YOH消防士の資産運用・株式投資

消防士の資産運用、株式投資、仕事について紹介しています。

【長期・積立・分散だけでは不十分】資産形成における適切なリスク管理の考え方

資産形成におけるリスク管理の考え方

 資産形成において大切なことは様々ありますが、ディフェンシブな面で大切なことはリスク管理です。

 ・〇〇ショック

 ・弱気相場

 このようなことによって、資産の価値が大きく下落する時に慌てないように想定されるリスクを未然に防ぐために準備をしておくことです。

 ・発生したリスクを最小限に抑える

 ・その危機から早く抜け出す方法を考えておく

 資産形成におけるリスク管理とはこのようなことが求められるということです。

出典 Googlefinance

 上のチャートは2024年に入ってからのVTとVOOのパフォーマンスですが、非常に好調であることがわかります。

 このような状況と新NISAが開始されたタイミングが重なることによって、やや極端な意見が散見されるようになっています。

 ・現金(日本円)を多く持っていることは機会損失

 ・株式投資をしないなんて情報弱者

 ・生活防衛費を残してあとは全てオルカンを買えばよい

 極端な意見としてはこのような内容ですね。

 確かに資産形成にはタイミングというのは非常に重要で、リスクを取らなければならない場面というのは確実に存在します。

 しかし、リスクを取るというのはあくまでも「適切なリスク」を取るということです。

 そして、適切なリスクとは人によって異なります。

 ・株式の長期・積立・分散だけではリスク管理が不十分な理由

 ・リスク管理で大切なこと

 今回は資産形成のリスク管理についてこの2点を中心に触れてみたいと思います。

株式の長期・積立・分散だけではリスク管理が不十分な理由

 資産形成、特に株式投資のリスク管理で非常に有名な格言は「卵をひとつの籠に盛るな」です。

 要は株式投資においては分散を意識しておく必要があるということです。

 そして、この分散というのは銘柄やセクターに限ったことではありません。

 ・時間

 ・投資タイミング

 このような概念も多分に含まれているということです。分散できるものはできるだけ分散させた方がよいということですね。

 そして、この分散できるものはできるだけ分散させるという投資を簡単に実践することができるのがインデックス投資です。

 ・長期

 ・積立

 インデックス投資は一度はじめてしまえば、この2つを意識せずとも月々決まった金額を自動で買い付けることを継続することができるからですね。

 そして、長期・積立のほかに大切なことは銘柄分散です。

 ・国

 ・地域

 ・セクター

 このようなことをできるだけ分散させることによって、ひとつの国や銘柄にトラブルが起きても他の国や銘柄がカバーしてくれるということです。

 この銘柄分散を意識した金融商品として非常に人気があるのが「eMAXIS Slim全世界株式インデックスファンド(通称:オルカン)」です。

出典 

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | eMAXIS(イーマクシス)

 ・先進国、新興国など世界47か国の株式へ投資

 ・時価総額1.5兆円オーバー(2023年10月時点)

