貯金と投資
2023年に入ってからは株式市場が非常に好調です。
・米国株式
・日本株式
・全世界株式
このような株式に投資をしていた方は大きく資産を増やすことができているということです。
特に目にするのは日本株式の好調さですね。
今年に入ってからの日経平均株価は年初来から7,000円以上も値を上げています。そして、少なくない企業が過去最高の純利益を出しており、株主還元の増配も積極的に行われています。
このような状況になってくるとやや極端な考えが広がることになります。
・余っているお金は全て株式投資をした方がよい
・貯金をしているなんて情報弱者
このような考え方ですね。そして、この考え方というのは非常に危険であるというのが私の認識です。
私自身は貯金と株式投資というのはセットで行うものだと考えています。その理由は貯金と株式投資は両方をすることによって、互いの足りない部分を補う効果があるからです。
・株式投資と貯金の相性がよい理由
・何故、株式投資と貯金の両方をした方がよいか
今回は貯金と株式投資についてこの2点を中心に触れてみたいと思います。
株式投資と貯金の相性がよい理由
株式投資と貯金の相性がよい理由は以下の2点が挙げられます。
・株式投資は必ず下落局面が訪れるが、貯金は減ることがない
・リスクを取ることができる
この点について順番に触れていきます。
株式投資は必ず下落局面が訪れるが、貯金は減ることがない
株式投資と貯金の相性がよい理由のひとつ目は「株式投資は必ず下落局面が訪れるが、貯金は減ることがない」ということです。
先述したように、2023年は日本株式を含めて多くの株式市場が非常に好調です。しかし、これが永久に続くのかと言えばそうではないですね。
1991年から現在までの日経平均株価のチャートを確認してもわかるとおり、株式市場というのは右肩上がり一辺倒で推移していくということはあり得ないのですね。
・短期間で大きなマイナスのパフォーマンスを出す
・数年間は下落局面が続く
このようなことはありふれています。そして、この下落のタイミングや期間を正確に言い当てることは誰にもできません。
・〇〇という経済的イベントがあったから下落局面に入った
・〇〇という要因によって、下落局面が長く続いた
このような有識者やコメンテーターの発言というのは全て後付けに過ぎないということです。
そのため、株式投資をするのであれば、下落局面を受け入れる必要があるのですね。
・保有株式の評価額が半分になった
・投資のために入金し続けても評価額がプラスにならない
・含み損を5年以上抱える
このような事態を受け入れる必要があるということです。そして、保有資産として株式の比率が著しく高ければ、このような状況に耐えることはできないということです。
しかし、ここに貯金があれば状況は違ってきます。貯金というのは使わない限り、数字上の金額が減ることは無いからですね。
・株式の評価額は半分になったが、貯金が十分にある
・貯金だけで生活に困ることはない
このような安心感から株式の評価額が著しく下がったとしても、耐えるだけのメンタルを保つことができるということです。
リスクを取ることができる
株式投資と貯金の相性がよい理由の2つ目は「リスクを取ることができる」ということです。
多く人が株式投資に求めることは「少ない元手を短期間で大きく増やしたい」ということです。
・100万円を1年で1,000万円にする
・1,000万円を1年で1億円にする
このようなことを望んでいるということです。しかし、これには大きなリスクが伴います。多くの場合、このような投資手法は失敗してしまうということです。
・100万円が1年間で50万になった
・1,000万円が1年間で0円になった
このようなになる可能性の方が高いのですね。そのため、現在はインデックス投資が流行っているということです。
しかし、貯金が十分にあるのであれば、インデックス投資を軸にしつつ、大きなリスクを取った投資にも取り組むという選択肢もできるのですね。
・投資資金の5%だけはハイリスクな投資をしよう
・予算を決めて短期集中投資をしてみる
このような選択をすることができるということです。
そして、このようなリスクを取った投資手法をしている間も貯金という余裕があれば、腰を据えて取り組むことができるので、狼狽売りや資金ショートによって撤退する、というようなことは無くなり、よい結果を生むことができる可能性も高まるのですね。
YOHの考え
今回は貯金と株式投資をセットで行う必要性について考えてみました。
私は長期のインデックス投資を軸に資産運用をしていますが、ポートフォリオ内の現金比率は50%以上を保つようにしています。
そのため、今年に入ってからの株式市場の好調さと比較すると資産増加具合は非常に緩やかです。
・上昇局面で利益を取り逃がしている
・現金の価値はインフレによって年々目減りしていく
ポートフォリオ内の現金比率が高いことについてはこのように感じる方もおられるでしょうが、私はそれでもよいと考えています。
超長期投資を軸にしている場合、大きく資産を増やすよりもメンタル面で安心できるような環境を作っておくことが大切だと考えているからですね。
株式投資をしていると感じることは、私を含めて多くの人は下落局面においてはメンタルが著しくやられてしまうということです。
・資産評価額の下落が気になって仕事が手に付かない
・お金のことばかりを考えてしまう
このようになりがちだということです。しかし、このような時に貯金が十分にあれば強い気持ちを持ち続けることができるということです。
株式投資のセーフティーネットとなり得るのが貯金だということです。
・貯金なんて機会損失だ
・株式は長期的に右肩上がりだから現金は持つだけ無駄
このような考え方で資産増加させていくことができる投資家というのは、選ばれた投資家だということです。
・損失をリカバリーするだけの収入が本業である
・人並み外れて下落耐性が強い
このような限られた投資家のみだということです。一般的な収入でコツコツとインデックス投資をしていると、上昇局面においては、ついつい大きく資産投下しがちになります。
しかし、貯金と株式投資はセットで行うことによってこそ、資産形成は順調に進んで行くものであると私は考えています。
ご覧いただきありがとうございました。
貯金というのは人生においてできるタイミングというのは限られています。その機会はそれほど多くはないですね。
貯金と株式投資をセットで行っていても資産5,000万円以上にすることは十分に可能です。
貯金というのは老後において大きなセーフティーネットとなります。