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【18年間で788万円】新NISAを使って子育て世帯の教育費を捻出することができるか

新NISAで教育資金の捻出

 2024年に入ってからはじまった新NISAですが、力を入れているのは利用者だけではありません。

 ・銀行

 ・郵便局

 ・証券会社

 このような金融機関も新NISAの顧客獲得に非常に力を入れており、店頭に新NISAのキャンペーンポスターなどを掲示しています。

 そんな中でキャッチフレーズとして目に付くのが「子育て世帯に新NISA」といったこどもに関するお金を捻出するために新NISAを使うことを進めていることです。

 子育て世帯にとってこどもにかかるお金を捻出するというのは非常に大変で、どの世帯も何とかやり繰りしているというのが現状です。

 そのこどもにかかるお金を新NISAでいくらか捻出することができるのであれば、家計は非常に楽になります。

 しかし、子育て費用とは世帯によって大きく異なり、また、捻出方法についても様々です。

 ・子育てにかかる費用

 ・養育費と教育費

 ・新NISAで子育て費用を捻出することはできるのか

 今回は新NISAで子育て費用を捻出することについてこの3点を中心に触れてみたいと思います。

子育てにかかる費用

 子育てにかかる費用は大きく2つに分けて考える必要があります。

 ・養育費

 ・教育費

 子育て費用にはこの2つがあり、それぞれにかかる費用は異なっています。

 養育費とは、主にこどもを育てるための費用です。食費や医療費、衣服費などのベーシックライフにかかる費用が該当します。

 おおよその目安ですが、こどもが22歳になるまでにかかる養育費は2,000万円と言われています。

 子育てにかかる費用でもうひとつは教育費です。学費や学習塾代などの知識や学歴の習得にかかる費用です。

 こちらは大学卒業までに700万円かかると言われています。

 ・養育費・・・2,000万円

 ・教育費・・・700万円

 この2つを見ると、金額の多い養育費の方が用立てることが大変だという印象を受けますが、実際に用立てることが大変なのは教育費です。

養育費

 0歳から22歳までこどもを育てた場合、2,000万円かかる養育費ですが、用意することはそれほど難しいことではありません。一括で用意する必要が無いからですね。

 ・22年間で2,000万円

 ・1年で約90万円

 ・1カ月で7.5万円

 年齢によって上下しますが、保守的に見積もって年間100万円が目安となりますね。この金額は扶養控除の範囲で賄える金額です。

 また、児童手当もあるため、これだけの金額全て世帯の働きで用意する必要はありません。

 世帯主が1人で捻出することが難しい場合であれば、配偶者がパートタイムジョブなどをすれば賄えるということです。

 しかし、養育費は世帯によって幅があるのが現状です。

 ・食費

 ・衣料費

 こういった費用は世帯の創意工夫によって、ある程度削減できるからですね。そして、養育費の扶助は自治体によって差があります。

 泉房穂氏が市長をしている兵庫県の明石市では、18歳未満のこどもの医療費を無料化するなど、子育て支援に非常に力を入れています。

出典 子育てするならやっぱり明石/明石市

 また、第2子以降の保育料の無料化、おむつや粉ミルクの無料配布、中学生の給食無償化など、世帯における養育費の扶助を行っている自治体もあるということです。

 このように考えると、養育費2,000万円というのは、あくまでも目安であり、自治体の補助などを考えると実際に用意する金額は少なくなるケースが多いということです。

教育費

 一方で、700万円と養育費と比較すると少ない金額ですが、多くの世帯で用立てることが困難なのは教育費です。

 ・どれだけかかるか分からない

 ・一括でキャッシュアウトする金額が大きい

 ・工夫によって削減することができない

 用意するのが難しいのはこのような理由からですね。また、世帯によって大変大きく変わるのが教育費の特徴です。

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出典 保険市場

 教育費の700万円というのは、全て国公立に進学した場合の費用です。全て私立の場合は2,200万円かかります。

 ・国公立の場合・・・年間31万円

 ・私立の場合・・・年間100万円

 国公立の場合は、月々のフロー収入や貯蓄で賄えますが、私立の場合は非常に難しいですね。

 会社員・公務員の場合、残業などでどうにかできる金額ではありません。収入で考えると、可処分所得1,000万円以上でスタートラインに立てるのが、ALL私立の教育です。