 ・時価総額はきれいな右肩上がり

 オルカンにはこのような特徴があり、非常に分散性に優れています。そして、分散性だけではなく、リターンも申し分ないことが人気の理由です。

 新NISAにおいても、2024年の1月だけで3,400億円の資産が流入しています。

 そのため、リスク管理はオルカンだけを買っておけば十分と言われることがあるということです。

 しかし、資産形成におけるリスク管理とはそれほど簡単なものではないですね。資産形成のリスク管理というのは株式部分だけで行うものではないからです。

リスク管理で大切なこと

 資産形成におけるリスク管理で大切なことは、アセットアロケーション全体でリスクを管理することです。

 ・現金

 ・債券

 ・コモディティ

 ・不動産

 このような金融資産クラスを組み合わせの保有状況、つまりはアセットアロケーションの構築によってリスク管理をしていく必要があるということです。

 株式部分で長期・積立・分散を意識しておけばよい、という考え方というのはあくまでもアセットアロケーションンの一部だけに限ったリスク管理の考え方です。

 ・株式90%(全てオルカン)、現金10%

 このようなアセットアロケーションを組んでいる場合、人によっては分散投資ができているとは言い難いですね。

 ・株式部分についてはオルカンによって分散投資ができている

 ・アセットアロケーションで見れば著しく株式に偏っており、分散性がない

 このように考えることができるということです。そして、株式以外の金融資産クラスをどのように保有するかは人それぞれです。

 ・現金比率が高め

 ・多くの金融資産クラスを規模感に合わせて保有

 このようなアセットアロケーションを組んで資産全体のリスク管理をしているケースも数多くあります。

 そして、そのように資産全体でリスク管理をしているケースであれば、株式部分については長期・積立で時間に分散性を持たせることがデメリットになるケースもあるということです。

 ・分散を効かせ過ぎることによってアセットアロケーション全体の利回りが下がる

 株式部分において長期・積立の投資をすることによって、このようなデメリットを抱えてしまっている可能性があるのが、「株式部分だけでリスク管理を行う」という考え方であるということです。

他人にとって安全でも自分には危険ということは多々ある。

YOHの考え

 今回は資産形成におけるリスク管理について考えてみました。

 資産形成におけるリスク管理とは考え方が様々で人によって捉え方は異なります。しかし、根底に考え方は同じです。

 ・発生したリスクを最小限に抑える

 ・その危機から早く抜け出す方法を考えておく

 この2つを意識して行う必要があるということです。

 極端に言えば、大きく資産が減少する時にこの2つのリスク管理をできるのであれば、どのような方法を取っていても問題ないということです。

 ・少ない銘柄に集中投資をしている

 ・安全資産(現金など)をほとんど持たない

 このような状況でもリスク管理ができるのであれば問題ないということです。

 しかし、多くの人はこのようなリスク資産が極端に多い状況ではリスク管理は不十分になるケースが多いということです。

 そして、リスク管理の考え方として誤っているのは「長期・積立・分散の株式投資」をしているからリスク管理ができている、ということです。

 その最も大きな理由は「資産形成のリスク管理はアセットアロケーションで行うもの」だからです。

 ・現金10% 株式90%

 ・現金50% 株式50%

 この2つのアセットアロケーションの場合、株式部分に何を置くかは人によって答えは様々です。

 株式部分を長期・積立・分散ができているオルカンにしているからリスク管理は十分、というの考え方は不適切だということです。

 しかし、リスクを取り過ぎないこともまた資産形成においてはよいこととは言い難いですね。

 ・リスク

 ・利回り

 この2つが同じであればより分散性がある方を選択するというのは株式投資における鉄則です。

 安全性を重視するあまり、取れる利益を取り逃がすことは自分の資産を上手にコントロールできていないということです。

 自分自身の限られた資産をコントロールして、最小のリスクで最大の成果を出すことを考え続ける必要があるのが資産形成です。

 そのため、適資産形成で最も大切なことは自分自身の状況に合わせた適切なリスクを取り続けることです。

 もちろん、長期・積立・分散の株式投資することが資産形成上、優れていることは明かです。

 しかし、それは自分自身の考えに基づいたものでなければならないということです。

 ・何も考えずに長期・積立・分散の株式投資をしていればよい

 ・株式部分だけでリスク管理を行う

 このような考え方というのは、本当に自分にとって適切であるかはよく考える必要があると私は考えています。

 ご覧いただきありがとうございました。

 世帯の収入が多いというのはそれだけで資産形成において大きなリスクを取ることができますね。公務員ダブルインカム世帯などがその典型例です。

fire-money.hatenablog.com

 定年退職後も働いて収入を得る、ということは非常に優秀なリスク管理方法です。

fire-money.hatenablog.com

 貯金は最も堅実なリスク管理方法のひとつです。しかし、人生において貯金ができるタイミングというのは多くありません。

fire-money.hatenablog.com