的に続けることができる
インデックス投資を継続するにはこのようなバックホーンも非常に大切です。私自身もインデックス投資を継続していますが、そこにはこのようなバックホーンと多めの貯蓄があるからですね。
・決めた投資対象を信じて淡々と資産投下していく
インデックス投資の本質を掴んで、自分のバックホーンが十分にあればこのようなことは難しいことではありません。それを継続することがインデックス投資で資産形成することにおいて大切だと私は考えています。
ご覧いただきありがとうございました。
インデックス投資において厚切りジェイソン氏の書籍は参考になりますね。
下落局面においては、普段気にならない金融商品が気になりますね。そんな時の考え方はこちらで記事にしています。
下げ相場で大切なことは投資の知識ではありません。もっと具体的なものですね。