公務員の金銭感覚
私は公務員として働いて15年以上が経ちますが、上司や同僚、後輩などと話をしていて感じることは、金銭感覚が世間一般と比較してズレている方が少なからずいる、いうことです。
・お金のことを考えるなんて人間として器が小さい
・借金をしてこそ一人前
ズレていると感じるのは、概ねこのような感覚ですね。そして、このような感覚というのは仕事の能力と関係がありません。
・仕事は真面目に取り組んでいる
・能力が非常に高い
このような仕事においては優秀な職員であっても、金銭感覚がズレているケースが往々にしてあるということです。
これは、公務員の労働環境や給料形態によるところが非常に大きいですね。
・年功序列
・終身雇用
職種や部署によってある程度の差はあるでしょうが、公務員組織の給料形態はこの2つが給料を決める要素となります。
仕事をどれだけ頑張って成果を上げようが、それが給料に反映されることはほぼないということです。
そして、徹底した年功序列も金銭感覚がズレる要因のひとつとなっています。
・先輩が浪費をするのが当たり前だと言っている
・上司が新築一戸マイホームを買うのが当たり前だと言っている
このような環境下で働いていると、浪費をして借金をするのが当たり前だと認識するということです。
しかし、これらのことは当たり前ではないですね。もちろん、浪費や新築一戸マイホームを購入することが金銭感覚が伴わないこととイコールというわけではありません。
・世帯の収入
・家族構成
・価値観
このような事柄で浪費やマイホーム購入の価値観というのは変わってくるのが当たり前です。
そのため、誰しもが浪費に散財したり、マイホーム購入をすることが人生における規定路線とはならないのですね。
しかし、公務員であれば、貯蓄をせずにお金を使い借金をすることが当たり前という感覚を持つ方が少なからずいるということです。
それを考えさせられたのが、同僚との車購入の話です。
同僚が車を購入する話
先日、職場で同僚と話をしていると「自家用車を乗り換えようと思っているんだけど、どうしようかな」という話になりました。
その同僚というのは、YOHと属性が近い子育てファミリー世帯です。
・小学生のこども2人の4人家族
・住宅ローンを組んでいる
ザックリと言えばこのような世帯です。
その同僚は現在乗っている車が購入して9年ほど乗っており、一度ディーラーに車の見学に行ったら、乗り出し価格が500万円ほどの人気モデルの車を強く勧められたということです。
どうしようかな、と言いつつも同僚の中では購入することでほぼ決まっているという感じでした。
その話の流れになると、聞くことになるのが購入費用についてです。
YOH:「それじゃあ、車はキャッシュで購入するんですか?」
同僚:「まさか、もちろんローンだよ。」
YOH:「えっ?」
同僚:「貯金の200万円を頭金にして、残りはローン。60回払いにするつもり。」
このような会話になりました。
この同僚は非常に真面目で仕事の能力も高く、家庭も大切にされています。
しかし、私の価値観からすれば金銭感覚に関しては狂っているとしか言いようがありません。
・現時点で車購入に使えるお金が200万円なのに500万円の車を購入しようとしている
・カーローンを組むこと前提で車両購入を考えている
・新車購入以外の選択肢がない
・住宅ローンとカーローンのダブルローン
このようなお金の使い方は、私の金銭感覚と大きくかけ離れているということです。
しかし、このような感覚というのは話をした同僚だけではありません。
私の職場では、このような感覚というのが当たり前となっているということです。
YOHの考え
今回は同僚との車購入の話を例に挙げましたが、公務員として働いていると、金銭感覚がズレてくるということは往々にしてあります。
・車購入に使えるお金が200万円
・ローンを組んで500万円の車を購入する
この金銭感覚というのは、普通に考えて明らかに異常です。
我が子であれば、2,000円しかないのに5,000円の新作ゲームをお金を借りて購入しようとしているようなものです。
私だけでなく、親であれば誰もが当然、諭して止めるでしょう。それをしてはイカン、と。
・2,000円で買えるゲームを買いなさい
・5,000円貯めるまで待ちなさい
このように諭すということです。
しかし、大人になればそのようなことをするケースがありふれているということです。
もちろん、500万円の車を購入することは異常ではありません。しかし、それは車購入に使えるお金が500万円以上あることが前提条件です。
車購入に使えるお金が200万円であるなら、200万円以内で車を探す必要があるということです。
・中古
・型落ち
・不人気車種
このようなことを選択肢に入れれば、200万円以内で車を購入することは、それほど難しいことではありません。
しかし、そのような考え方を持つことなく、ただただ欲しいという理由だけで300万円のカーローンを組んでまで人気の新車を購入するということは、資産形成の面から見れば金銭感覚が狂っているということです。
しかし、この同僚が金銭的に困窮するのかと考えるとそうではないですね。
仕事を続けていれば、住宅ローンは定年退職で払い終えることができるでしょうし、今回組むカーローンも5年できっちりと払い終えることができるでしょう。
しかし、資産形成は難しいものになるということです。
・貯蓄
・投資
このようなことにそれほど手が回らなくなるということです。実際に、そのような方というのは公務員には多く、それが公務員のスタンダートであるということです。
もちろん、浪費や贅沢というのは心を豊かにしてくれるもので、生活に欠かすことができないものです。
しかし、浪費や贅沢というのは、あくまでも貯蓄などの資産形成の余剰資金に合わせてするもので、優先順位としては低くしておく必要があるということです。
その優先順位などが狂っていると資産形成は難しいものになると私は考えています。
ご覧いただきありがとうございました。
公務員の金銭感覚が狂う理由のひとつが身の丈に合わない住宅購入ですね。平均的な年収の適切な住宅ローン金額についてはこちらで記事にしています。
公務員が一生安泰という時代は終わりを迎えています。自治体の破綻など様々なりスクがあります。
過去の常識は現在において通用しないものになっています。現代において、銀行預金やマイホームで資産形成、というのは難しいということですね。