YOH消防士の資産運用・株式投資

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資産形成の成否は資産額ではなく資産推移で推し量るもの

資産形成の成否は資産額によって推し量ることはできない

 資産形成というのは人によって捉え方が異なりますが、私は将来に必要なためのお金を増やすことだと考えています。

 ・教育費

 ・老後資金

 主にはこのようなことにかかるお金ですね。

 そして、このような将来に必要なためのことにかかる金額は世帯によって大きく異なります。

 こどもがいない世帯であれば教育費を用立てる必要はないですし、生涯現役で働く意思と健康な身体があれば、老後資金もそれほど気にしなくてもよいということです。

出典 

野村総合研究所、日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計 | ニュースリリース | 野村総合研究所(NRI)

 そのように考えると、この純金融資産保有額ピラミッドの階層でアッパーマス層以上(純金融資産保有額3,000万円以上)の全ての世帯がマス層(純金融資産保有額3,000万円以下)よりも資産形成が成功しているとは一概には言えないということです。

 ・基礎生活費が高く、住宅ローンが残っており、60歳時点の資産が3,000万

 ・基礎生活費が低く、大きな借金がなく60歳時点での資産が1,000万円

 やや極端な例ですが、この2者の場合、資産形成が成功しているのは資産額の少ない1,000万円の方であるということです。

 そのため、資産額が多ければ資産形成が成功しているとは一概には言えないということです。

 それでは、資産形成の成否というのはいったい何で確認すればよいのかと言えば、私は資産推移であると考えています。

 ・資産形成が順調な世帯の資産推移

 ・資産形成が不順な世帯の資産推移

 ・資産形成を順調にするには谷型だけを避ければよい

 今回は資産形成の順不順について、この3点を中心に触れてみたいと思います。

資産形成が順調な世帯の資産推移

 資産形成が順調な世帯の特徴として挙げられるのは、資産推移が長期的に見て山型になっていることだと私は考えています。

 一般的な年収の公務員や会社員で資産形成が順調な世帯の資産推移は以下のようになります。

 ・20歳代から定年退職まで資産を増加させる

 ・60歳の定年退職で大きく資産を増加させる

 ・65歳から年金受給をしながら緩やかに資産を減少させていく

 このような山型の資産推移させていくことができているのであれば、資産形成は順調であるということです。

 図にするとこのような資産推移ですね。

 そして、この山型の資産推移ができているのであれば縦軸の資産額はそれほど重要ではないということです。

 縦軸の上限が1000万円であろうが、1億円であろうが、とくかく山型の資産推移ができているのであれば資産形成は順調に進んでいると考えてよいということです。

資産形成が不順な世帯の資産推移

 一方で、資産形成が順調な世帯の特徴として挙げられるのは、資産推移が長期的に見て谷型になっていることだと私は考えています。

 ・30歳代で住宅ローンなどの大きな負債を抱える

 ・ローン返済をしていき、退職金でローンを完済

 ・年金受給で生活ができなければアルバイトなどで生活費を捻出する

 資産減少の経過は世帯の状況によって異なりますが、生産者年齢の時に資産が少なく、老後に帳尻を合わせるように資産を増加させていくという資産推移です。

 図にするとこのようになります。

 このような谷型の資産推移をしているのが、資産形成が不順な世帯の資産推移であるということです。

 この資産推移というのは資産形成が順調な世帯と同様に縦軸の金額というのは重要ではありません。

 ・年収が高い

 ・20歳時点(資産形成開始時)に資産が1000万円ある

 このような世帯であっても、長期的に見て資産推移が谷型になるのであれば、世帯の資産形成というのは不順なものであるということです。

山に登ることは気持ちが良い。それは資産形成においても同じ。

YOHの考え

 今回は世帯の資産形成の成否について考えてみました。

 資産形成というのはお金を増やしていく行為なので、どうしても金額を意識してしまいます。

 SNSが幅広く普及している現代においてそれはさらに顕著になっていると言ってよいですね。

 自分の世帯の資産額を赤の他人と比較してしまうことは避けられないということです。

 しかし、世帯における資産形成の成否において大切なことは、現在の資産額がどれほどかということではなく、長期的な資産推移であることです。

 この資産推移を山型にするには、収入と支出のバランスを上手にコントロールする必要があります。

 ・年収が高い

 ・短期的に多くの収入を得た

 このようなことだけでは長期的な資産推移のグラフは決して山型にはなりません。

 ・年収が高いがそれを上回るような支出が慢性化している

 ・短期的な大きな収入を無計画に使ってしまう

 このような世帯であれば、一時的に資産が大きくなっても長期的に見れば谷型の資産推移になるということです。

 今回は、谷型の資産推移になる例として住宅ローンを挙げましたが、住宅購入することが資産形成において必ずしもネガティブなことではありません。

 長期的に見て山型の資産推移を維持できるのであれば、下の図のように住宅ローンによって一時的に資産の減少があっても問題ないということです。

 一時的に資産が減少することを避けることは非常に難しいからですね。

 しかし、長期的に資産が減少している状態を維持するのは資産形成においてよいことではないということです。

 資産形成において大切なことは、長期的な資産推移が谷型にならないことです。

 ・直線・・・資産推移がプラス圏で変化がない

 ・波型・・・短期的に資産の増減があるが、全てプラス圏で推移している

 資産推移で最もよいのは山型や右肩上がりですが、プラス圏で資産が推移するのであれば、上のような直線や波型でもよいということです。

 私自身、自分の長期的な資産推移は緩やかな波型になるだろうと考えています。

 図にするとこのような資産推移ですね。

 現在は株式部分で含み損が出ても給料による入金力でカバーできていますが、株式部分が大きくなれば、給料の入金力だけではカバーできずに資産が減少する場面が訪れると予想しているからですね。

 長期的な株式投資を続けていく以上、それは仕方のないことだと考えているということです。

 資産形成の成否において大切なことは資産額が多いことではありません。

 長期的な資産推移を谷型にすることなく、着実に資産形成できているのであれば、資産額が少なくとも資産形成は順調であると私は考えています。

 ご覧いただきありがとうございました。

 年収が高い=金銭的に潤っているということは一概には言えないですね。資産形成に必要なのは収入と支出のバランス感覚です。

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