新NISAで子育て費用を捻出することはできるのか

 養育費と教育費の特性を考えた場合、新NISAで捻出する必要があるのは教育費です。

 それも、大学の学費に限定されると考えておいた方がよいですね。

 ・私学の高校費用

 ・大学受験の学習塾代

 新NISAはこのような教育費を捻出することには向いていません。

 その理由は、新NISAは長期・積立・分散の資産形成を意識した制度設計がなされているからです。

 教育資金というのは、よほど収入が多くない限り、世帯が長い期間をかけて用意していく必要がある費用です。

 こどもが小さい時からコツコツとお金を積み立てていき、大学費用などの大きくかかる金額を支払い際に一括してキャッシュアウトさせる必要があります。

 ・こどもが高校に入ってから大学費用を考える

 ・こどもが大学生の時に学費を捻出する

 教育費とはこのような工面の仕方をするのではなく、大きくお金がかかる前に目途をつけておく必要があります。

 ・積立

 ・長期

 このような方法で捻出することを考えると、新NISAの積立投資枠を軸として時間をかけて作ることがよいということです。

小さいときからコツコツと新NISAを使うのがよいのでは。

YOHの考え

 今回は子育て費用を新NISAで捻出することについて考えてみました。

 ・養育費・・・2,000万円

 ・教育費・・・700万円

 子育てにはこの2つの費用がかかり、合計で2,700万円みておく必要があります。

 そして、新NISAで捻出することに向いているのは教育費の方です。それも、大学費用に限定されると考えておいてよいですね。

 ・こどもの食費

 ・こどもの贅沢費

 ・こどもの学習塾代

 新NISAはこのような子育てにかかる費用を捻出することには不向きであるということです。

 その理由は、新NISAは長期・積立を基本とした制度設計がなされているからです。

 ・月2.5万円(年間30万円)

 ・投資運用期間 18年

 ・利回り 4%

 この条件で新NISAを使った場合、最終積立金額は788万円になります。

出典 楽天証券

 18年間の投資金額が540万円と積立投資枠を使い切って、大学費用を捻出することができることになります。

 新NISAで教育資金を捻出するのであれば、これぐらいの時間と積立金額を見ておけばよいということです。

 もちろん、新NISAを使って必ずしも利益が出る訳ではありません。暴落や為替の影響によっては、投資元本を下回る可能性もあります。

 しかし、投資対象が長期的に右肩上がりであれば、投資運用期間が長いほど、リターンは平均に収束していきます。

出典 

【投資信託】投資の基本~長期投資のススメ~ | はじめての投信 | 投資信託 | 岡三オンライン-岡三証券株式会社が提供するネット証券サービス

 上の図は1927年から2020年までのS&P500を指数とする金融商品の投資期間とリターンを表したものですが、15年間~20年間では最大値が最小値を大きく上回っていることがわかります。

 このようなことからも、新NISAで18年間をかけてこどもの教育資金(大学費用)を用立てることは、選択肢のひとつとなり得るということです。

 逆に言えば、新NISAを使ったとしても短い期間で教育資金を作ることは非常にリスクが伴うということです。元本割れする可能性が高くなるからですね。

 教育資金というのは子育て世帯であれば、どの世帯でもある程度の目途をつけておく必要がある費用です。

 そして、新NISAで教育資金を捻出することは可能です。

 しかし、あくまでも長期・積立を心がけてようやく大学費用を捻出することに向いていると考えておいた方がよい、というのが私の考えです。

 ご覧いただきありがとうございました。

 教育費の特徴としてはインフレしやすいことですね。そのため、学資保険などは教育資金の捻出には不向きです。

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 政府が打ち出している第3子以降の大学費用無償化についてはこちらで記事にしています。

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 児童手当の拡充と扶養控除縮小についてはこちらで記事にしています。

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