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【あえてプライムに移行しない】東証市場再編は個別銘柄選定のチャンス

東京取引証券所の市場再編成

 2022年4月4日から東京証券取引所の市場が再編成されることになります。

 ・プライム

 ・スタンダード

 ・グロース

 東証一部、東証二部、マザーズ、ジャスダックに区分けされていた市場がこの3つに分けられることになりました。

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出典 日本取引所グループ

 背景としては、東証一部の企業が増えすぎて質が担保できなくなっていることが挙げられます。

 ・東証一部に上場するには時価総額250億円以上が必要だが、東証二部やマザーズからの一部上場は40億円でよい

 ・一度東証一部に上場すると、上場廃止や二部に落とされる基準は非常に緩く、同じような企業が多いことから、積極的な成長が期待できない

 質が担保できなくなっている主な理由はこの2点だと、私は考えています。そして、東証一部上場企業はTOPIXに組み込まれます。

 ・eMAXIS TOPIXインデックス(投資信託)

 ・NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信(ETF)

 TOPIXに連動する投資信託やETFにはこのようなものがありますが、国内投資家、外国の投資家や機関投資家には見向きもされていません。上場基準が緩いため、資産投下するに値しないような企業が多数含まれているからですね。

 ・粉飾決算や不正会計を何度もしている

 ・赤字を出し続けているが、是正する意思が乏しい

 このような企業が東証一部には存在するということです。優良な企業も数多く含まれていますが、インデックスとして丸ごと買うことはできないのがTOPIXに連動する投資信託やETFです。

区分け発表

 1月11日に、どの企業がどこに区分けされるのかの発表がありました。

 ・プライム 1841社(全て東証一部から)

 ・スタンダード 1477社(主に東証一部、東証二部、ジャスダックから)

 ・グロース 459社(主にジャスダック、マザーズから)

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出典 毎日新聞

 毎日新聞さんに掲載されていた図が非常にわかりやすいですね。東証一部からは約84%の企業がプライムに移行することになりました。

プライムに属する企業

・株主800人以上

・流通株式比率 35パーセント

・流通株式総額 100億円(持ち合い株や政策保有株は流通株式としてカウントされない)

・時価総額 250億円

・最近2年の利益が25億円または売上高100億円、時価総額1000億円

 全てではありませんが、プライムへの上場基準はこのようになっています。プライムに属することは企業にとって大きなメリットがあります。

 ・会社としての信用の担保

 ・人材確保

 ・資金調達

 このようなことで、スタンダードに属しているよりもメリットが受けられるのですね。一方でデメリットも存在します。

 ・コーポレートガバナンスの開示

 ・英語での情報開示

 このようなことがデメリットとして挙げられます。

あえて東証一部からスタンダードを選択する企業

 東証一部上場企業でプライムに移行しなかった企業には2種類あります。

 ・プライムに行きたいが基準を満たしていない

 ・プライムに行く基準を満たしているが、デメリットを考えてプライムに移行しない

 プライムは「グローバルな投資家と建設的な対話を中心に据えた企業向けの市場」という位置づけです。ずばり言ってしまえば、外国の投資家から株式を買って欲しいということです。

 ・コーポレートガバナンスの開示

 ・英語での情報開示

 そのため、この2つを条件に組み込んでいるのですね。

 ・TOYOTA

 ・SONY

 ・ファーストリテイリング

 ・任天堂

 このような日本を代表するような企業は何の問題もないのですが、東証一部の企業全てが外国の投資家から株式を買ってもらえるようなビジネスモデルを展開しているわけではありません。

 ・国内販売が売り上げの95%

 ・社員は全てが日本人

 このような企業が東証一部には少なからず存在します。そのような企業にとっては、コーポレートガバナンスの開示や英語での情報開示は非常に負担になるということです。

 そして、プライムに属していなければ、このようなをする必要はなく、従来通りでよいということです。あえてスタンダードを選ぶことによって、負担を軽くする選択をする企業があるということです。

 ・人件費

 ・設備投資

 浮いた資金はこのようなことに使うことができ、企業の発展に寄与するということです。

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市場再編は看板に囚われずに、株主のことを第一に考えている企業を選定するチャンス。

YOHの考え

 今回の東京証券取引所の再編は外国の投資家(特に機関投資家)に日本企業の株式を購入して欲しいために行うものです。

 しかし、東証一部の企業の内、約84%がプライムに移行するということは、顔ぶれはそれほど変わらないということです。ここから、徐々に基準を厳しくして絞っていくのかどうかは分かりません。

 私の考えになってしまいますが、この再編でTOPIXに連動する投資信託やETFに資産投下するということは難しいということです。

 ・選抜した100社

 ・プライムの基準をもっと厳しくする

 このようになっていけば、資産投下することを考えるかもしれません。

 しかし、個別銘柄については丁寧に見て行く必要が出てきたと感じています。東証一部からプライムに移行しなかった企業はTOPIXから外れるため、株価が下がる可能性が高いからですね。

 あえてプライムに移行せず、スタンダードを選択した企業は、看板に執着せず、設備投資や人件費に資金を回すことを選択したということです。

 そういった企業の中には資産投下するに値する企業があると私は考えています。そして、丁寧に企業の発信内容を拾っていけば、そのような企業は見つけることができるということですね。

 東証市場再編によって、TOPIXに連動する投資信託やETFの位置づけは変わらないが、個別銘柄については、選定するチャンスが出てきていると私は考えています。

 ご覧いただきありがとうございました。

 TOPIXに連動する投資信託やETFよりも勝ちやすいのは、米国株式インデックスです。

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 TOPIXをポートフォリオに組み込むなら、バランスファンドを検討してもよいですね。

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