老後2,000万円問題
老後のための資産形成としてよく使われるキーワードが「老後2,000万円問題」です。
・月20万円の年金受給(夫は40年間厚生年金に加入、妻は専業主婦)
・月25万円の支出(夫、妻の2人世帯)
・30年間生きると1,800万円、それ以上生きると2,000万円が老後資金として不足する
このケースを想定しているのが老後2,000万円問題です。あくまでも、厚生労働省が出しているモデルケース世帯を対象としているので、不足する金額は個々によって大きく異なりますが、老後にはお金がかかるということに警鐘を鳴らしているということです。
そして、この老後2,000万円問題は多くの世帯がクリアすることができないということです。
総務省統計局の2021年の家計調査報告によると、2人以上世帯の金融資産保有額の平均値は1,454万円、中央値は833万円となっていることがわかります。ここから考えると、平均的な世帯では2,000万円を老後に入るときに捻出していることは難しいということです。
・資産形成が十分にできている
・平均以上の収入を得ることができている
このような世帯でなければ、老後2,000万円問題は解決することが難しいということです。しかし、老後に2,000万円を捻出できていなかったから、老後生活が困窮するかと言えばそうではありません。誰にでもできる解決方法があるからですね。キーワードは1日1700円です。
・老後に2,000万円を捻出できなくとも問題ない理由
・老後2,000万円問題の具体的な解決策
今回はこの2点について考えてみたいと思います。
老後に2,000万円を捻出できなくとも問題ない理由
まず、老後2,000万円問題で大切なことは一括で2,000万円を用意する必要が無いということです。
・老後に2,000万円不足する
・2,000万円準備しておかないと老後生活は厳しいものになる
老後2,000万円問題と聞くとこのように感じてしまいますが、実際にはそうではないですね。日々の生活費として少しずつお金を使っていった結果として、2,000万円が不足するということです。
老後生活に突入した時点で一括で2,000万円がキャッシュアウトするわけではないので、老後生活に入った時点で2,000万円を用意していないからといって、いきなり生活に困窮することはありません。
2000万円というのは全体の規模感の話だということです。
そして、お金に対する考え方で大切なことは、大きな金額は分けて考える必要があるということです。2,000万円と言われると非常に大きな金額で現実的ではありませんが、分けて考えていけば現実的な数字で確認することができます。
・35年間で2,100万円
・1年間で60万円
・ひと月で5万円
・1日で1,700円
このように分けて考えてみれば現実的な数字に変換することができます。
最も現実的な数字で言えば「1日で1,700円」です。この金額を日々解決することができるのであれば、老後突入時に貯蓄が0円でも老後2,000万円問題は解決することができるということです。
老後2,000万円問題の具体的な解決策
ずばり言ってしまえば、老後2,000万円問題の解決策とは、1日1,700円を捻出することと全く同じです。
そのため、老後2,000万円問題の具体的な解決策を考えるのであれば、老後に1日1,700円を捻出する方法を考えればよいということです。
そして、これはそれほど難しいことではないですね。誰しもが思いつくような、ありふれたことをすればよいということです。
・週に2回パートタイムジョブで働く(夫婦で働くなら週1回)
・現役時よりも節約を意識する
・ちょっとした贅沢の回数を減らす
人によって考え方は様々でしょうが、このようなありふれたことをすれば、1日1,700円を捻出することはできるということです。
・株式投資で資産を増やす
・不動産投資で家賃収入を得る
・退職金を運用する
老後2,000万円問題を解決するために、このような方法を取る必要は全くないということです。
・日々の生活費を見直して、少しの労働収入を得る
65歳時点で2,000万円が捻出できていなくともこれだけのことをしていれば、老後2,000万円問題は解決できるということです。
YOHの考え
老後に必要なお金というのは、世帯の状況によって大きく異なります。
・独身か夫婦か
・年金の加入状況
・持ち家か賃貸住宅か
・金銭感覚
このような事柄が異なれば、老後にかかるお金も大きく異なります。そのため、老後2,000万円問題というのはあくまでも目安に過ぎないということです。
しかし、平均的な年金受給金額で老後に平均的な生活を送ろうと思うのであれば、年金だけではお金が足りなくなる可能性は高いと考えておいた方がよいですね。
ただ、老後にまとまったお金が無くともそれほど焦る必要はありません。
大切なのは現状把握と大きすぎるお金の問題は分けて考えるということです。
・今の状況であれば老後生活を送る上で1,000万円が足りなくなる
このような現状を把握したのであれば、1,000万円という金額を自分が現実的だと思えるところまで分けていけばよいのです。
・35年間(65歳~100歳)で1,000万円
・年間28万円
・月2.3万円
・1日700円
このように考えれば、対処方法というのはいくらでも見つけることができるということです。
多くの人にとって1日700円を捻出する方法を見つけて実践することは可能だということです。
老後のお金の問題で最も大切なことは、老後に突入した時点で大きなお金を持っていることではありません。
自分が思っているような老後生活を送ることができるだけのお金の段取りが出来ているということです。
私の考えになってしまいますが、多くの世帯では老後突入時点で老後2,000万円問題を解決することができていなくとも問題ありません。
老後2,000万円問題のモデルケース世帯で言えば、1日1,700円を捻出することができる状態を作っておけばよいだけだということです。
前述しましたが、最もやってはいけないことは老後2,000万円問題という言葉に過剰に反応して、今あるお金をリスク運用をして、65歳時点で無理やり2,000万円を作ろうとすることです。
・退職金が思ったよりも少なかった
・老後に向けて資産形成ができていなかった
このような状況で、無理に資産運用をして何とか2,000万円を作ることは絶対にしてはいけないということです。
・現状保有している資産
・老後に捻出できるお金
この2つを考えると、老後2,000万円問題は多くの人が解決できる問題だということです。
・1日1700円を捻出する
これだけで65歳時点で貯蓄が0円でも老後2,000万円問題は解決できると私は考えています。ご覧いただきありがとうございました。
高齢になってからの資産運用はよく考えて行う必要がありますね。私は老後に資産運用をデビューすることについては否定的です。
2022年から年金制度が改正されています。大きな変更点もあるので知っておいた方がよいですね。
年金は学生の時は猶予制度を使えるのですが、申請していない場合は未納扱いとなります。あとから納めることもできますが、納めるかどうかはその人も判断によりますね。考え方によっては株式投資をした方がよいこともあります。