現在の不安定な米国株式市場
現在、米国株式市場は不安定な状態が続いています。米国経済が深刻なインフレに悩まされており、連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げが注目されていました。
・通常の利上げは0.25%
・6月は0.75%利上げされるのでは
このような警戒感から米国株式市場では売りが先行して保有株式を現金で保有する動きとなり、米国株式の値は大きく下げました。
しかし、結果的には0.5%の利上げとなり、0.75%の利上げを見込んで警戒されていた米国株式市場に再び資金流入されることとなり、株価が大きく上昇しました。
・利上げの警戒感から株価が大きく下落
・利上げが予想よりも緩やかであったため、株価が大きく上昇
しかし、株価が大きく上昇した翌日、ハイテク株を中心に米国株は大きく値を下げることとなります。
・グーグル
・アップル
・テスラ
・エヌビディア
このようなハイテク株が大きく売られることによって、ナスダックは大きく指数を落とすこととなりました。今の米国株式市場はこのような大きな上下動を繰り返しているということです。
インデックス投資家への影響
このような米国市場の不安定感を受けて、多くの株式市場は値を下げています。
・全世界株式指数
・全米株式指数
・S&P500
・ナスダック
これらを軸として、投資信託やETFで資産投下しているようなインデックス投資家で資産を減少させていない投資家はいないといってよいですね。
・赤色・・・VT
・緑色・・・VTI
・青色・・・VOO
・オレンジ色・・・QQQ
このグラフは上のETFの直近1カ月の値動きです。どれに資産投下していても大きく値を下げていることがわかります。
このような状況は、長期的に資産を増やすことを目的として資産運用をしているインデックス投資家でも不安になるということです。
・含み益が大きく減少している
・含み損が出ている
・iDeCoやつみたてNISAが元本割れしている
特に1~2年でインデックス投資をはじめた投資家はこのような状況にさらされているということです。このような場合、非常に不安になることは誰しもにあることです。
・このまま株価が戻らなければどうなるんだろう
・株式投資した分を貯蓄に回しておけば含み損を抱えることはなかった
このような気持ちからインデックス投資自体を辞めてしまうことも十分にあり得るということです。
いくら知識があっても下がる資産を見続けるのには限界がある
・米国株式市場に15年以上資産投下していれば、元本割れすることはない
・米国株式市場は年利5~6%ほどの成長をみせてきた
・世界経済は大きく発展していることは間違いない
・世界的に見て貧富の差は解消されている
米国株式市場をコアとしているインデックス投資家はこのような考えから、米国株式市場に資産投下しています。そして、個人差はありますが株式投資に関して知識を持っています。
知識の根底としては、このような過去の実績を心の拠り所としています。しかし、どれだけ知識があろうが、現在のような定期的に積立を行っても資産増加しない、あるいは減少している状況を耐え続けることは非常に難しいのですね。
ずばり言ってしまえば、知識や過去に実績以外の心の拠り所が必要だということです。
心の拠り所とするのに最も最適なのはキャッシュ
私はこのような下げ相場で、インデックス投資を続けるのに必要なのは知識ではないと考えています。株式投資に影響を与えるのは、知識や数字を見る力もありますが、メンタル面も非常に大きな要素であるということです。
・知識
・経験
・過去の実績
多くの投資家は相場が下がるのと比例して、このような抽象的なものに懐疑的になるということです。そのため、メンタル面を保つためにはより具体的なものが必要になるということです。
・キャッシュ
・株式以外の資産クラス
・生活費を大きく超える年収
ずばり言ってしまえばこのようなものですね。株式で値を下げていても安心できるだけの金銭的な担保があればよいということです。最も手軽なのはキャッシュですね。
・入手しやすい
・流動性が高い
・数字が減ることはない
このような特徴があるからですね。株式以外の資産クラスと言えば不動産がありますが、資産投下するにはある程度の敷居を超える必要がありますし、生活費を大きく超える年収も同様ですね。
最も準備しやすく担保として適しているのがキャッシュだということです。
YOHの考え
現在のような明るい材料が乏しい下げ相場において、インデックス投資を続けることは簡単ではありません。
・下がっているにも関わらず資産投下し続ける
・上昇の兆しが見えない
・含み損を抱えていても淡々とインデックス投資を続ける
このようなことは誰しもができることではありません。そして、続けることができる投資家というのは多くの場合、別の部分で担保を取っているということです。
・現金
・不動産
・ゴールド
・債券
・年収が生活費を大きく上回っている
このような株式以外の金銭的、資産的な担保を取っていないと下がり続ける株式に資産投下することは普通ではできないとってよいということです。
私も現在の米国株式市場の下落によって含み益が20~25%ほどが飛んでいます。おそらく、今年に入ってからのパフォーマンスは元本割れしているでしょう。しかし、毎日決まった金額をドルコスト平均法で積み立てることができています。
その一番の理由は「キャッシュがある程度ある」ということです。私は株式投資に関しては非常に保守的な性格なので、キャッシュの比率を40~60%の間に保つようにしています。
上げ相場ではそれほど資産を増やすことができませんが、それでもよいということです。
・インデックス投資をこれから20年以上続ける
・定期積立の額を減らすことはしない
私がこのようなことを継続するには、キャッシュの比率を低くしてしまうことはデメリットの方が大きいということです。心穏やかにインデックス投資をするために必要なのは、心の拠り所です。
そして、心の拠り所というのは人それぞれ異なっています。
・貯金が200万円あれば、残りのお金を株式投資に全て投下しても耐えることができる
・貯金が1,000万円あっても株式投資にかけるのは年間100万円
このような考え方は人それぞれだということです。しかし、下落相場で大切なのは、下落に耐えることができるだけの具体的な資産で知識や経験といった抽象的なものでは無いということです。
ご覧いただきありがとうございました。
資産運用を上手くする人についてはこちらで記事にしています。
長期投資で欠かせないのが利回りに対する考え方です。
下げ相場ではポートフォリオの確認も大切ですね。